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日本はコメ補助金を廃止するのに…“直払金”を倍に増やす韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ことし韓国政府が農家に補填しているコメの変動直払金(コメ価格の安定化のために農家に支給される補助金の一種)が過去最高を記録した。コメ価格が下落しているためだが、政府は「底が抜けた樽に水を注ぐ」式に予算を注ぎ込んでいる。

農林畜産食品部は、2016年に収穫したコメの変動直払金支給単価(1俵=80キロ基準)を3万3499ウォン(約3337円)で確定したと21日、明らかにした。2015年(1万5867ウォン)の倍以上、2014年(4226ウォン)の8倍近い額で、2005年の制度施行後で最高値となる。農家全体に支給される変動直払金総額も過去最高の1兆4900億ウォンとなる。それでも当初の計画よりは減額となった。政府は単価を3万3672ウォンに定めるつもりだったが、この場合、総額が世界貿易機関(WTO)が定めた「黄の政策(AMS、農業補助)」総額1兆4900億ウォンを超過するため、単価を173ウォン削減した。AMSの上限ラインを越えれば提訴されかねない。

変動直払金の急増はコメ価格が下落しているためだ。コメの変動直払金制度は2005年に政府買入制が廃止された時に農家保護のために導入された。田畑の面積によって支給される固定直払金と毎年変わる変動直払金の2種類に分けられる。固定直払金として1ヘクタール当たり100万ウォンを支給し、目標価格(80キロ当たり18万8000ウォン)と実際のコメ価格の差額の85%までを変動直払金で補う。コメ価格の下落幅が大きくなれば変動直払金も跳ね上がる。変動直払金の支給基準である産地収穫期のコメ価格は、昨年12万9711ウォンまで下がった。1995年11万ウォン台を記録して以来21年ぶりの最低水準を記録した。コメ価格の下落は需要よりも生産が多いためだ。統計庁によると、1人当たりのコメ消費量は2010年72.8キロから昨年61.9キロに減った。1980年(132.4キロ)の半分水準だ。その一方で、コメ生産量は2011年から420万~430万トンを維持している。農村経済研究院のキム・テフン研究委員は「コメ消費量は減少傾向にあるが作付面積と生産量の縮小幅はこれについていっていない」と指摘した。


専門家はコメの直払金制度に対する根本的な改善が必要だと主張する。国会予算政策処産業予算分析課のソ・セウク課長は「現在のように特定品目と作付面積によって直払金を支給すれば、大規模農家に支援が集中してしまう」とし「農家単位で収入や所得に合わせて直払金を支給するべきだ」と述べた。

ソウル大農耕制学科のキム・ハノ教授は「変動直払金は田地でコメの代わりに別の品目を栽培しても支給される『生産非連繋』方式に切り替えるべき」と話した。こうなればコメの作付面積が減少し、生産量をおさえることができる。農食品部も年内に生産非連繋方式の導入を目指して法整備を進めている。農地に稲作ではない代替作物を植えれば、1ヘクタール当たり一定額の補償金が支給される「コメ生産調整制」の導入も検討している。

だが、制度改善はそれほど簡単ではない。法改正を行う国会は農家の反発を意識する。キム研究委員は「変動直払金制のコメ目標価格は、従来は3年ごとに相場の動きに合わせて調整することにしていたが、政界が農家を意識して、2013年に逆に今の水準に引き上げた」と説明した。食糧安保の次元でコメに対する政府の支援が必要だという主張も無視できない。

キム教授は「長期的に、日本のように高品質の食用米は価格を市場に任せ、加工・飼料用米だけに直払金を支給するような戦略を考えなくてはならない」と話した。日本は2014年に変動直払金制を廃止した。最近は面積当たりに支給される補助金の支給基準の引き上げを検討している。



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