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【コラム】金正恩の春

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
数日後には3月だ。暖かい春の雰囲気が北朝鮮に広がるには4月までは待たなければいけない。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長はこの春をどのように迎えるのだろうか。今年の「新年の辞」で過去にしなかった自己批判をした後、この2カ月間は残忍な独裁者の姿を見せた。

執権初期の権力安定化に最も貢献した金元弘(キム・ウォンホン)国家保衛相(韓国の国家情報院長に該当)を解任し、新型中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射した。また異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を暗殺した状況までが表れている。

金正恩委員長のブレーキのない暴走はどこまで続くのだろうか。世代交代レベルで父・金正日(キム・ジョンイル)総書記の人たちを退かせるまでは金正恩委員長の暴走は続くと予想される。金正日総書記もそうだった。父の金日成(キム・イルソン)主席の人物だった金東奎(キム・ドンギュ)国家副主席(1915-80)らを粛清し、アウン・サン廟爆破事件(1983年)、KAL爆破事件(1987年)などを起こさせた。権力とはそういうものであるようだ。金正恩委員長の次のターゲットは誰になるのか。金英哲(キム・ヨンチョル)党統一戦線部長が有力だ。金英哲部長は「金正日総書記の人物」として2009年に人民軍偵察総局長に任命され、金総書記の愛情を受けてきた。偵察総局は各種対南・海外工作業務を総括し、金正男氏暗殺の背後と見なされて注目を集めているところだ。金英哲部長は2010年の韓国哨戒艦「天安」・延坪島(ヨンピョンド)挑発を主導して勢力を見せ、現在、党中央委員会副委員長などを兼ねている。党序列12位だ。


しかし偵察総局長時代の習慣が抜けず、現在務める党統一戦線部の権限を無理に拡張しようとした。その過程で従来の偵察総局と越権行為で摩擦が生じ、個人の不正までが加わって昨年、革命化の処罰を受けた。いざとなれば金正恩委員長が飛ばしてしまう人物だ。

金正恩委員長は金元弘国家保衛相の後任を当分は空席にし、自分が国家保衛省を掌握するとみられる。それを手伝うのは金彰燮(キム・チャンソプ)保衛省政治局長となる可能性が高い。金正日総書記も過去に国家保衛相を空席にして自分が統率したが、金正恩委員長がこれを真似る形だ。結局、金正恩委員長はこの春に父の世代の人物をほとんど退かせ、自分の王国を完成しようとしている。

金正恩委員長は画竜点睛として、4月15日の金日成主席誕生日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射を強行する可能性が高い。金正恩委員長はすでに今年の「新年の辞」で「ICBM発射準備事業が最終段階に達した」と予告した。これを受け、多くの専門家が時期的に2月16日または4月15日と予測した。2月16日は過ぎたため4月15日ごろが有力だ。

この2カ月間に見せた金正恩委員長の突発的な行動は終わりではない。来月、韓米合同軍事訓練が始まる。米国のトランプ政権が就任した後、初めての訓練となる。トランプ政権の対北朝鮮認識を考えると、過去より威圧的なものとなる可能性もある。したがって韓半島(朝鮮半島)の緊張はピークに向かうと予想される。金正恩委員長が過去数年間作っている「緊張の春」はいつ終わるのか。

コ・スソク統一文化研究所研究委員・北朝鮮学博士



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