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【コラム】政治的進歩、美学的進歩=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先月7日は仏週刊誌シャルリー・エブド襲撃事件から2年となる日だった。イスラム預言者ムハンマドが尻を出して横になった風刺画に怒ったイスラム極端主義者の兄弟が、パリの同誌事務室に乱入して編集長など12人を射殺した事件だった。2周忌の追悼式には今でも活動を続ける同誌の風刺画家3人が出席し、亡くなった同僚に献花した。シャルリー・エブドは事件の後、セキュリティーが徹底したところに事務室を移したというが、宗教・人種など聖域なく批判する精神に変わりはないようだ。先月24日には多くの犠牲者を出したイタリアの雪崩れに関する風刺画をフェイスブックに載せ、「人命を戯画化するな」というイタリア人の非難を買った。昨年もシャルリー・エブドはイタリア地震被害者をパスタの麺に比喩した風刺画で物議をかもした。

2年前のシャルリー・エブド襲撃事件は表現の自由に関して世界的な論争を呼び起こした。表現の自由という原則と他者・少数者に対する嫌悪が共存できるかという問題だ。「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」というボルテールの言葉で代弁される表現の自由に制限論が出てきたということだ。もちろん意見は分かれた。フランス五月革命の後えいにふさわしく一切の権威に抵抗するシャルリー・エブドがキリスト教・イスラム教などすべての制度圏宗教の原理主義を対象にしただけという意見と、彼らが享受する表現の自由はフランスの少数者であるムスリムに向けた白人男性の侮辱という意見が対立した。

これに対する明確な正答はない。政治的な正しさに立脚して表現の自由は嫌悪の自由ではないという意見でまとまったが、それなら嫌悪の表現に対する制限と規制の基準は誰がどう決めるのかという問題は依然として残るからだ。


現在、韓国社会でも表現の自由をめぐる論争が激しい。よく知られているように朴槿恵(パク・クネ)大統領が裸体で横になった姿を描いた「汚い睡眠」がそれだ。作家はセウォル号7時間に対する疑惑と崔順実(チェ・スンシル)国政壟断事態を風刺したというが、女性を侮辱する最もたやすい方法である裸にすることを選択したことで、人身攻撃・女性嫌悪だという批判が強まった。ヴィーナスなど女神の慎ましやかなヌードの位置に娼婦を、それも堂々と正面を直視するポーズで配置した女性ヌードの政治性を表したマネの「オランピア」をパロディーにしたが、安易な顔の入れ替え以上の破壊力は見られない。同時に「大統領のような主要な公的人物に対しては表現の自由が無限大に認められなければいけない。名誉毀損? 公人に名誉はない」(パク・サンイク又石大教授)という指摘も耳を傾けるに値する。



【コラム】政治的進歩、美学的進歩=韓国(2)

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