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【コラム】不幸な大統領、不幸な経済=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
経済政策を総括する韓国企画財政部は最近、非常事態だ。来年度「経済政策方向」の発表を控えているからだ。経済成長率の予想値は次第に落ちており、米国・中国発の波は高まっている。これに、2カ月間続いた政治的不確実性で冷え込んだ家計と企業を元気づけるような対策を迫る声も大きくなっており、頭痛が出るのは当然だ。

だが、当面の悩みは別のところある。「朴槿恵(パク・クネ)式」創造経済をどうするかだ。過去4年間、政府の経済政策の看板ブランドだった。問題は政策を率いてきた大統領のリーダーシップが崩壊し、その名の下で行ってきた多くの事業も「崔順実(チェ・スンシル)の影」のせいで信頼が地に落ちているということだ。放映中のCMの主演俳優がスキャンダルに巻き込まれたものと同様だ。苦心した官僚の間では「名称より内容が重要なのではないか」という話も出ている。ベンチャー・文化・サービス産業など製造業を補完する未来産業を育成するのは韓国経済の未来を左右する重要課題だ。そのため、この基調を継続する一方で、創造経済という形は強調しないという意味だ。一言でいうと、創造経済の「秩序ある退場」を図っているわけだ。代替候補として取り上げられているのは「第4次産業革命」などだ。

創造経済の歩みは前政権の「グリーン成長」のそれと似ている。5年単任制の大統領が作り出す構造的不幸の性格が色濃く現れている。ただし、今度は時効が早まっただけだ。内容をみると、どれも長期課題となっており、政権が変わるからといってその重要性が弱まるものではない。だが、5年任期に合わせて「猛スピード」で進めてきたが、副作用が大きくなり政権が変わると廃棄されるようなことが繰り返されている。政策の流れが途切れることで韓国経済が払わなければならない埋没費用も桁外れの金額に増えている。


また、違う意味で不幸にさらされている政策もある。「増税のない福祉」だ。今月初、所得税率引き上げ法案が国会で可決し、公式に終焉を告げた。当初、持続可能性に疑問が生じたが、「5年だけ続ければよい」という道を選んだ迂回路のようだった。結果は、コンセンサスを形成する十分な過程が省かれた「事実上増税」で、広範囲にわたる民心が政権から離れた。今年に入り、10月まで集めた税収は、昨年同期に比べて23兆ウォン(約2兆2750億円)増となった。経済成長率と物価上昇率を合わせても4%に満たないなか、税収は12%ほど増加した。

次の不幸な政策はおそらく「血を流さない構造調整」になるだろう。もちろん、政府が名付けた公式名称は「主力産業の競争力強化」だ。だが、これも本格的な手術よりは麻酔剤だけ投与して負担を次の政権に押し付けるだろうというのが多くの専門家の見方だ。

弾劾訴追で大統領の運命は憲法裁判所の手に渡った。政界では口をそろえて「これからは民生だ」と叫んでいる。だが、不幸な大統領が不幸な経済を作る構造を放置したまま、民生が潤うとは思わない。大変で難しいだろうが、「たまった宿題」を片付ける時がきている。

チョ・ミングン 経済部次長



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