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【社説】生命を脅かす機内乱暴騒ぎ、テロ水準で対応するべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ベトナム・ハノイを出発して仁川(インチョン)へ向かっていた大韓航空KE480便で30代の韓国人乗客Lが酒に酔った状態で、2時間もの間、隣の乗客や女性乗務員3人、出張中だった整備士にまで手を挙げる事件が発生した。機内の暴力事件は周りの乗客を不安にするばかりか、空の安全まで脅かす重犯罪だ。

空の乗客が増えるにつれこのような危険要因も増加しているが、関連法規はこれに追いついていない。韓国の現行航空保安法上、乗客の暴力事件に対しては1000万ウォン(約98万円)以下の罰金を課すことができるだけだ。機長や乗務員の業務を危計または威力で妨害しても5年以下の懲役や5000万ウォン以下の罰金だけが可能だ。機内の安全を脅かす乗務員業務の妨害容疑を重大な犯罪として扱い、最大20年の懲役刑と25万ドルの罰金刑に処している米国とは比較もできない。韓国の処罰がちょっとした戒め程度なので法を軽視する人が現れるのではないか。

韓国政府は米国航空法規を参照して処罰を強化する必要がある。ことし4月、釜山(プサン)発グアム行きの機内で飲酒暴力を働いた40代の韓国人Kは米国連邦捜査局(FBI)に逮捕されて裁判を受けた結果、最近1審で懲役3年の実刑を言い渡された。公共の安全を脅かす犯罪者はテロ制圧水準で厳しく扱ってこそ犯罪予防効果を上げることができる。


機内の暴力事件を事前に防ぐことも、現場で制することもできない韓国の航空会社の甘い保安実態も指摘せざるをえない。Lはことし9月にも機内で騒ぎを起こした前歴がある「要注意人物」だった上、すでに搭乗前から酒に酔った状態だったのに航空会社側は搭乗を制止するどころか機内でアルコールを提供したというから言葉を失う。その上、男性乗務員の不足で問題の航空機には女性乗務員6人しか搭乗しておらず、物理的な対処が難しかったというからあきれる。航空会社は機内の保安システムを整え、空の安全を強化していくべきだ。狭い機内でテイザーガン(電気ショック器)によって危険人物を無力化する訓練を含む徹底した乗務員教育も必要だ。乗客に対して安全でリラックスした空間を提供するのは航空会社の基本的な責任だ。



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