韓民求（ハン・ミング）国防部長官と長嶺安政駐韓日本大使が２３日、国防部で韓日軍事情報包括保護協定（ＧＳＯＭＩＡ）に署名した。これとは別に両国はこの日、国内の法的手続きが完了したと相手国に通知した。先月２７日に韓国政府がＧＳＯＭＩＡ締結のための交渉再開方針を明らかにしてから２７日目だ。

韓日が署名したＧＳＯＭＩＡとは、軍事情報を国家間で共有可能にする協定だ。軍事情報の伝達・保管・破棄・複製・公開などに関する手続きを規定する２１条項で構成された。協定は両国が交換する情報のレベルを、韓国は軍事２級秘密（Ｓｅｃｒｅｔ）と３級秘密（Ｃｏｎｆｉｄｅｎｔｉａｌ）に、日本は極秘・特定秘密（Ｓｅｃｒｅｔ）とＨＩ級秘密（Ｃｏｎｆｉｄｅｎｔｉａｌ）に決めた。したがって１級秘密を除いたすべての情報が交換対象となる。国防部の当局者は「１級秘密は内容や保有現況自体が秘密」とし「これはいかなる場合にも他国と共有しない」と説明した。国防部の当局者は「我々のすべての情報を日本に無制限に提供するのではなく、相互主義の原則に基づき事案別に厳密な検討を経て同じ水準の情報をやり取りする」と述べた。

ＧＳＯＭＩＡ締結で両国は北朝鮮の核・ミサイル情報を共有し、北朝鮮に対する軍事的連携を強化できる。日本は情報収集衛星５機、イージス艦６隻、早期警戒機１７機、海上哨戒機７７機など高級情報資産を通じて得た映像情報などを韓国に提供する予定だ。韓国は盗聴情報や人的情報（ヒューミント）を日本に伝える。国防部のムン・サンギュン報道官は「協定の締結で日本が取得した情報を米国を経由せず直接共有できることになった」とし「北の核とミサイル関連情報に対する迅速性、正確性、信頼度が高まり、対北監視能力が向上する」と述べた。


しかしＧＳＯＭＩＡに関しては日本の軍事大国化や米国のミサイル防衛（ＭＤ）体系編入という懸念もある。韓長官は署名式で長嶺大使に対し「自衛隊の韓半島（朝鮮半島）進出、軍事大国化問題、ＭＤ体系編入などを我々の国民が憂慮している」と述べた。また、歴史教科書、日本の独島（ドクト、日本名・竹島））領有権主張など韓日間の過去の問題が解決していない状況で不適切だという指摘もある。特に崔順実（チェ・スンシル）国政壟断事態で混乱する中で政府が協定の締結を強行し、野党は反発している。キム・ジョンデ正義党議員は「国防部が透明性を欠いたまま拙速に協定の締結を進めた」と批判した。国防部の当局者も「世論をまとめる手続きが不十分だったという指摘を受け入れる」と述べた。共に民主党など野党３党は韓長官解任建議案の採択を推進している。

中国は韓日米間の安保協力が対中国包囲網につながるという警戒心を隠さなかった。日刊環球時報は「韓国と日本が軍事協力というパンドラの箱を開いた」とし「高高度ミサイル防衛（ＴＨＡＡＤ）体系配備と韓日情報保護協定は中国の戦略利益と国家安保構造を害するだろう」と主張した。