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経済司令塔を早く立てよう=韓国(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
突然一瞬にして韓国社会の全てがブラックホールに陥った。「これが国か」という言葉が肺腑を突く。私たちが一般的に想像できる不正腐敗スキャンダルをはるかに上回る権力型事件だ。国民は狼狽し、また憤怒している。法を教えているが学生の前で法を守れと言うのが恥ずかしくなる。私たちが法を守って匹夫の暮らしをしている時に、だれかは法の上に君臨した。法を守ると信じていた公職者は法に目を閉じ、正義を立ててくれると信じた検察は国民の期待を引っ込めさせた。もう信じられるものは何もない社会になった。怪談とうわさ水準で片付けられた疑惑がすべて事実と明らかになったためだ。信頼の喪失、それが今回のゲートが残した最も大きい後遺症だろう。

政府の権威も消えた。大統領に二線に退けという背景には権威の喪失がある。法治国家で国の政策は法に基盤を置いている。しかし法がすべてではない。法の執行を満たすのは権威だ。ローマ人は市民自らが受け入れ従うことを権威と言い、これに対し権力が順応を強要することを権威主義だと定義した。権威は権力の透明性と責任性を食べて育つ。もう国民はこれ以上政府の話を受け入れようとしない。

しかしいま私たちは怒ってばかりはいられない状況だ。韓国をめぐる周囲の環境が急速に変わっているためだ。最も大きいのは米国の大統領選挙結果だ。


今後、外交・安保・通商を含むさまざまな分野で新しいイシューが提起されるだろう。防衛費分担、北朝鮮の核問題、自由貿易協定(FTA)再協議、為替相場など大型の問題を解決していかなければならない。そこでトランプ氏の当選を契機にこのように長期間にわたり国政空白を置いてはならないという意見が共感を得ていきつつある。

与党はトランプ効果を誇張することで反射的利益を得ようとしてはならない。親朴議員が前に出て危機と懸念を語るのはむしろ国民的反感ばかりを呼び起こしかねない。トランプという外生変数が名分と機会を与えるには国民はあまりに腹を立てている。

トランプ氏の当選日、韓国をはじめとする世界の主要証券市場で株価は大幅に下落したが翌日すぐに反騰した。為替相場もすぐ元の位置に戻った。市場は敏感だがそれだけ復原力も優れている。だが韓国経済の体質はすでに弱まっており、予想される不確実性と衝撃に備えたシナリオを組まなければならない。経済の属性は流れだ。一度流れを逃せば回復するのに相当な時間にわたり苦痛に耐えなければならない。しかしその苦痛は常に誠実に暮らしてきた市民が分担しなくてはならなかった。韓進(ハンジン)海運は従業員560人に解雇を通知した。海運問題はまだ終わっていない。家計負債は依然として増加している。お金を借りて家を買えという不動産政策は不動産価格を暴騰させた。米国の保護貿易主義はまもなく現実に現れるだろう。韓国企業は世界市場で競合企業と戦わなければならないのに、私利私欲を満たすあきれた強制募金に足かせをかけられている。経済は食べていく問題であり心配が大きいのは当然だ。(中央SUNDAY第505号)



経済司令塔を早く立てよう=韓国(2)

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