韓国中部の忠清南道天安市(チュンチョンナムド・チョナンシ)のある鴨農場。1万羽の鴨を飼育している農場主人A氏は24日午前、群れで死んでいた鴨を発見した。A氏は「23日、鴨10羽が死んでいたのを見てまさかと思ったが、この日の朝、90羽余りがさらに死んでおり申告した」と話した。申告を受けた忠南(チュンナム)家畜衛生研究所で死んだ鴨を検査したところ、鳥インフルエンザ(AI)の陽性反応が出た。天安に隣接する忠清北道鎮川面(チュンチョンブクド・ジンチョンミョン)でもこの日、AIの発生事実が確認された。この日まで忠北地域だけで殺処分した鶏・鴨は54万1500羽に達する。天安市豊歳面(プンセミョン)の曲橋(コッギョ)川辺にある渡り鳥の糞便から高病原性AIウイルスが初めて検出したのがわずか一カ月前だ。
AIが韓国で急速に拡大している。農民の被害も取り留めなく広がっている。農林畜産食品部はこの日、同部の金在水(キム・ジェス)長官主宰で家畜防疫審議会を開き、全国家禽類関連施設、車両を一斉に消毒することを決めた。農林畜産検疫本部と地方自治体は共同点検チームを設け、消毒実態を点検した後、結果によって全国規模の「一時移動停止命令(Standstill)」を発令する計画だ。
自治体も奔走している。チョン・ウォングォン忠清北道農政局長は「陰城(ウンソン)・鎮川は家禽類農場が密集しており、防疫隊予察地域を既存の10キロから15キロに拡大する計画」とし「来年4月まで農家の鴨の新規飼育の承認を50%に減らす『冬季従量制』も施行する予定」と話した。全羅南道(チョルラナムド)は防疫強化対策によってすべての畜産車両を対象に、管内28カ所に設置された拠点消毒施設で消毒した後、消毒証明書を持参するようにした。消毒証明書を持参しなかった車両は管内屠殺場に立ち入りできない。特に、今回のAIが人体感染の恐れがあるH5N6型であることが確認されたことを受け、すべての市・郡で人体感染対策チームを運営中だ。
すでに済州(チェジュ)・慶南(キョンナム)・慶北(キョンブク)を除いた残りの圏域ではAIが発生している。忠北(チュンブク)大学獣医学科のモ・インピル教授は「現在広がっているH5N6型は中国で人体感染者の死亡例が出ているほど伝染性が強くへい死率も高い」と述べた。現在、韓国を襲っているH5N6類型ウイルスは中国・ベトナム・ラオス・香港だけで発生している。国際獣疫事務局(OIE)の判断が残っているのみで、このリストに韓国が追加されるのは時間の問題だ。中東呼吸器症候群(MERS)事態と同様に、防疫後進国としての問題点をそのまま露呈している。カトリック大学医科大学のペク・スニョン教授(微生物学)は「同様に渡り鳥がやってくる中国・ベトナムに比べ、欧州・日本のような先進国で最近AIの大規模な拡大事例が報告されていないのは、渡り鳥移動経路の追跡、予察(あらかじめ観察)、全数検査に多くの予算と人材を投資しているため」と分析した。
問題点はこれだけではない。専門家は▼家畜の疾病に脆弱な密集飼育▼政府・地方自治体の財政・人手不足▼不十分な政府支援と申告・防疫に対する農家の意識の低さ▲国境を行き来する動物感染病に対する政府をあげての研究不足--などを指摘する。
何より政府の後手の対応が事態を拡大させてきたという批判の声が大きい。先月28日にAIが初めて検出されてから、政府の措置が初めて出されたのは11月11日だ。それさえも「渡り鳥注意」段階の警報を発令し、予察地域を指定する水準に止まった。「共に民主党」のキム・ヒョングォン議員は「大学に試料検査を依頼して結果を確かめるのに時間がかかったと農林畜産食品部は釈明したが、2週間という時間を無駄使いしたという話にしか聞こえない」と述べた。家畜防疫危機警報の発令、国務総理室主管の政府レベルの対策会議など政府の対応はいつも「手遅れ措置」にとどまっている。また、ペク・スニョン教授は「『熱を通して食べれば大丈夫』という当局の対処はあまりにも安易」とし、「人体感染病に準ずる遮断防疫措置を取る必要がある」と指摘した。
