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現代自動車「残酷な4月」…相次ぐリコールの危機

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
シータ2エンジンの欠陥でリコールが確定した現代自動車が、韓国政府から2011年式「エクウス」「ジェネシス」のリコール勧告を受けた。現代自動車は「リコールの実施はまだ最終決定されていない」とし、欠陥状態を検討した上で今月末までに国土交通部にリコールの可否を釈明すると明らかにした。

国土交通部は現代自動車に対し2011年に生産したエクウスとジェネシス6万8000台の自発的リコールを要求した。国土交通部、自動車専門家、消費者団体などが参加する製作欠陥審査評価委員会は先月23~24日に、現代自動車の内部告発者が昨年国土交通部に情報提供した32件の欠陥疑い例を調査した。この過程で委員会はジェネシスとエクウスの欠陥を確認し先月28日に現代自動車にリコールを要求した。

問題になった部分は燃料タンクの前についているキャニスターという部品だ。車が走行中にスピード防止の段差を乗り越えるなどの衝撃を受けると燃料タンクに入っていたガソリンが蒸発してガスが発生する。このガスがオゾン層を破壊するという事実が明らかになり、大気環境保全法はこのガスをキャニスターで捕集、貯蔵して再燃焼するよう規定した。


国土交通部は現代自動車がエクウスとジェネシスに装着したキャニスターが濃度を十分に引き下げられていないガスがエンジンに流入させたとみている。エンジンで燃料が燃焼するには空気と燃料の比率(11.7対1)が一定でなければならない。キャニスターがガス濃度を低くできなければ必要以上の燃料がエンジンに流入する。

こうした場合、自動車所有者の立場ではまず、停車直前にエンジンが止まる可能性がある。空気と燃料の比率が適正でないためだ。ろうそくの火(エンジン)に石油(ガス)を大量で浴びせても燃えさかる代わりに火が消えてしまうような原理だ。2番目に、走行中にブレーキを踏むと燃料の臭いがひどく出る。ブレーキを踏む時に燃料タンクからもれたガスが車両前面に集まるためだ。

現代自動車はキャニスターを調査して国土交通部に対し27日までにリコール計画書を提出しなければならない。核心はキャニスターの欠陥が運転者の「安全」と関連があるかだ。現行法上、大気環境保全法と自動車管理法が車両リコール命令の根拠となる。この中で自動車管理法第31条は安全基準に適していなかったり安全運行に支障を与える欠陥がある場合にだけ自動車をリコールするよう規定している。

もしエンジンが止まる現象が走行中に発生すればリコールはほぼ確実だ。自動車整備名匠であるカー123テックのパク・ビョンイル代表は「走行中にエンジン停止が発生するなら運転者の命と直結するためリコールにつながる可能性が高い」と予想する。これに対し停車中にだけエンジンが止まるならばリコールまでは進まない可能性がある。運転者の安全と直接関連はないとみられるためだ。車が走っていれば外部から風(酸素)がエンジンに十分に流入するため、濃度がやや高い蒸発ガスがエンジンに流入してもシリンダーは爆発する。走行中にエンジンが止まる可能性は大きくないという意味だ。また、キャニスターが核心部品に影響を与えるならばリコールしなければならない。キャニスターはエンジン・燃料タンク周辺に位置するが、厳密に言えばこれらとは別個の部品だ。したがって一部製品だけ不良ならば大規模リコールにはつながらない。

現代自動車が27日までにリコール計画書を提出しなければ、10日間の猶予期間を経て聴聞会が開かれる。聴聞会でリコールが必要だという結論が下されれば強制リコールが実施される。国土交通部のチョ・ムヨン自動車政策課長は「聴聞会でリコールを進めないという結論を下す場合もしばしばある」と説明した。韓国政府がリコールを要求したとしても、最終リコールに決定されない場合があるという意味だ。

旧型モデルではあるが最高級ラインにリコールが飛び火し現代・起亜自動車グループは当分リコール問題に振り回される見通しだ。国土交通部は20日に欠陥が疑われる3件に対し追加でリコールの必要性を検討する予定だ。現代自動車「アバンテ」「i30」「ソナタ」などの電動ステアリング装置(MDPS)の欠陥と、現代自動車「LFソナタ」の駐車ブレーキランプ欠陥などが対象だ。

これと別に国土交通部は6日に現代自動車が提出した「シータ2エンジン」「グレンジャー」「K7」など17万台のリコール計画書も検討している。もしエクウスとジェネシスのリコールが最終確定するなら、現代自動車は合わせて24万台をリコールしなければならない。



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