「韓国はハードウェア(HW)は強いがソフトウェア(SW)が弱い」。韓国の産業について外部がこのように論評するのはまだしも、我々が自ら何も疑わずに受け入れている言葉だ。韓国開発研究院(KDI)が第4次産業革命を話しながらこのような主張をした。「韓国は製造業強国の利点を生かして『HW+SW併行戦略』を駆使するべきだ」。KDIの提案が前提としているのも同じだ。
◆比較優位論? 宿命論?
ところがさらに一歩踏み込めばKDIの提案はいくつか論争的イシューをもたらす。HWと併行しようというSWの正体についてだ。たとえば「韓国はグーグルなど米国先発企業のSWに追いつくのは難しい」「グローバルプラットホーム先行獲得は米国が唯一」「韓国はできない人工知能SWをするより、むしろ米国先発企業に任せるのがよりよい」という主張も出てくるかもしれない。自動運転車を例に挙げれば、現代車+グーグルのHW+SW併行で進もうというようにだ。今のサムスン+グーグルのスマートフォンと違うところはない。結局、HW+SW併行もどのような併行かが問題だ。
KDIの主張は「比較優位論」に基づく。エコノミストの典型的な論理だ。ここでいくつか疑問を提起してみる。韓国SWは本当に弱いのか。それとも、弱いのか強いのか我々がまだ知らないというのが正しいのか。もしかすると我々は自らに足かせをはめているのではでないのか。
「比較優位論」に「胎生的不利」まで加われば韓国SWは立つ瀬がない。SW言語は英語であり、したがって韓国は英語圏の国のSWについていくのが難しいという宿命論だ。韓国がSWをするなら言語的不利益が少ない側を選べとという主張はこのような宿命論から出る。
しかし全く違う主張も可能だ。韓国の応用SW中小企業「マイダスアイティー」「インフィニットヘルスケア」などが多国籍企業が布陣する市場で成し遂げた技術追撃と国際化は研究対象となる。「機会の窓」「飛躍(leapfrogging)」仮説の立証ケースとしても不足はない。「SW DNA」は特定国、特定企業にだけあるのかという反問が出てくることも考えられる。
キム・ミョンジュンSW政策研究所長は「韓国はシステムSWを開発できない」という偏見を叱責する。こうした誤った思考には「日本もできない」という点も含まれているという。「韓国が米国のシステムSWの上で遊ぶのがよいというのは米国の希望にすぎず、韓国が追従する理由はない」というのがキム所長の主張だ。
このような見方が無謀だとも言い難い。ひょっとすると韓国SWはSI(システム統合)フレームに閉じ込められ、国内が大企業がどうこう中小企業がどうこうと争ってばかりで、SWの本領、そしてより広い市場に向かって進軍のラッパをまともに吹いてみたのだろうか。
◆「固定観念から破るべき」
振り返ってみると、韓国の産業発展過程自体が比較優位論の否定であったし、胎生的不利の克服だった。国際分業構図を与えられたと見るか、打ち破るべき対象と見るかは大きな違いだ。韓国SWが最初から大きな市場をあきらめ、自らを小さな市場に閉じ込める理由はない。
政府はSW中心社会を話すが、ポイントを明確にする必要がある。核心はSW企業家であり開発者だ。新しい市場を作る英雄がまさにこの人たちであるからだ。韓国SW企業家・開発者の想像力がエコノミストを越えるという方に一票を投じる。
アン・ヒョンシル論説・専門委員/経営科学博士
◆比較優位論? 宿命論?
ところがさらに一歩踏み込めばKDIの提案はいくつか論争的イシューをもたらす。HWと併行しようというSWの正体についてだ。たとえば「韓国はグーグルなど米国先発企業のSWに追いつくのは難しい」「グローバルプラットホーム先行獲得は米国が唯一」「韓国はできない人工知能SWをするより、むしろ米国先発企業に任せるのがよりよい」という主張も出てくるかもしれない。自動運転車を例に挙げれば、現代車+グーグルのHW+SW併行で進もうというようにだ。今のサムスン+グーグルのスマートフォンと違うところはない。結局、HW+SW併行もどのような併行かが問題だ。
KDIの主張は「比較優位論」に基づく。エコノミストの典型的な論理だ。ここでいくつか疑問を提起してみる。韓国SWは本当に弱いのか。それとも、弱いのか強いのか我々がまだ知らないというのが正しいのか。もしかすると我々は自らに足かせをはめているのではでないのか。
「比較優位論」に「胎生的不利」まで加われば韓国SWは立つ瀬がない。SW言語は英語であり、したがって韓国は英語圏の国のSWについていくのが難しいという宿命論だ。韓国がSWをするなら言語的不利益が少ない側を選べとという主張はこのような宿命論から出る。
しかし全く違う主張も可能だ。韓国の応用SW中小企業「マイダスアイティー」「インフィニットヘルスケア」などが多国籍企業が布陣する市場で成し遂げた技術追撃と国際化は研究対象となる。「機会の窓」「飛躍(leapfrogging)」仮説の立証ケースとしても不足はない。「SW DNA」は特定国、特定企業にだけあるのかという反問が出てくることも考えられる。
キム・ミョンジュンSW政策研究所長は「韓国はシステムSWを開発できない」という偏見を叱責する。こうした誤った思考には「日本もできない」という点も含まれているという。「韓国が米国のシステムSWの上で遊ぶのがよいというのは米国の希望にすぎず、韓国が追従する理由はない」というのがキム所長の主張だ。
このような見方が無謀だとも言い難い。ひょっとすると韓国SWはSI(システム統合)フレームに閉じ込められ、国内が大企業がどうこう中小企業がどうこうと争ってばかりで、SWの本領、そしてより広い市場に向かって進軍のラッパをまともに吹いてみたのだろうか。
◆「固定観念から破るべき」
振り返ってみると、韓国の産業発展過程自体が比較優位論の否定であったし、胎生的不利の克服だった。国際分業構図を与えられたと見るか、打ち破るべき対象と見るかは大きな違いだ。韓国SWが最初から大きな市場をあきらめ、自らを小さな市場に閉じ込める理由はない。
政府はSW中心社会を話すが、ポイントを明確にする必要がある。核心はSW企業家であり開発者だ。新しい市場を作る英雄がまさにこの人たちであるからだ。韓国SW企業家・開発者の想像力がエコノミストを越えるという方に一票を投じる。
アン・ヒョンシル論説・専門委員/経営科学博士
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