中国政府が「THAAD(高高度防衛ミサイル)報復」として15日から中国人観光客の韓国団体観光を禁止したが、打撃は大きくないという分析が出ている。中国人観光客の空席を東南アジアと日本の観光客が埋めているうえ、済州(チェジュ)への国内観光も増えているからだ。
中国に依存してきた韓流も東南アジア・中南米などに方向を変え、中国への部品・素材輸出はむしろ増加している。このため関連業界では「中国人観光客が離れても韓国が生きる道はある」という声が出ている。
1つ目、今月に入りタイ、マレーシア、シンガポール、香港などから来た観光客が前年同期比で30%以上増えた。4月にも花見観光需要などで東南アジアの観光客が昨年より20-30%増えると予想される。東南アジア地域の訪韓客は2012年の139万9359人から毎年10%以上増え、昨年は221万人となった。今年は「THAAD事態」以降の中国人観光客減少に対応して韓国旅行業界が積極的なマーケティングをし、東南アジアの観光客が大幅に増えている。
東南アジア・日本路線の航空券販売も大きく増えた。大韓航空によると、今月15日から5月14日までの2カ月間、釜山(プサン)とバンコクを行き来する航空路線の予約率は前年比29%ポイント増加した。同じ期間、仁川(インチョン)-バンコク、仁川-成田もそれぞれ20%ポイント、11%ポイント増えた。一方、中国路線の予約率は15%ポイント減少した。
東南アジアを訪問する韓国人旅行客も増えている。ハナツアーは今月の東南アジア旅行客が前年比で65%、日本は14%増えたと明らかにした。4月の予約者も東南アジアが68%、日本は21%増えた。モドゥツアーも中国のTHAAD報復措置以降、中国を訪問する観光客は減少したが、代わりに東南アジア・日本行きの需要が増えたと説明した。旅行・航空業界では「東日(東南アジア・日本)特需」という言葉も出ている。
韓国観光公社の関係者は「中国人観光客は韓国で1人あたり平均30万ウォン(約3万円)も使わないが、東南アジアの観光客は40万-50万ウォンほど消費する」とし「中国人の代わりに東南アジア観光客が増えれば旅行会社の収益性は良くなる側面がある」と述べた。
2つ目、国内の観光客も中国人観光客の空席を埋めている。観光地の済州、加平(カピョン)の南怡島(ナミソム)、プチフランスなどには中国の報復が始まった後、韓国人の観光がむしろ増えている。
済州道観光協会の集計によると、今年に入って今月19日まで済州を訪問した韓国人は約248万2300人と、前年同期(227万9500人)比8.9%増えた。一方、2日から18日まで済州を訪問した中国人観光客は6万1860人と、前年同期(10万9774人)比44%減少した。済州観光公社の関係者は「国内線航空機の供給席が前年同期比16%ほど増え、春の旅行客および国内団体観光客が増えている」とし「MERS(中東呼吸器症候群)事態当時も中国人が減少し、国内の観光客が増えた」と説明した。
3つ目、韓流も中国以外の地域に活路を見いだしている。文化産業界は韓流消費市場として中国の代わりに、韓国と情緒が似ている東南アジア地域、適正価格を支払ってコンテンツを消費する日本、北米市場などに目を向けている。製作費160億ウォン(約16億円)のドラマ『鬼(トッケビ)』は中国市場進出に失敗したが、米国、欧州、オセアニア、東南アジア、中南米、日本、台湾、香港などに売れて大きな収益を出した。
ベトナム・タイに合併法人を設立したCJ E&Mはバラエティー・ドラマを現地の情緒に合わせてリメークする「ワンソース・マルチ・テリトリー」戦略で世界各地に進出している。バラエティー番組『花よりおじいさん』の米国版『Better Late Than Never』は昨年8月に韓国放送コンテンツ史上初めて米国地上波放送NBCで放送された。
北米と中南米に進出したケースも目を引く。17-18日にメキシコシティアリーナでCJ E&Mが開催した「KCON2017メキシコ」には、メキシコだけでなくアルゼンチン・ペルー・コロンビアなどから計3万3000人が集まった。
免税店も中国人観光客の急減をカバーするため東南アジア・中東・日本など中国以外の海外観光客の誘致に積極的に取り組んでいる。ソウル市内の主要免税店は中国人団体観光が中断した15日以降、売上高が前年同期比20-30%減少した。
ギャラリア免税店は中東地域の観光客を誘致するため1月に現地の旅行会社2カ所と観光客誘致契約を締結した。中東の観光客が医療観光を好むという点に着眼し、総合病院との協力も強化している。新世界免税店はスタンダードチャータード(SC)銀行とともに東南アジアのVIPを招請し、一定金額以上をショッピングすれば航空・ホテルなどを提供する方式で観光客誘致に力を注いでいる。
4つ目は中国への輸出が依然として増加している点だ。中国と韓国を行き来する旅客機の予約率が大きく低下した半面、輸出製品を積む中国行き貨物機は埋まっている。航空業界のある関係者は「輸出量が増え、貨物機を増便しなければいけないほど」と述べた。産業通商資源部によると、中国は2月、韓国から情報通信技術(ICT)製品74億3000万ドル分を輸入した。これは前年同月比34.1%増。
文化体育観光部、法務部など8部処は22日、第5回経済関係長官会議を開き、中国政府の「韓国観光禁止令」で経営難に直面している観光業界の被害を最小化するため東南アジア観光客誘致対策を出した。東南アジア団体観光客が済州訪問のために仁川(インチョン)・金海(キムヘ)空港で乗り換える場合、5日間のノービザ入国を認めることにした。今年下半期に予定されていた電子ビザ発行時期も5月に操り上げ、観光の便宜を図る方針だ。
