人類最初の先祖と推定される生物体の化石が発見された。中国陝西省で見つかったこの化石は、海生物や虫、ヒトを含めた脊椎動物に至るまで、さまざまな種に進化できる後口動物（ｄｅｕｔｅｒｏｓｔｏｍｅｓ）のうち最古である５億４０００万年前カンブリア紀の生命体のものだと明らかになった。

中国西北大と英国ケンブリッジ大の研究陣が先月３０日、科学学術誌ネイチャーに発表した論文（http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature21072.html）によると、この古代動物は地球上に存在しているすべての動物の初期形態であり、その後ヒトへと進化したものと推定される。大きさは１ミリに過ぎず、初期は海で生息していたが後に陸地に移動したものと見られる。この論文によると、外観は体のサイズに対して大きな口が特徴で、肛門が別にないため口から排泄していたものと考えられている。学名は外形をまねて「Ｓａｃｃｏｒｈｙｔｕｓ（サッコリタス）」（しわになった袋」という意）と命名された。研究陣は、今回の発見を通じて動物の進化過程を表す「生命の木」の再構成に役立つものと見ている。