2003年4月28日、韓国政府全体レベルの「新型肺炎(SARS)政府総合状況室」が設置された。国内でSARSが発生した事例はなく、香港で感染者の死亡が伝えられた時だ。当時の高建(コ・ゴン)首相はSARS防疫関連の国民向け談話を発表し、一日2回の直接状況室報告を受けた。SARSへの対応に主務部処の保健福祉部のほか国防部・行政自治部などが総動員された。
先月16日、全羅南道海南郡(ヘナムグン)と忠清北道陰城郡(ウムソングン)家禽類農場でH5N6型鳥インフルエンザ(AI)ウイルスが検出された。政府レベルの対策会議は1週間後となる先月23日の「AI関連関係次官会議」が最初だった。それも黄教安(ファン・ギョアン)首相ではなく李錫駿(イ・ソクジュン)国務調整室長(長官級)が主宰した。黄首相は11月25日に京畿道議政府(ウィジョンブ)の「AI防疫対策状況室」を訪問した。
13年前と現在、対応が違った分、結果も違った。2003年、韓国ではSARSが疑われる患者が報告されただけで、感染が確認された患者は1人もいなかった。一方、今年発生したAIは過去最大の被害になるという懸念が強まっている。先月16日に海南郡と陰城郡でAIが最初に発生してから25日目に殺処分された。殺処分が予定された鶏と鴨は計965万6000羽にのぼる。
農林畜産検疫本部疫学調査委員会は今年のAI発生原因を渡り鳥と推定した。問題は拡散ペースが速いという点だ。初動対応の失敗、政府全体レベルの財政・人材支援体系不足など原因は複雑に絡んでいる。コントロールタワーが消えた現政権の問題点を見せる事例だ。
ソウル大獣医科大のキム・ジェホン学長は「渡り鳥によってAIが同時多発的に発生し、高病原性で初期感染速度が速いという点で2010年と現在は似ているが、決定的に異なることがある」とし「農家と政府の防疫認識が大きく悪化したという点」と指摘した。
先月25日から48時間にわたり全国単位の「移動中止命令(スタンドスティル)」が発動されたが、破る事例が多かった。農場主・車両移動禁止と衛星利用測位システム(GPS)未付着飼料車両移動禁止などを守らず摘発された事例は31件にのぼった。弾劾政局で政府の指導力が崩れ、防疫のための命令が確実に伝わっていないのが実情だ。
国政リーダーシップは10余年前より後退した。毎年発生する家畜感染病という政府の安易な認識が弾劾政局と重なって危機を高めた。ソ・サンヒ忠南大獣医科大教授は「農民の申告に依存する防疫システムから抜け出し、農場対象ウイルス全数検査、AI防疫人材補強など大々的な補完対策が必要だが、政府の対応能力はかなり不足しているとみられる」と述べた。
AI対応は現非常内閣が直面した危機の一部にすぎない。目の前のAIに対応できない政府が国内外の市場に信頼を与えることはできない。米国の利上げ、トランプ新政権の保護貿易主義強化、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備に対する中国の通商報復など、外部からは大きな波が押し寄せている。内部的には過度な家計負債、経済成長動力の低下など悪材料が散在している。
ペク・ウンギ祥明大金融経済学科教授は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領弾劾当時と比較して政治的な不確実性はもちろん、対内外経済の不確実性も深刻だ」とし「経済指令塔の確立を急ぐ必要がある」と述べた。ペク教授は「経済副首相であれ首相でも部処間の意見をまとめて構造改革を終え、緊急な貿易イシューなどに積極的に対応しなければいけない」と強調した。
先月16日、全羅南道海南郡(ヘナムグン)と忠清北道陰城郡(ウムソングン)家禽類農場でH5N6型鳥インフルエンザ(AI)ウイルスが検出された。政府レベルの対策会議は1週間後となる先月23日の「AI関連関係次官会議」が最初だった。それも黄教安(ファン・ギョアン)首相ではなく李錫駿(イ・ソクジュン)国務調整室長(長官級)が主宰した。黄首相は11月25日に京畿道議政府(ウィジョンブ)の「AI防疫対策状況室」を訪問した。
13年前と現在、対応が違った分、結果も違った。2003年、韓国ではSARSが疑われる患者が報告されただけで、感染が確認された患者は1人もいなかった。一方、今年発生したAIは過去最大の被害になるという懸念が強まっている。先月16日に海南郡と陰城郡でAIが最初に発生してから25日目に殺処分された。殺処分が予定された鶏と鴨は計965万6000羽にのぼる。
農林畜産検疫本部疫学調査委員会は今年のAI発生原因を渡り鳥と推定した。問題は拡散ペースが速いという点だ。初動対応の失敗、政府全体レベルの財政・人材支援体系不足など原因は複雑に絡んでいる。コントロールタワーが消えた現政権の問題点を見せる事例だ。
ソウル大獣医科大のキム・ジェホン学長は「渡り鳥によってAIが同時多発的に発生し、高病原性で初期感染速度が速いという点で2010年と現在は似ているが、決定的に異なることがある」とし「農家と政府の防疫認識が大きく悪化したという点」と指摘した。
先月25日から48時間にわたり全国単位の「移動中止命令(スタンドスティル)」が発動されたが、破る事例が多かった。農場主・車両移動禁止と衛星利用測位システム(GPS)未付着飼料車両移動禁止などを守らず摘発された事例は31件にのぼった。弾劾政局で政府の指導力が崩れ、防疫のための命令が確実に伝わっていないのが実情だ。
国政リーダーシップは10余年前より後退した。毎年発生する家畜感染病という政府の安易な認識が弾劾政局と重なって危機を高めた。ソ・サンヒ忠南大獣医科大教授は「農民の申告に依存する防疫システムから抜け出し、農場対象ウイルス全数検査、AI防疫人材補強など大々的な補完対策が必要だが、政府の対応能力はかなり不足しているとみられる」と述べた。
AI対応は現非常内閣が直面した危機の一部にすぎない。目の前のAIに対応できない政府が国内外の市場に信頼を与えることはできない。米国の利上げ、トランプ新政権の保護貿易主義強化、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備に対する中国の通商報復など、外部からは大きな波が押し寄せている。内部的には過度な家計負債、経済成長動力の低下など悪材料が散在している。
ペク・ウンギ祥明大金融経済学科教授は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領弾劾当時と比較して政治的な不確実性はもちろん、対内外経済の不確実性も深刻だ」とし「経済指令塔の確立を急ぐ必要がある」と述べた。ペク教授は「経済副首相であれ首相でも部処間の意見をまとめて構造改革を終え、緊急な貿易イシューなどに積極的に対応しなければいけない」と強調した。
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