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韓国は「渡り鳥注意」、日本は全面防疫…鳥インフルエンザ初期対応が違った

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
農家284戸の1444万9000羽。韓国農林畜産食品部が14日に集計した、鳥インフルエンザで殺処分(予定含む)された鶏とカモ、ウズラの数だ。先月16日に全羅南道海南郡(ヘナムグン)と忠清北道陰城郡(ウムソングン)の農家から初めて鳥インフルエンザが疑われるという申告があった後、1カ月間の被害規模だ。韓国に鳥インフルエンザウイルスが初めて上陸した2003年以降、最大の被害となる。

政府は鳥インフルエンザを防ぐことができなかった。ゴールデンタイムを何度か逃した。10月28日に忠清南道天安市の蓬江川(ボンガンチョン)の渡り鳥の糞便から鳥インフルエンザウイルスが初めて検出されると、農食品部は市単位でのみ防疫隊を設けて「渡り鳥注意」の文字メッセージを付近の農家に送った。先月21日に鳥取県で渡り鳥の糞便から鳥インフルエンザウイルスが初めて検出された時、日本政府が直ちに鳥インフルエンザ危機警報段階を最高レベルの「3等級」に上げ、全面的な防疫を始めたのとは対照的だ。現在のところ日本では鳥インフルエンザの広範囲な拡散はない。先月、養鶏場2カ所で鳥インフルエンザが検出された新潟県でも、55万羽を殺処分した後、農場間の伝播は報告されていない。

一方、韓国農食品部は15日、家畜防疫審議会議を開き、鳥インフルエンザ危機警報を最高段階の「深刻」に引き上げるかどうかを検討する。黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が12日から鳥インフルエンザ状況点検に入ったが、対応が遅れたという指摘が出ている。政府は▼殺処分・埋却・防疫費用の地方自治体負担拡大▼渡り鳥の鳥インフルエンザ伝播予測の不十分▼密集飼育関連制度の改編不足--などの問題点を露出した。地方自治体も責任を免れない。財政・人員不足を理由に徹底的な現場防疫が行われなかった。最近、国民安全処の監察で防疫対策本部を設置せず書類だけで表示するなど、自治体防疫規定違反事例が20件摘発された。


農家の申告・防疫意識の低さも事態を拡大した。先月、世宗市のある農家が申告の前日に鶏と卵を大量出荷し、農食品部に摘発された。農家が事前に十分な防疫をしなかったことが確認されれば、20%から最大100%まで補償金が削減される。これを懸念した農家が発生事実を隠したり申告を先延ばしする事例が少なくないという分析がある。また、農家が飼料供給、家禽類販売を理由に車両・人移動制限規定を遵守しないケースもある。

ソ・サンヒ忠南(チュンナム)大獣医科大教授は「中央政府・地方政府・農家の有機的協力がなければ事態は最悪の状況に向かうかもしれない」と述べた。防疫できなければ、渡り鳥が去ってウイルスの活動性が落ちる来年3、4月まで鳥インフルエンザは広がる可能性が高い。この期間、追加の殺処分が続けば、国内養鶏産業の基盤は再起が難しいほどの危険を迎える。すでに国内産卵種鶏(繁殖用鶏)の3分の1以上が殺処分された。卵・鶏肉需給問題の長期化が予想される。

キム・ジェホン・ソウル大獣医科大学長は「今後1、2週は韓国養鶏産業の死活がかかる時点になるだろう」とし「常時発生国の指定だけは防ぐべきだ。全面的かつ大々的な殺処分をしなければいけない」と述べた。今回韓国で拡散している鳥インフルエンザウイルスは高病原性H5N6型で、中国で人体感染と死亡事例が出ている。拡散を防げなければ昨年のMERS事態のように経済全般に打撃を与える恐れもある。

モ・インピル忠北大獣医学科教授は「今は同じ地域内で鳥インフルエンザが急速に伝播しているが、殺処分に参加した人員・車両が追加拡散の原因になることも考えられる」とし「殺処分規模が急増しただけに、埋却後に現場・人員の事後管理を徹底しなければいけない」と指摘した。

再発防止対策も重要だ。チェ・ノンフン建国大獣医学科教授は「その間、韓国養鶏政策は人工的で密集した環境で大量の鶏と卵を安く供給することに焦点を合わせた」とし「鳥インフルエンザをはじめとする家畜感染病が毎年強度を高めていく理由」と説明した。チェ教授は「欧州・日本など先進国は自国内では価格が相対的に高まっても自然親和的に鶏・鴨・卵を生産し、低価格需要は外国産に変える二元化政策をとっている」とし「畜産業はもちろん国民の保健を考えても政策の方向転換を検討する必要がある」と述べた。



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