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【コラム】大統領が痛いから大韓民国も痛い(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「朴槿恵(パク・クネ)大統領が大統領選に当選したばかりの時だ。知らない番号から電話がかかってきて出たら、そちら側の人だったって。精神科医師である私の親戚に大統領の治療をお願いしようとしたそうだ」

--何の治療を?

「当選者が青瓦台(チョンワデ、大統領府)に入ることをはばかっていたんだって。父親が宮井洞(クンジョンドン)で亡くなって青瓦台にトラウマが多いじゃない。専門家の治療が必要だと考えただろう」


--それで?

「いいけど、秘密が守られるかどうか心配だというと、しばらくしてからなかったことにしてほしいと言って電話を切ったそうだよ」

4年も過ぎた、多少衝撃的な話を今になってする理由についてその法曹界の要人は「とんでもないと言われるかと思ってこれまでどこでも話したことはない。その時、ちゃんと紹介すればよかったという気がして……」と答えた。引き続き「トラウマとは精神的な痛み、すなわち心の病のことを言う。だからずっと海外に出たり、官邸に長く留まったりしながら長官から書面報告だけを受けていたようだ。何かに抑えられていた朴大統領にとって自信感あふれる崔順実(チェ・スンシル)被告の助言と助力は兄弟姉妹よりも大きな力になっただろう」と分析した。

考えれば、崔順実被告が青瓦台に“気功治療おばさん”および“注射おばさん”をしばしば同行し、朴槿恵大統領が「キル・ライム」という仮名でチャウム医院の総合栄養剤注射を打ったことなども治療の目的と関係があるように見える。

「痛い」という見方からすれば、朴大統領は盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と「運命」が似ている。両親が横死を遂げた痛みを抱えている初の独身女性大統領と潔癖症のある初の高卒弁護士出身大統領は2人ともドラマチックな権力の末路を迎えた。盧元大統領に資金を与えたと述べた朴淵次(パク・ヨンチャ)元泰光(テグァン)実業会長も別の見方をすれば「陰の実力者」だった。威勢を張っただけで、国政壟断には介入していなかったのは崔被告と違うが。

そう、そうだ。朴大統領は痛いのだ。痛いから事態がこの状況になるまで手をこまぬいていただろう。もちろん、国の大事を政治的に解決できずほとんどを憲法裁判所に持ってくる、無能極まりない政界の短見にも責任はある。朴大統領の誤りは一つや二つでない。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の拘束理由を見ても約433億ウォン(約43億円)の賄賂授受の容疑者となっている。崔被告に国家機密を閲覧させ、国政壟断権を与えたのは常識にも反する。約束を守っていた原則主義者の姿は影も形もない。ひたすら権力の座から引き下ろされる侮蔑の瞬間を免れようとする欲だけが垣間見える。



【コラム】大統領が痛いから大韓民国も痛い(2)

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