ソウル清潭洞（チョンダムドン）チャウム医院のエスカレーターは２階まで動いていた。停止中のエスカレーターで上の階に行こうとすると、職員が近づいてきた。「ここからは会員だけが入場可能です。どのような件で来られましたか」。

会員加入の相談を受けにきたと話すと、職員はエスカレーターの作動ボタンを押した後、３階に用意された相談席に案内した。マッサージ１０回パッケージの会員が最低４００万ウォン（約３７万円）だった。５－７階にある野外プールとサウナ・フィットネスセンターなどを利用するには会員加入費が１億ウォンを超える。結局、１６日午後、チャウム５階にある室内庭園「シークレットガーデン」の実物は見物もできなかった。６年前に大ヒットしたドラマの題名『シークレットガーデン』と同じだ。ＪＴＢＣは１５日、朴槿恵（パク・クネ）大統領がそのドラマの女主人公の名前「キル・ライム」という仮名で特別サービスを受けたと報じた。職員に「この頃、病院が有名になったようだ」と話しかけると、職員は「私もニュースを見て知りました。よく言えばノイズマーケティングになった」と答えて笑った。

オンラインではこれに関連し、朴大統領を風刺する掲示物が次々と登場している。ネットユーザーは朴大統領の名前の「槿」とキル・ライムの「ライム」を合わせて朴大統領を「クン・ライム」と呼んだりしている。ドラマの有名なセリフのパロディーもあった。ドラマの男主人公（ヒョン・ビン）の流行語「これが最善（チェソン）ですか、確実（ファクシリ）ですか」を「これが崔順（チェスン）ですか、ファクｓｉｒｉですか」に変えた。


４日に朴大統領が国民向け談話で述べた「こんなことをしようと大統領になったのか、情けなく苦しい」という発言は「こんなことをしようとキル・ライムをしたのか、情けなく苦しい」となった。キル・ライム役を演じた女優ハ・ジウォンさんが政府が作成した「文化界ブラックリスト」に入っていると伝えられると、ネットユーザーは「天の下に２人のキル・ライムは存在できないのでは」などと嘲弄するコメントを載せた。男主人公ヒョン・ビンさんが 顕忠日（韓国の戦没者追悼記念日）の追悼式（２０１５年）など複数の政府の行事に出席してきたことが取り上げられたりもした。

ドラマの中のキル・ライムの職業が代役俳優（スタントウーマン）という点も話題になった。崔順実（チェ・スンシル）容疑者（６０）が大統領の代役のように行動したのと似ているからだ。１６日、ネイバー・ダウムなどポータルサイトの検索語順位で「キル・ライム」に関連する言葉が上位を占めた。あるネットユーザーは「風刺に笑ってはいるが、あたかも廃虚の上で笑う感じだ」とコメントした。