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「THAAD報復」で中国人観光客伸び悩み 東南アジア観光客の誘致に出た韓国地方自治体

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

今月13日、タイの観光客が「蔚山紫水晶洞窟の国」を見学するためにボートに乗っている。(写真提供=蔚山市)

「作業員がロボットのように素早く精巧に手で自動車部品を組み立てる姿がとても興味深かったです。

海の夜景を見ながら食べた海産物の煮込み料理も忘れないでしょう」。

今月13日、蔚山(ウルサン)を訪れたタイのジラメイトさん(25)は「韓国といえばソウル明洞(ミョンドン)で買い物をして民俗博物館に行くくらいしか考えていなかったが、地方に行けばまた違った韓国の面白さがあることを初めて知った」と語った。ジラメイトさんらタイ人95人は、1泊2日の日程で蔚山現代自動車、紫水晶洞窟の国、蔚山大橋展望台などを経て巨済(コジェ)海底トンネルなどを見学した。宿泊や観光地入場料、食費込みの1人当たりの旅行経費は200ドル(約2万2200円)だった。


彼らを案内したハンストラベルのイン・ジョンス部長は「タイなど東南アジア観光客は、四季がはっきりしていてどこに行っても海が見える釜山(プサン)・蔚山・慶南(キョンナム)の自然環境を非常に好む」とし「自動車強国の一面が垣間見れる工場ツアーからサーカス公演など、見どころも多い」と話した。ソウルと首都圏に集中していた外国人観光客を釜山・蔚山・慶南(以下、東南圏)に呼び込むために自治団体が立ち上がった。高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備の余波で中国人観光客の誘致が緊急事態に陥ると、東南アジア観光客の拡大に活路を見出そうとしている。

特に人口が多いインドネシアなどを集中的に攻略している。2016年に韓国を訪問したインドネシア観光客は前年比45.5%増となる2万9905人だ。同じ期間、中国人観光客は15.1%増えた。蔚山市観光振興課のチェ・ジョンジャ事務官は「THAAD配備で中国人観光客が急減することを予想し、新たな観光市場に浮上している東南アジアを攻略する計画」と意気込んだ。そのため、昨年、中国・ドイツを対象に進めていた旅行会社のペムツアー(事前踏査旅行)をことしはマレーシア・インドネシアに変更して行う。

釜山・蔚山・慶南地方自治体が共同で2001年に設立した「東南圏観光協議会」は2億3500万ウォン(約2340万円)を投じて6つの共同事業を進めている。財源は3つの地方自治体が出し合って確保した。

まず来月インドネシア・ジャカルタで現地旅行会社を対象に東南圏観光地説明会を開く。続く5月にはマレーシア旅行会社関係者を招待して主な名所を紹介するほか、9月にはマレーシアの国際観光博覧会「マレーシア旅行博(MATTA Fair)」に広報館を設営する。

また、東南圏観光協議会はことし、月2回・2コースで「Kトラベルバス」を運行する。東南アジア観光客を誘致し、1泊2日の間、バスで主要観光地を案内するプログラムだ。

だが、専門家は東南アジア人に合った観光プログラムを組まなければなければならないと指摘する。イン部長は「東南アジア観光客はボート体験やクルーズに乗ってクジラを見る体験が好きだが、高価なのでなかなか手が出せない。彼らに照準を合わせた価格帯の商品を開発することが必要」と助言した。



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