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【取材日記】「死の粒子状物質」 無責任な基準から変えるべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
春が訪れて暖かくなっても何の意味があるのだろうかと感じる。

英フィナンシャルタイムズ(FT)は30日、ソウルを中国北京、インド・デリーとともに「最悪の大気汚染3大都市」と報じた。

にもかかわらず政府は風の方向が変わり雨が降ることだけを待ち、事実上、放置している。粒子状物質は土埃や生活のほこりではない。硫酸塩・硝酸塩・炭素類と金属成分からなる重金属・化学粉塵だ。非常に小さいため鼻や喉で防げず気管支や肺胞に付着し、血液に入って呼吸器疾患や肺疾患、狭心症・脳卒中のような心・脳血管疾患を引き起こす。免疫力が生じることもなく治療法もない。「死のほこり」と呼ばれる理由だ。経済協力開発機構(OECD)は40年後の大気汚染による早期死亡率は韓国が最も高いという報告書を出した。


現実を見てみよう。学校は微小粒子状物質が「非常に悪い」日にも野外授業をし、マスクをする生徒も少ない。数年後、子どもが健康問題でどれほど苦労することになるのか本当に心配だ。中国発の粒子状物質を今すぐどうしろというのかと主張するかもしれないが、対処していない部分があまりにも多い。まず粒子状物質基準を世界保健機関(WHO)水準に修正し、その危険性を知らせなければいけない。WHOの粒子状物質「悪い」基準は50マイクログラム/立方メートルからだ。しかし韓国は31-80マイクログラム/立方メートルは「普通」として扱う。人体によりいっそう致命的な微小粒子状物質の場合、WHOは日平均25マイクログラム/立方メートル以下でなければいけないと規定した。この基準で環境部の観測資料をみると、3月1-30日に大気が悪くない日はソウルは7日、京畿道(キョンギド)は4日、江原道(カンウォンド)は5日だけだった。

ある政府関係者は「国際基準にすればほとんどが悪い日になるので人々が不安を感じる」と語った。国民の健康という本質に背を向けた無責任な発想だ。粒子状物質用マスクは1枚あたり2000-3000ウォン(約200-300円)もする。使い捨てであり、庶民には負担になる価格だ。政府が支援金などを通じて安く普及させる責任と義務がある。

保育施設と学校を中心に空気清浄器の設置も急がれる。このままではエアコンより急がれるのが室内空気清浄空調システムだ。また、粒子状物質が「悪い」段階になれば幼稚園と学校は授業を短縮したり、野外授業を禁止するなどの具体的な規定の準備が急がれる。地方自治体と協議してマラソン大会のような大規模な野外行事も延期する必要がある。

粒子状物質は生活の質を越えて生存権と直結する問題だ。大統領候補が「私が大統領になれば…」と公約として提示する前に、今すぐ政府が動き出さなければいけない緊急懸案だ。

イ・ソア/経済企画部記者



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