またTHAAD報復被害企業を支援するため4000億ウォンを投入することにした。
中国に依存してきた韓流も東南アジア・中南米などに方向を変え、中国への部品・素材輸出はむしろ増加している。このため関連業界では「中国人観光客が離れても韓国が生きる道はある」という声が出ている。
1つ目、今月に入りタイ、マレーシア、シンガポール、香港などから来た観光客が前年同期比で30%以上増えた。4月にも花見観光需要などで東南アジアの観光客が昨年より20-30%増えると予想される。東南アジア地域の訪韓客は2012年の139万9359人から毎年10%以上増え、昨年は221万人となった。今年は「THAAD事態」以降の中国人観光客減少に対応して韓国旅行業界が積極的なマーケティングをし、東南アジアの観光客が大幅に増えている。
東南アジア・日本路線の航空券販売も大きく増えた。大韓航空によると、今月15日から5月14日までの2カ月間、釜山(プサン)とバンコクを行き来する航空路線の予約率は前年比29%ポイント増加した。同じ期間、仁川(インチョン)-バンコク、仁川-成田もそれぞれ20%ポイント、11%ポイント増えた。一方、中国路線の予約率は15%ポイント減少した。
東南アジアを訪問する韓国人旅行客も増えている。ハナツアーは今月の東南アジア旅行客が前年比で65%、日本は14%増えたと明らかにした。4月の予約者も東南アジアが68%、日本は21%増えた。モドゥツアーも中国のTHAAD報復措置以降、中国を訪問する観光客は減少したが、代わりに東南アジア・日本行きの需要が増えたと説明した。旅行・航空業界では「東日(東南アジア・日本)特需」という言葉も出ている。
韓国観光公社の関係者は「中国人観光客は韓国で1人あたり平均30万ウォン(約3万円)も使わないが、東南アジアの観光客は40万-50万ウォンほど消費する」とし「中国人の代わりに東南アジア観光客が増えれば旅行会社の収益性は良くなる側面がある」と述べた。
2つ目、国内の観光客も中国人観光客の空席を埋めている。観光地の済州、加平(カピョン)の南怡島(ナミソム)、プチフランスなどには中国の報復が始まった後、韓国人の観光がむしろ増えている。
済州道観光協会の集計によると、今年に入って今月19日まで済州を訪問した韓国人は約248万2300人と、前年同期(227万9500人)比8.9%増えた。一方、2日から18日まで済州を訪問した中国人観光客は6万1860人と、前年同期(10万9774人)比44%減少した。済州観光公社の関係者は「国内線航空機の供給席が前年同期比16%ほど増え、春の旅行客および国内団体観光客が増えている」とし「MERS(中東呼吸器症候群)事態当時も中国人が減少し、国内の観光客が増えた」と説明した。
3つ目、韓流も中国以外の地域に活路を見いだしている。文化産業界は韓流消費市場として中国の代わりに、韓国と情緒が似ている東南アジア地域、適正価格を支払ってコンテンツを消費する日本、北米市場などに目を向けている。製作費160億ウォン(約16億円)のドラマ『鬼(トッケビ)』は中国市場進出に失敗したが、米国、欧州、オセアニア、東南アジア、中南米、日本、台湾、香港などに売れて大きな収益を出した。
ベトナム・タイに合併法人を設立したCJ E&Mはバラエティー・ドラマを現地の情緒に合わせてリメークする「ワンソース・マルチ・テリトリー」戦略で世界各地に進出している。バラエティー番組『花よりおじいさん』の米国版『Better Late Than Never』は昨年8月に韓国放送コンテンツ史上初めて米国地上波放送NBCで放送された。
北米と中南米に進出したケースも目を引く。17-18日にメキシコシティアリーナでCJ E&Mが開催した「KCON2017メキシコ」には、メキシコだけでなくアルゼンチン・ペルー・コロンビアなどから計3万3000人が集まった。
免税店も中国人観光客の急減をカバーするため東南アジア・中東・日本など中国以外の海外観光客の誘致に積極的に取り組んでいる。ソウル市内の主要免税店は中国人団体観光が中断した15日以降、売上高が前年同期比20-30%減少した。
ギャラリア免税店は中東地域の観光客を誘致するため1月に現地の旅行会社2カ所と観光客誘致契約を締結した。中東の観光客が医療観光を好むという点に着眼し、総合病院との協力も強化している。新世界免税店はスタンダードチャータード(SC)銀行とともに東南アジアのVIPを招請し、一定金額以上をショッピングすれば航空・ホテルなどを提供する方式で観光客誘致に力を注いでいる。
4つ目は中国への輸出が依然として増加している点だ。中国と韓国を行き来する旅客機の予約率が大きく低下した半面、輸出製品を積む中国行き貨物機は埋まっている。航空業界のある関係者は「輸出量が増え、貨物機を増便しなければいけないほど」と述べた。産業通商資源部によると、中国は2月、韓国から情報通信技術(ICT)製品74億3000万ドル分を輸入した。これは前年同月比34.1%増。
文化体育観光部、法務部など8部処は22日、第5回経済関係長官会議を開き、中国政府の「韓国観光禁止令」で経営難に直面している観光業界の被害を最小化するため東南アジア観光客誘致対策を出した。東南アジア団体観光客が済州訪問のために仁川(インチョン)・金海(キムヘ)空港で乗り換える場合、5日間のノービザ入国を認めることにした。今年下半期に予定されていた電子ビザ発行時期も5月に操り上げ、観光の便宜を図る方針だ。
またTHAAD報復被害企業を支援するため4000億ウォンを投入することにした。
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