サムスンディスプレイがLCD(液晶表示装置)第10.5世代への投資を決定せず、難しい状況に直面している。中国BOE、チャイナスター、日本のシャープに続いてLGディスプレイなど競合他社がすべて第10.5世代への投資を始めた状態だが、サムスン首脳部が特別検察官の捜査のため意思決定をしていないからだ。昨年第10.5世代工場に着工したBOEなどは来年1-3月期から生産を本格化する。業界の関係者は「サムスンディスプレイが遅くとも1-3月期には投資を決めてこそ未来のLCD業界の主導権を失わないだろう」と話した。
◆特検の捜査で投資決定遅れる
業界によると、サムスンディスプレイは昨年下半期から忠清南道牙山(アサン)湯井(タンジョン)にLCD第10.5世代(ガラス基板3370x2940ミリ)工場を建設する案を積極的に検討してきた。敷地の確保などは終わったが、8兆ウォン(約8000億円)以上を投入する大型事業であるため未来戦略室の決定を待っている。しかし未来戦略室は昨年11月から「植物」状態だ。崔順実(チェ・スンシル)事態のため検察と特検の捜査を受けているからだ。
サムスンディスプレイはOLED(有機発光ダイオード)では世界トップレベル。スマートフォン用OLEDパネル市場の95%を占めている。しかしLCD事業では過去5年間、次々とラインを閉鎖し、大型ラインは第7世代(1870×2200ミリ)1本、第8世代(2200x2500ミリ)ライン2本だけが残っている。こうした状況で来年1-3月期にBOEをはじめ、チャイナスター、シャープ-フォックスコン、LGディスプレイが次々と第10.5世代ラインを稼働すれば、LCD事業自体をあきらめざるを得ない状況を迎える可能性もある。
これは市場の変化と関係が深い。最近のプレミアムテレビ市場の主力は55インチ。しかし来年からは超高解像度(UHD)の倍の8Kテレビが発売され、65インチが主力に浮上するというのが市場調査会社の予想だ。
サムスンが保有する第8世代ラインは55インチパネルの生産に最適化している。基板ガラス1枚から55インチを6枚まで取ることができる。パネルを取った後に捨てる面積は10%にもならない。しかしここから65インチパネルを生産する場合3枚しか取れない。捨てる面積も30%を超える。
しかし第10.5世代ラインでは65インチを8枚取ることができる。残る面積も10%未満だ。価格競争力で比較にならない。
サムスンディスプレイは昨年、中国チャイナスターが深センで着工した第10.5世代工場に10%出資したが、これだけでは十分でないというのが業界の指摘だ。業界の関係者は「2019年には稼働する第10世代以上のLCD工場が5つになる」とし「65インチ市場が急速に拡大すればLCDパネル価格は暴落する可能性がある」と懸念を表した。しかしパネルの価格が落ちれば大型テレビ需要が急増する可能性もある。
◆世界トップのテレビ事業競争力も…
これは10年間にわたりグローバル市場1位を守ってきたサムスン電子テレビ事業の競争力低下につながる可能性もある。
ソニーの事例がある。2000年代初めまでテレビ業界の盟主だったソニーはLCDテレビが浮上すると、独自の生産ラインを保有せず、2003年にサムスンと合弁会社S-LCDを設立した。ソニーはサムスンが経営権(50%+1株)を握ったS-LCDからパネルの供給を受けたが、優先権を握るサムスン電子に劣勢となった。何インチのパネルをどれほど生産するかをサムスンが決めたからだ。これは実績に影響を及ぼした。ソニーは2006年、サムスンにテレビ業界1位を明け渡した。昨年のソニーの市場シェアはサムスンの5分の1にすぎなかった。
特にサムスン電子はOLEDテレビを放棄してLCD基盤のQLED(量子ドットLED)テレビに注力することを決めた状態だ。サムスンディスプレイがLCD事業を大幅に縮小すれば年間5000万台以上のパネルの供給を他社から受けなければならない。昨年末シャープが突然パネル600万台の供給を中断して衝撃を受けただけに、独自のLCD生産ライン確保はよりいっそう切実だ。
◆特検の捜査で投資決定遅れる
業界によると、サムスンディスプレイは昨年下半期から忠清南道牙山(アサン)湯井(タンジョン)にLCD第10.5世代(ガラス基板3370x2940ミリ)工場を建設する案を積極的に検討してきた。敷地の確保などは終わったが、8兆ウォン(約8000億円)以上を投入する大型事業であるため未来戦略室の決定を待っている。しかし未来戦略室は昨年11月から「植物」状態だ。崔順実(チェ・スンシル)事態のため検察と特検の捜査を受けているからだ。
サムスンディスプレイはOLED(有機発光ダイオード)では世界トップレベル。スマートフォン用OLEDパネル市場の95%を占めている。しかしLCD事業では過去5年間、次々とラインを閉鎖し、大型ラインは第7世代(1870×2200ミリ)1本、第8世代(2200x2500ミリ)ライン2本だけが残っている。こうした状況で来年1-3月期にBOEをはじめ、チャイナスター、シャープ-フォックスコン、LGディスプレイが次々と第10.5世代ラインを稼働すれば、LCD事業自体をあきらめざるを得ない状況を迎える可能性もある。
これは市場の変化と関係が深い。最近のプレミアムテレビ市場の主力は55インチ。しかし来年からは超高解像度(UHD)の倍の8Kテレビが発売され、65インチが主力に浮上するというのが市場調査会社の予想だ。
サムスンが保有する第8世代ラインは55インチパネルの生産に最適化している。基板ガラス1枚から55インチを6枚まで取ることができる。パネルを取った後に捨てる面積は10%にもならない。しかしここから65インチパネルを生産する場合3枚しか取れない。捨てる面積も30%を超える。
しかし第10.5世代ラインでは65インチを8枚取ることができる。残る面積も10%未満だ。価格競争力で比較にならない。
サムスンディスプレイは昨年、中国チャイナスターが深センで着工した第10.5世代工場に10%出資したが、これだけでは十分でないというのが業界の指摘だ。業界の関係者は「2019年には稼働する第10世代以上のLCD工場が5つになる」とし「65インチ市場が急速に拡大すればLCDパネル価格は暴落する可能性がある」と懸念を表した。しかしパネルの価格が落ちれば大型テレビ需要が急増する可能性もある。
◆世界トップのテレビ事業競争力も…
これは10年間にわたりグローバル市場1位を守ってきたサムスン電子テレビ事業の競争力低下につながる可能性もある。
ソニーの事例がある。2000年代初めまでテレビ業界の盟主だったソニーはLCDテレビが浮上すると、独自の生産ラインを保有せず、2003年にサムスンと合弁会社S-LCDを設立した。ソニーはサムスンが経営権(50%+1株)を握ったS-LCDからパネルの供給を受けたが、優先権を握るサムスン電子に劣勢となった。何インチのパネルをどれほど生産するかをサムスンが決めたからだ。これは実績に影響を及ぼした。ソニーは2006年、サムスンにテレビ業界1位を明け渡した。昨年のソニーの市場シェアはサムスンの5分の1にすぎなかった。
特にサムスン電子はOLEDテレビを放棄してLCD基盤のQLED(量子ドットLED)テレビに注力することを決めた状態だ。サムスンディスプレイがLCD事業を大幅に縮小すれば年間5000万台以上のパネルの供給を他社から受けなければならない。昨年末シャープが突然パネル600万台の供給を中断して衝撃を受けただけに、独自のLCD生産ライン確保はよりいっそう切実だ。
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