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【コラム】奇怪な北朝鮮体制の奇異な悲劇(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)の死は衝撃だ。北朝鮮体制は奇怪だ。奇怪さは奇異な悲劇を産んだ。それは朝鮮時代の王子の乱を思い起こさせる。宮中の権力暗闘は流血を伴った。無力な皇太子の殺害は異母兄弟・金正恩(キム・ジョンウン)の指示であろう。その毒殺は最高指導者の決心で可能だ。

北朝鮮の名称は「朝鮮民主主義人民共和国」だ。だが、共和国はかなり以前に消えた。北朝鮮の人権は最悪だ。人民は抑圧統治の対象に過ぎない。共産主義は世襲を拒否する。かつての社会主義宗主国・ソ連では権力の家族継承がなかった。金正男の見解はそれと同じだった。「世襲は世界の笑いものになる。3代世襲は封建王朝時代を除いては前例がなく、社会主義に合わない」〔『父・金正日と私:金正男独占告白』、著者・五味洋治(東京新聞)〕という認識は金正恩を激発させたに違いない。

北朝鮮は王朝だ。北朝鮮は朝鮮時代の闇の部分を模倣した。王朝の体制管理は反逆の報復だ。縁坐(連座)と告変(反逆の密告)、五家作統(相互監視)が働く。権力への挑戦と反逆に対する体制の報復は執拗だった。逆謀に巻き込まれれば親や兄弟、その子供も巻き添えになる。縁坐の恐ろしさは種を絶やすことだ。金正恩執権以降、そのやり方は悪性進化した。張成沢(チャン・ソンテク)の処刑は金正恩恐怖政治の幕開けを知らせた。数多くの人が縁坐罪に引っかかった。


平壌(ピョンヤン)は崇拝の都市だ。金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)の銅像が散在している。それは共産主義キューバと対照的だ。フィデル・カストロは49年間執権した。だが、首都ハバナに行けばち新鮮な衝撃を受ける。ここにはカストロの銅像がない。昨年11月末に彼は亡くなった。カストロの遺言は「私を崇拝しないように」だ。北朝鮮とキューバは社会主義血盟だ。だが、指導力の表出方式は違いすぎる。金正恩の権力は偏執症的な誇示をしている。

北朝鮮の特性は不確実性だ。突出と奇襲は北朝鮮生存の秘訣だ。予測破壊は絶妙の交渉力を提供する。韓国戦争(朝鮮戦争)の南侵からして奇襲だった。核実験とミサイル発射の電撃性は効果を最大化する。北朝鮮はそのスキルを磨いてきた。金正男殺害は突出だ。体制脅威の要素を奇襲方式で除去したのだ。これまで金正男の周辺には亡命政府樹立関連説、韓国への亡命説が飛び交っていた。



【コラム】奇怪な北朝鮮体制の奇異な悲劇(2)

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