韓国は外国人200万人が住んでいる多文化社会だ。だが、外国人が韓国で生活するというのは簡単なことではない。儒教文化の影響などで外国人に対する偏見を簡単に捨てることができず、感情的嫌悪感を持っている人が少なくないからだ。釜山(プサン)に住んでいる結婚11年目のレオナルド・メンドーサさん(44)とシン・ジンヨンさん(36)夫婦が最近体験したことは代表的例の一つだ。夫婦は大型ショッピングモールの駐車場で車にぶつかるところだった子供を助けようとしたが、子供のおじいさんから人種差別的な暴言を聞いた。これを捜査した警察も大したことではないように扱った。腹が立ってソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に外国人に向けた警告の文章を書き込んだのがあっという間に広がり、外国人の人権保護問題が問題化した。10日、釜山のあるカフェで会ったメンドーサ夫婦は、コロンビア人の太郎と韓国人の花子、のような普通の夫婦だった。兄と妹のように優しくて身長もほぼ同じだった。質問をするとお互い負けないように競い合いながら答えた。夫は「韓国の妻は怖い~」と冗談をした。事件の前後状況と韓国で生活するうえで大変なことについて話を聞いた。
--事件発生の状況は。
「釜山市望美洞(マンミドン)の大型ショッピングモールで買い物をして駐車場に向かった。おじいさん・おばあさん、若いママと6歳ぐらいの男の子が歩いてきたが、子供が一人であっちこっちに飛び回っており危ないように見えた。下の階から速いスピードで上がってきた車は子供に気付かず速度を上げていた。妻がびっくりして大声を出したところ、車が子供の数センチ前で止まった。私たちが子供を助けたと思った」
--そのような善意が悪夢に変わったきっかけは。
「ありがとうと言われるかと思ったら、おじいさんが『なぜ人のことにおせっかいをするのか」と怒鳴った。状況把握ができず、私たちが子供を叱ったと誤解したようだった。そのため、子供が車にぶつかるところだったので大声を出したと説明した。それでも不機嫌なおじいさんが僕の妻をじろっと見て近寄ろうとした。大変なことになるかと思って僕が前に立ったら、僕を押しのけて床に倒された。僕の体の上で手で胸を押しながら殴ろうとした。僕が『警察、警察』と大声で叫んだ。僕は外国人なので不利益にあうかと思って全く対応しなかった」
--警察は誰が呼んだのか。
「妻がこの場面を撮ったが、若いママが携帯電話を奪った。妻に悪口を言った。大型マートの職員が来て携帯を渡してもらった後、妻が通報した。10分後に到着した警察は『大したことではないのに取り調べに2~3時間はかかる。謝ってもらって帰ればどうか』と誘導した。その時もおじいさんはずっと人種差別的な悪口を言っていた。本当に謝る態度ではなかった。僕が正式に取り調べてほしいと言ってパトロールカーに乗った」
--警察署ではどうだったか。
「(シンさん)警察では100%保護を受けることができるかと思ったが、おじいさんの暴言がもっとひどくなった。警察が夫に国籍を尋ね『コロンビア』と答えたところ、おじいさんが『ポーランド野郎』と言った。警察官がコロンビアだと訂正すると、『よりひどいところから来たな』と揶揄した」
--警察が止めなかったのか。
「警察はただ、おじいさんに『不利になり得る』という話だけを2回した。韓国に人種差別法がないとは知っていたが、警察署の中だけでは外国人が守られるべきではないかと聞いたところ、その警察は『黒ん坊とも言わなかったのに…』と大したことではないように話した。今回の事件で最も大きな問題は警察が人種差別をずっと放っておいたということだ。警察が悪口を止めなかったのは、やはりそれに同意しているとしか考えざるを得ない」
--それからどうにしたのか。
「家に帰るやいなや文章を書き込んだ。『韓国では絶対に他人事に介入するな』という趣旨だった。釜山に住んでいる外国人4000人がファローしている僕のフェイスブックアカウントに外国人に向けた警告の文章を載せたところ、その影響が大きかった。似たような状況を体験したという外国人が多かった」
--このようなことが初めてなのか。
「違う。様々な事件が数えられないほどあったが、相手にしなかった」
--釜山地域の特殊性もあると考えるか。
「釜山の人々は多血質だ。普段からも争うように話し、実際にもよく争う。釜山の人々同士に争う時は、状況について問い詰める。ところで、外国人には人種差別的な悪口や暴言がついてくる。コロンビアでは『駐車もできないね』で終わることが、釜山では『駐車もできないコロンビア人』になってしまう。さらに、妻はお年寄りの方から『売春婦』とも言われたこともある。外国人である僕と付き合うからだ」
--記憶に残っていることがあるか。
