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【コラム】法廷のルーラ氏と朴槿恵氏

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2004年7月14日。ブラジル・サンパウロ郊外にあるサムスン電子携帯工場で当時のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領(71)に会ったことがある。貧しい労働者出身の大統領として国内外で相当な人気を博していた時だった。彼の顔は明るく、声にはプライドがにじみ出た。ルーラ氏をもっと近くで見るために、青色の作業服を着た数百人の女性社員が警護ラインの前まで群がっていた。彼は女性社員に近付いて手を握って肩をたたいた。涙を流す社員もいた。

そのように国民から愛されていたルーラ氏は先月14日、法廷に立った。彼は在任(2003年1月~2010年12月)中に賄賂授受・捜査妨害などの犯罪にかかわった容疑で昨年、起訴された。この日は初めての法廷出頭だ。ルーラ氏はすべての容疑を否認した。政治的な起訴だと非難した。怒りをぶつけて攻撃的姿勢だったと外信は報じた。その日、法廷の外では支持者が「ルーラ!ブラジル!」を叫んだ。彼は依然としてブラジルの有力な政治家だ。2018年の大統領選出馬も宣言した。

朴槿恵(パク・クネ)前大統領は「保守を代表する信頼できる女性」だった。18代大統領選を控えていた2012年12月初、ビッグデータ分析会社ダウムソフトが当時の大統領選関連のツィット3100万件を分析して出した朴候補のイメージだった。「信頼できる女性」朴槿恵候補はそれから大統領になったが、今は拘置所に収監されている。拘束直前、朴前大統領の政治的故郷である大邱(テグ)のある新聞社が実施した世論調査では、拘束賛成が半分(49.5%)に達した。18代大統領選で当時の朴槿恵候補の大邱での得票率は80.14%に達した。


朴前大統領は検察の起訴後、法廷に立つことになるだろう。どのような姿を見せるだろうか。どのような発言をするのだろうか。ルーラ氏のようにすべての容疑を否認する可能性が大きい。法廷外では支持者が恐らく「朴槿恵!大韓民国!」を叫んでいるだろう。ルーラ氏は左手の小指がない。幼い時、旋盤工として働いていたうちに切られた。小学校も卒業できなかった。朴槿恵氏は大統領の娘で、事実上王女として18年を過ごした。2人の前職大統領はそのように出身は異なるが、頂上から地に落ちて法の審判を控えた似たものになった。

ルーラ氏と朴前大統領を選んだのは有権者だ。2人ともそれなりの成果はあっただろうが、結果的にはどのような人物なのかをよく知らずに選んだわけだ。正常な選挙の時も候補の資質と品性を正しく知らずに投票する場合が多い。今回の大統領選はその可能性がより大きい。40日も残っていない。各党の候補が相次いで決定されているが、どのような人物なのかを正しく知る時間が足りない。真っ暗な選挙になる可能性がある。大統領選だけではない。今月12日、全国30カ所で国会議員・自治体長・地方議員を選ぶ再補欠選挙が予定されているが、知らない人が多い。情報の不足は選択を歪める。候補らは彼らの立場をより具体的でかつ明らかに示し、有権者はいつにもまして徹底的に考える必要がある。それこそ第2のルーラ氏・朴槿恵氏を避ける道になるだろう。

ヨム・テジョン/ナショナル部デスク



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