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【コラム】恐韓症は知らないが公安だけは信じる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「霊長類の子はただ3つの対象に恐怖を持って生まれるようだと報告した。墜落、蛇、闇がその3つだ。…(中略)…蛇に対する恐怖は先祖代々哺乳類のライバルだったは虫類に対する恐怖を反映すると見ることができる」。

米国天文学者カール・セーガン(1934-96)の78年のピューリッツァー賞受賞作『エデンの恐竜 知能の源流をたずねて』の172ページに出てくる部分だ。人間が蛇を恐れるのは先祖だった哺乳類が捕食者であるは虫類に長い間追われながら恐怖が脳裏に刻まれたためというものだ。進化心理学に基づいた主張だ。

スポーツにも似た現象がある。同じ相手に長期間にわたり負けていれば恐怖心が生じる。中国男子サッカーが韓国を恐れる現象、いわゆる「恐韓症」がその例だ。中国は韓国とAマッチ(成人男性代表チーム間の競技)で1勝18敗12分けと絶対劣勢だ。昨年9月の2018ロシアワールドカップ(W杯)アジア最終予選のソウル遠征試合でも中国は韓国に2-3で敗れた。中国は23日、韓国を中国長沙に呼んでホーム試合を行う。中国は大韓サッカー協会が要請したチャーター機の運航を許可しなかった。韓国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に対する報復という分析だが、内心はサッカー韓国代表を疲れさせるためではないだろうか。そのように恐韓症から脱出しようとするのは誤算だ。診断と処方が間違っているからだ。恐怖の対象は外部にあっても、その原因は内部にある場合が多い。


実際、韓国も似た経験がある。かつての韓国は欧州との対戦になれば臆することが多かった。98年フランスW杯のオランダ戦で0-5、2001年コンフェデレーションズカップのフランス戦で0-5、同年のチェコとの評価試合で0-5で大敗した。すべて力を発揮できず崩れた。その韓国が2002年韓日W杯を控えてこうした恐怖から脱出した。韓国はW杯開幕直前の評価試合でフランスに2-3で惜敗し、イングランドとは1-1で引き分けた。

わずか1年間に劇的に変わった原動力は何だろうか。問題に対する正確な診断と処方のおかげだ。それまでは「韓国サッカー=鋼鉄体力」という漠然とした信頼があった。ヒディンク監督が導入した科学的測定法はその信頼が虚像ということを確認させた。韓国代表は心拍数まで測定する科学的・体系的訓練プログラムを通じて真の「鋼鉄体力」を完成し、欧州サッカー恐怖症から脱出することができた。

中国は2018ロシアW杯最終予選で勝利がない。3敗2分けと6チームのうち最下位だ。今回韓国に敗れる場合は本大会行きの可能性が「希薄」から「ゼロ」に変わる。心配される点がある。韓国選手団、そして韓国応援団の安全だ。THAAD問題に中国サッカーが崖っぷちに立つ状況までが重なり、不祥事につながるかおそれがある。こうした懸念と心配が杞憂になることを望む。恐韓症は知らないが公安だけは中国当局が徹底的に診断して処方することを信じる。

チャン・ヘス/スポーツ部副デスク



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