「2007年ごろ、高速道路のサービスエリア駐車場の近くで若い男性が絡んできた。突然、その男性が車のトランクからこん棒を持ち出して僕を殴った。頭を傷つけられた。周りに多くの人が集まってきた。ほとんどの人々が、妻がその男性と付き合っているうちに外国人である僕と付き合ったのだと誤解した。その光景を最初から見た人がいない。先入観を持って僕が事態の火種で妻がもてあそばれ、韓国の男性が腹が立って殴ったという風に認識したわけだ。このような状況が起きれば、問い詰めることもせず常に外国人が間違っていると思われる」
コロンビア夫と韓国人妻の大変な韓国生活(2)
--事件発生の状況は。
「釜山市望美洞(マンミドン)の大型ショッピングモールで買い物をして駐車場に向かった。おじいさん・おばあさん、若いママと6歳ぐらいの男の子が歩いてきたが、子供が一人であっちこっちに飛び回っており危ないように見えた。下の階から速いスピードで上がってきた車は子供に気付かず速度を上げていた。妻がびっくりして大声を出したところ、車が子供の数センチ前で止まった。私たちが子供を助けたと思った」
--そのような善意が悪夢に変わったきっかけは。
「ありがとうと言われるかと思ったら、おじいさんが『なぜ人のことにおせっかいをするのか」と怒鳴った。状況把握ができず、私たちが子供を叱ったと誤解したようだった。そのため、子供が車にぶつかるところだったので大声を出したと説明した。それでも不機嫌なおじいさんが僕の妻をじろっと見て近寄ろうとした。大変なことになるかと思って僕が前に立ったら、僕を押しのけて床に倒された。僕の体の上で手で胸を押しながら殴ろうとした。僕が『警察、警察』と大声で叫んだ。僕は外国人なので不利益にあうかと思って全く対応しなかった」
--警察は誰が呼んだのか。
「妻がこの場面を撮ったが、若いママが携帯電話を奪った。妻に悪口を言った。大型マートの職員が来て携帯を渡してもらった後、妻が通報した。10分後に到着した警察は『大したことではないのに取り調べに2~3時間はかかる。謝ってもらって帰ればどうか』と誘導した。その時もおじいさんはずっと人種差別的な悪口を言っていた。本当に謝る態度ではなかった。僕が正式に取り調べてほしいと言ってパトロールカーに乗った」
--警察署ではどうだったか。
「(シンさん)警察では100%保護を受けることができるかと思ったが、おじいさんの暴言がもっとひどくなった。警察が夫に国籍を尋ね『コロンビア』と答えたところ、おじいさんが『ポーランド野郎』と言った。警察官がコロンビアだと訂正すると、『よりひどいところから来たな』と揶揄した」
--警察が止めなかったのか。
「警察はただ、おじいさんに『不利になり得る』という話だけを2回した。韓国に人種差別法がないとは知っていたが、警察署の中だけでは外国人が守られるべきではないかと聞いたところ、その警察は『黒ん坊とも言わなかったのに…』と大したことではないように話した。今回の事件で最も大きな問題は警察が人種差別をずっと放っておいたということだ。警察が悪口を止めなかったのは、やはりそれに同意しているとしか考えざるを得ない」
--それからどうにしたのか。
「家に帰るやいなや文章を書き込んだ。『韓国では絶対に他人事に介入するな』という趣旨だった。釜山に住んでいる外国人4000人がファローしている僕のフェイスブックアカウントに外国人に向けた警告の文章を載せたところ、その影響が大きかった。似たような状況を体験したという外国人が多かった」
--このようなことが初めてなのか。
「違う。様々な事件が数えられないほどあったが、相手にしなかった」
--釜山地域の特殊性もあると考えるか。
「釜山の人々は多血質だ。普段からも争うように話し、実際にもよく争う。釜山の人々同士に争う時は、状況について問い詰める。ところで、外国人には人種差別的な悪口や暴言がついてくる。コロンビアでは『駐車もできないね』で終わることが、釜山では『駐車もできないコロンビア人』になってしまう。さらに、妻はお年寄りの方から『売春婦』とも言われたこともある。外国人である僕と付き合うからだ」
--記憶に残っていることがあるか。
「2007年ごろ、高速道路のサービスエリア駐車場の近くで若い男性が絡んできた。突然、その男性が車のトランクからこん棒を持ち出して僕を殴った。頭を傷つけられた。周りに多くの人が集まってきた。ほとんどの人々が、妻がその男性と付き合っているうちに外国人である僕と付き合ったのだと誤解した。その光景を最初から見た人がいない。先入観を持って僕が事態の火種で妻がもてあそばれ、韓国の男性が腹が立って殴ったという風に認識したわけだ。このような状況が起きれば、問い詰めることもせず常に外国人が間違っていると思われる」
コロンビア夫と韓国人妻の大変な韓国生活(2)
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