AIが韓国で急速に拡大している。農民の被害も取り留めなく広がっている。農林畜産食品部はこの日、同部の金在水(キム・ジェス)長官主宰で家畜防疫審議会を開き、全国家禽類関連施設、車両を一斉に消毒することを決めた。農林畜産検疫本部と地方自治体は共同点検チームを設け、消毒実態を点検した後、結果によって全国規模の「一時移動停止命令(Standstill)」を発令する計画だ。
自治体も奔走している。チョン・ウォングォン忠清北道農政局長は「陰城(ウンソン)・鎮川は家禽類農場が密集しており、防疫隊予察地域を既存の10キロから15キロに拡大する計画」とし「来年4月まで農家の鴨の新規飼育の承認を50%に減らす『冬季従量制』も施行する予定」と話した。全羅南道(チョルラナムド)は防疫強化対策によってすべての畜産車両を対象に、管内28カ所に設置された拠点消毒施設で消毒した後、消毒証明書を持参するようにした。消毒証明書を持参しなかった車両は管内屠殺場に立ち入りできない。特に、今回のAIが人体感染の恐れがあるH5N6型であることが確認されたことを受け、すべての市・郡で人体感染対策チームを運営中だ。
すでに済州(チェジュ)・慶南(キョンナム)・慶北(キョンブク)を除いた残りの圏域ではAIが発生している。忠北(チュンブク)大学獣医学科のモ・インピル教授は「現在広がっているH5N6型は中国で人体感染者の死亡例が出ているほど伝染性が強くへい死率も高い」と述べた。現在、韓国を襲っているH5N6類型ウイルスは中国・ベトナム・ラオス・香港だけで発生している。国際獣疫事務局(OIE)の判断が残っているのみで、このリストに韓国が追加されるのは時間の問題だ。中東呼吸器症候群(MERS)事態と同様に、防疫後進国としての問題点をそのまま露呈している。カトリック大学医科大学のペク・スニョン教授(微生物学)は「同様に渡り鳥がやってくる中国・ベトナムに比べ、欧州・日本のような先進国で最近AIの大規模な拡大事例が報告されていないのは、渡り鳥移動経路の追跡、予察(あらかじめ観察)、全数検査に多くの予算と人材を投資しているため」と分析した。
問題点はこれだけではない。専門家は▼家畜の疾病に脆弱な密集飼育▼政府・地方自治体の財政・人手不足▼不十分な政府支援と申告・防疫に対する農家の意識の低さ▲国境を行き来する動物感染病に対する政府をあげての研究不足--などを指摘する。
何より政府の後手の対応が事態を拡大させてきたという批判の声が大きい。先月28日にAIが初めて検出されてから、政府の措置が初めて出されたのは11月11日だ。それさえも「渡り鳥注意」段階の警報を発令し、予察地域を指定する水準に止まった。「共に民主党」のキム・ヒョングォン議員は「大学に試料検査を依頼して結果を確かめるのに時間がかかったと農林畜産食品部は釈明したが、2週間という時間を無駄使いしたという話にしか聞こえない」と述べた。家畜防疫危機警報の発令、国務総理室主管の政府レベルの対策会議など政府の対応はいつも「手遅れ措置」にとどまっている。また、ペク・スニョン教授は「『熱を通して食べれば大丈夫』という当局の対処はあまりにも安易」とし、「人体感染病に準ずる遮断防疫措置を取る必要がある」と指摘した。
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