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トランプ時代の逆説、韓国外交の自律性を高める機会だ(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

尹永寛(ユン・ヨングァン)教授は「中国には『北の脅威が存在する限り韓米同盟は揺れない』という点を、米国には『対中国包囲他者枠から韓国が抜けるのが正しい』と説得するべきだ」と述べた。

憤怒と不安の時代だ。「米国優先主義」を掲げたトランプ氏の予期せぬ当選、崔順実(チェ・スンシル)ゲートによる国政まひ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の核威嚇で、大韓民国が「3災」を迎えているという声も出ている。尹永寛(ユン・ヨングァン)ソウル大名誉教授(65、元外交通商部長官)は「逆説的にトランプ時代には韓国の外交の自律的空間が大きく広がることも考えられる」と述べた。もちろん国政の刷新と収拾を大前提とした場合だ。今月13-21日に米国アジア財団(Asia Foundation)が主催した「米国の対アジアの役割に対するアジア的視点」というテーマの米国巡回討論に出席した尹名誉教授にソウル大の研究室で会った。

--トランプ氏の当選後、米国の雰囲気はどうか。

「アジア財団討論会は米大統領選挙が行われる年にするプロジェクトだが、アジアの視点で政策を提案し、これをワシントンに伝える一種の疎通企画だ。4月、7月のワークショップを経て大統領選挙直後に東南アジアのタイ、西アジアのインド、そして米国の学者とともに、北東アジア地域を代表してワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコのオピニオンリーダーに会った。3都市ともにヒラリー・クリントン候補を支持したところであり、トランプ氏当選の衝撃から抜け出せていないようだった。『心理的に適応努力中』『なぜこんなことになったのか』『納得できない』などと話していた。トランプ氏は4年を満たせないと信じている人もかなりいた」


--韓国も準備なくトランプ時代を迎えた。

「トランプ政権は価値より利益・取引優先の外交基調になるという見方が多い。韓米同盟という一種の価値同盟を共有してきた我々の立場では難しい点が多いだろう。『韓国は安保無賃乗車をしてきたので今後はあなたたちが処理しなさい』という形だ。しかしこのような状況がむしろ韓国の外交の自律的空間を広げる機会になることもあると考える。主人意識、積極的で能動的な外交姿勢が必要だ。韓国の国益の立場に忠実な短期・中長期外交戦略を用意し、トランプ政権に我々の立場をインプットできる余地を拡大していかなければいけない」

--トランプ氏はしばらく北朝鮮の核など韓半島(朝鮮半島)問題には力を注がないという見方もあるが。

「国内の経済回復を最優先議題として強調し、北の問題は中国に渡すというニュアンスで述べた点が懸念される。ここで我々の役割が重要だ。アジア財団の報告書にも言及したが、今後2、3年以内に北の核は米国にとって過去とは次元が違う安保脅威になるだろう。非核化政策の選択肢があまりない。対北制裁を効果的に強化し、金正恩委員長が核保有オプションは自身の生存を脅かすと判断して対話に出るように圧力を加えるしかない。これとともに米国と中国に向かって北の問題を米中間の国際競争構図から分離して扱うべきだという点を持続的に伝える必要がある。マイケル・フリン次期国家安全保障担当大統領補佐官の場合、米国の安保の最大の敵を極端主義イスラムと見るタカ派と知られている。国務および国防長官が誰になるかによって生じる相互力学関係も韓半島政策の重要な変数になるだろう」

--効果的な制裁とはイランの核問題を解決に導いたセカンダリーボイコット(北朝鮮と取引する中国など第3国・企業も制裁)を意味するのか。

「そうだ。実際、オバマ政権は議会からセカンダリーボイコット執行の委任を受けたが(他の懸案で協力が必要な)中国との正面衝突を避けるために積極的に実行しなかった。核の解決にエネルギーを100%注ぎはしなかったというのが一般的な評価だ。問題は北の核の高度化が完成すると見られるトランプ政権の4年だが、あらかじめ中国と協力して備えなければ危険なオプション(Surgical Strike・精密爆撃)を検討した1994年5-6月と似た状況がくることも考えられる」

--北朝鮮はどんな選択をするのか。挑発があればトランプ氏はどう対応するのか。

「北は米国に新政権が誕生するたびに軍事挑発をする場合が多かった。今回は過去とは完全に違う性格の政権であるため、北の悩みは大きいだろう。予測が容易ではないからだ。挑発した時のリスクと利益を計算するだろう」 (中央SUNDAY第507号)



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