漂流する大宇造船海洋、中国の猛烈な追撃、日本の復活の兆し…。四面楚歌の大韓民国造船海洋産業はどこに流れるのだろうか。ソウル大学造船海洋工学科長のキム・ヨンファン教授(53)の診断を聞いてみた。キム教授は「大宇造船を潰すより得意な船作りに注力させ、回復の機会を与えることが望ましい。これを株主と国民に説得する努力をさらに尽くさなければならない」と話した。老朽船舶に対する代替の需要が持続的にあるという点で造船は決して斜陽産業でないことを明確にした。キム教授は「グリーン・シップ(エコ船舶)、スマート・シップ(自律船舶)など次世代の船舶分野で生きる道を探さなければならない」と強調した。
――韓国経済の貢献者である造船海洋産業がわずか数年間でなぜこのように急落したのか。
「第2次世界大戦以後、造船産業の覇権が欧州から日本に、日本から韓国に移った。しかし、この産業史上1等国家がこのように劇的に没落した類例はない。韓国が1993年にグローバル受注1位に登板して以来2008年の金融危機直前までだけでも現代重工業・サムスン重工業・大宇造船海洋の「ビッグ3」合わせて数兆ウォンずつ利益を出していたのにわずか数年で数兆ウォンの赤字に転じたから…。韓国国民は何かキツネにつままれたような感じを受けているだろう。多くの人が指摘しているが、没落の中心には無分別な海洋プラント事業があった。造船海洋産業の領域を大きく船舶と海洋プラントに分けて見ると、船舶建造でおさめた成功に陶酔し、なじみがうすい海洋プラントに深々と飛び込んでどん底に陥ったわけだ。
こんにちの韓国造船海洋産業の危機は船舶受注一辺倒から抜け出すために海洋プラント側に無理に飛び込んで低価格受注の血肉を削る競争を繰り返した「ビッグ3」造船社の責任が大きい。もう1つある。3社の経営陣の過信と戦略の失敗が第一次的な失敗だとすれば造船海洋産業に関する政府のコントロールタワー機能がまともに作動できなかった点も危機を煽った」
――海洋プラントで一体どんなことが起こったのか。
「造船市場は2008年のグローバル金融危機以降、海運業が低迷して発注が急減した。国際原油価格が上がり始め、海洋プラントがその代案として浮び上がった。初期は一部成功事例があったためビッグ3はより一層勢いづいた。現代重工業の西アフリカ海域キゾンバプロジェクトやサムスン重工業・大宇造船のドリル・シップ(石油掘削船)が一時そうだった。海洋プラントは国際原油価格が1バレル当たり100ドル以上だと確かに採算が取れるが、2014年以後原油価格が急落すると災難に急変した。発注処のプラント引き受け取り消しや遅延事例が頻発した。そのうえビッグ3の過当競争にともなう血肉を削る低価格受注、設計エンジニアリングの能力不足によるクレームも収益性を急激に悪化させた」
――造船と海洋分野の根本的な違いは何か。
「最近造船産業の景気が10余年間隔で波打っていたのに比べて、海洋産業はサイクルが短い。事業別図体は海洋側がはるかに大きい。海洋プラントは主に海に埋まっている石油・ガスなどの天然資源を掘削して生産する設備だ。ドリル・シップやFPSO(浮遊式原油生産保存荷役設備)、FLNG、反潜水式掘削船などがそうだ。船を一隻受注する価格より5~10倍に及ぶ。造船業の取り引き相手は船主や船級会社程度だ。だが、海洋産業は付加価値を作り出すバリュー・チェーンの段階が複雑だ。探査・掘削・保存・生産など多様な業者とともに仕事をしなければならない。テクニップ・キャンベル・SBMのような専門会社が欧州と米国に広く進出している。数十年間1,2種類の仕事だけしてきた専門業者で1年で10兆ウォン前後を稼ぐ最も重要な技術企業だ。造船3社は2010年頃からこのような仕事を全て自分でやると言って勇敢に乗り出した。受注まで過多だったため消化不良になるのは仕方なかった」
四面楚歌の韓国造船業界構造…その解決策は何か(2)
四面楚歌の韓国造船業界構造…その解決策は何か(3)
――韓国経済の貢献者である造船海洋産業がわずか数年間でなぜこのように急落したのか。
「第2次世界大戦以後、造船産業の覇権が欧州から日本に、日本から韓国に移った。しかし、この産業史上1等国家がこのように劇的に没落した類例はない。韓国が1993年にグローバル受注1位に登板して以来2008年の金融危機直前までだけでも現代重工業・サムスン重工業・大宇造船海洋の「ビッグ3」合わせて数兆ウォンずつ利益を出していたのにわずか数年で数兆ウォンの赤字に転じたから…。韓国国民は何かキツネにつままれたような感じを受けているだろう。多くの人が指摘しているが、没落の中心には無分別な海洋プラント事業があった。造船海洋産業の領域を大きく船舶と海洋プラントに分けて見ると、船舶建造でおさめた成功に陶酔し、なじみがうすい海洋プラントに深々と飛び込んでどん底に陥ったわけだ。
こんにちの韓国造船海洋産業の危機は船舶受注一辺倒から抜け出すために海洋プラント側に無理に飛び込んで低価格受注の血肉を削る競争を繰り返した「ビッグ3」造船社の責任が大きい。もう1つある。3社の経営陣の過信と戦略の失敗が第一次的な失敗だとすれば造船海洋産業に関する政府のコントロールタワー機能がまともに作動できなかった点も危機を煽った」
――海洋プラントで一体どんなことが起こったのか。
「造船市場は2008年のグローバル金融危機以降、海運業が低迷して発注が急減した。国際原油価格が上がり始め、海洋プラントがその代案として浮び上がった。初期は一部成功事例があったためビッグ3はより一層勢いづいた。現代重工業の西アフリカ海域キゾンバプロジェクトやサムスン重工業・大宇造船のドリル・シップ(石油掘削船)が一時そうだった。海洋プラントは国際原油価格が1バレル当たり100ドル以上だと確かに採算が取れるが、2014年以後原油価格が急落すると災難に急変した。発注処のプラント引き受け取り消しや遅延事例が頻発した。そのうえビッグ3の過当競争にともなう血肉を削る低価格受注、設計エンジニアリングの能力不足によるクレームも収益性を急激に悪化させた」
――造船と海洋分野の根本的な違いは何か。
「最近造船産業の景気が10余年間隔で波打っていたのに比べて、海洋産業はサイクルが短い。事業別図体は海洋側がはるかに大きい。海洋プラントは主に海に埋まっている石油・ガスなどの天然資源を掘削して生産する設備だ。ドリル・シップやFPSO(浮遊式原油生産保存荷役設備)、FLNG、反潜水式掘削船などがそうだ。船を一隻受注する価格より5~10倍に及ぶ。造船業の取り引き相手は船主や船級会社程度だ。だが、海洋産業は付加価値を作り出すバリュー・チェーンの段階が複雑だ。探査・掘削・保存・生産など多様な業者とともに仕事をしなければならない。テクニップ・キャンベル・SBMのような専門会社が欧州と米国に広く進出している。数十年間1,2種類の仕事だけしてきた専門業者で1年で10兆ウォン前後を稼ぐ最も重要な技術企業だ。造船3社は2010年頃からこのような仕事を全て自分でやると言って勇敢に乗り出した。受注まで過多だったため消化不良になるのは仕方なかった」
四面楚歌の韓国造船業界構造…その解決策は何か(2)
四面楚歌の韓国造船業界構造…その解決策は何か(3)
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