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【社説】歴史的な朴大統領の弾劾審判廷に歴史的な場面はなかった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨日「2016憲ナ1」朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾事件最終弁論が憲法裁判所大審判廷で開かれた。国会が朴大統領の弾劾訴追案を可決して81日が過ぎた。憲政史に残るような弾劾事件の最後の第17次裁判だ。国会訴追委員団が先に国民主権主義と法治主義の違反、大統領権限の乱用、セウォル号救助の失敗にともなう生命権保護の違反など5つの理由をあげて大統領弾劾を認容することを訴えた。

その後、大統領代理人団弁護士として最初に出た李東洽(イ・ドンフプ、前憲法裁判官)弁護士が準備した弁論を終えると、李貞美(イ・ジョンミ)憲法裁判所長権限代行に「朴大統領が自筆で書いた最後の弁があるが、朗読してもいいか」と尋ねた。場内が一瞬騒いだ。裁判官も驚いた表情だった。李権限代行が許諾すると、李弁護士が20分間にわたって最後陳述文を読み上げた。

要旨は弾劾訴追の根拠になった崔順実(チェ・スンシル)国政壟断に対するほう助や国家機密文書の伝達指示、中小企業の利権介入、公務員人事権の乱用、私企業への人事介入などは全く事実でないということだった。弾劾要件である自由民主的基本秩序の違反、国民の信頼を裏切るほどの重大な法違反もなかったと主張した。ただし、朴大統領は「周りに気を遣って管理することができなかった手落ちで国民の心を傷つけた点は申し訳ない」と謝罪した。朴大統領が最終弁論を代理人を通した最後陳述書の朗読に代えたのは裁判官の質問と訴追委員の追及を避けるためのものと見られる。ややもすると失言でもするかと思って懸念したのだろう。だが、最後弁論にまで直接出席する代わりに、書面陳述書に代えたのは責任ある姿勢ではない。大統領はこれまで検察・特検調査はもちろん、弾劾審判の最終弁論まで捜査や裁判に協力したことがない。お正月に青瓦台(チョンワデ、大統領府)記者室を訪ねて一方的に自身の立場を説明し、右派のインターネット放送のインタビューに応じたのが全部。だから各長官らからも書面報告だけを受けたように、最後まで書面陳述に代替したのかという非難の声が出ているわけだ。昨日、歴史的審判廷で事態をここまで深刻化させた朴大統領は出頭せず、歴史的場面を見守ることができなかったのは残念極まりない。


この日、憲法裁判所の雰囲気は厳しいように見えた。最近、大統領代理人団が憲法裁判所の手続き的公正性の問題を強く提起したのも影響を及ぼしたと見られる。憲法裁判所審判の最後に投入された金平祐(キム・ピョンウ)弁護士は弾劾認容を前提に「内乱」「アスファルトに血」「われわれが奴隷なのか」など強硬な発言を吐き出した。不服の可能性を見せて緊張感を高めるのに充分だった。

その間、韓国社会はろうそく集会と太極旗集会で象徴される深刻な対立を経験した。ついに両側の激しい法理攻防は終わった。すべての決定は8人の裁判官に任せられた。憲法裁判所はひたすら法や良心、歴史の命令にしたがって決定を下さなければならない。そして、憲法裁判所の決定に条件なしに承服してこそ国が回復できる。大統領選候補も街頭集会に出て憲法裁判所に圧力をかけたり、法治主義を踏みにじたりする行動はやめるべきだ。大韓民国が崖っぷちの危機に立たされている。弾劾が認容されれば内乱、棄却されれば革命という話まで出回る現状を重く受け止めるべきだろう。

<憲法裁判所大審判廷で>



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