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【取材日記】金融界にもちらつく「崔順実の影」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
崔順実(チェ・スンシル)被告の国政壟断事件を取材しながら会った元金融界高位関係者A氏は「金融界にまで崔氏の影がちらついていたのは驚くことではない」と話した。A氏が崔被告の名前を話したのは3年前の事件のためだ。

2013年9月、朴槿恵(パク・クネ)大統領はベトナム・ハノイで開かれた「韓服・アオザイファッションショー」に登場した。ベトナムを国賓訪問中だった朴大統領は京南(キョンナム)企業が1兆ウォン(約954万円)を投資して作った「ランドマーク72」コンベンションホールのランウェーに上がって韓服姿を披露した。1カ月後、主債権銀行は京南企業に数百億ウォンの緊急資金を追加融資で提供した。京南企業は3000億ウォンを越える当期純損失を抱えており、2回にわたる企業財務構造改善作業(ワークアウト)を経た状態だった。数日後、債権団は第3次ワークアウトを決める。大株主の無償減資なしに1000億ウォンを出資転換し、約3400億ウォンの新規資金を投じるという型破りの条件だった。債権団は当初「大株主の持分縮小(無償減資)なしには追加支援が難しい」と主張したが、なぜか立場を変えた。

2015年4月、京南企業の大株主だった京南企業の故成完鍾(ソン・ワンジョン)元会長は北漢山(プカンサン)近隣で遺体で発見された。生涯を終える前に、成元会長はあるジャーナリストに電話をかけ「現政権の有力人事にお金を渡した」と話した。彼のポケットから有力人事の名前とお金の金額が書かれた「成完鍾リスト」が発見された。


A氏に接触したのは京南企業をめぐった崔順実被告の形跡があったためだ。崔被告の側近である韓服デザイナー金栄錫(キム・ヨンソク)氏がこのファッションショーを総括した事実を確認してからだ。金氏は朴大統領の就任式用の韓服を作り有名になった人物だ。ファッションショーの場所も他の建物だったが、京南企業の「ランドマーク72」に変更された。A氏は「京南企業の財務状況が悪化したのは『ランドマーク72』に対する無理な投資が主な原因」とし、「第3次ワークアウト直前、追加融資は与信審査に保守的な当時京南企業の主債権銀行文化を考えれば、非常に異例なこと。政権の圧力があったという噂が広がっていた」と話した。また他の元金融界高位関係者B氏も「崔氏が財界に影響力を行使したとすれば『企業の血管』である金融界も例外ではないだろう」とし、「京南企業の特別優遇融資や没落に至る過程に介入した可能性を排除できない」と話した。

現政権の金融政策に崔被告と国政壟断事件の主犯人らが介入したという明らかな証拠はまだない。だが、「西別館会議」に代表される官僚支配的金融の積弊が解決できていない中、これさえ事実と確認されれば、惨め極まりないことだろう。「資格のない民治金融」に韓国の金融が振り回されてきたという疑惑が、不穏な想像で終わること願うのみだ。

イ・ドンヒョン産業部記者



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