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【コラム】光化門デモから韓国経済の希望を読む

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
12日夕方に光化門(クァンファムン)に集まった人たちは傍目にはイベントを楽しむ人たちのようだった。壇上に上がった人の一言一言に熱狂した。個性ある服装とピケで自身を表現した人も多かった。100万のデモ隊が集まったがそのどこにも暴力はなかった。顔には微笑を浮かべていた。しかし彼らを光化門に向かわせたものは憤怒だった。国民が委任した権力をむやみに使ってしまった大統領に、その権力を背に私利私欲を満たしたオオカミの群れに、機会均等という民主主義の基礎から守られないこの国に人々は憤怒した。あまりにひどく正常な理知ではとうてい納得できないことがマスコミをいっぱい埋める。

1カ月前に「朴大統領はサムスン・現代車トップと単独面談を」というコラムを書いた。経済がとても厳しいので大統領が直接企業家と会い虚心坦壊にさまざまな話をしてみれば何かの糸口を見つけられるかもしれないという思いからだ。これがどれほど馬鹿みたいな提案だったかを確認するのに長い時間はかからなかった。いわゆる「崔順実(チェ・スンシル)ゲート」を通じ大統領が企業オーナーに個別に会っていたことが明らかになった。1年も前にオーナーらに会った大統領に「単独面談せよ」で促したとは。

大統領は昨年7月24日と25日の2日にわたり7つの大企業オーナーらと単独面談した。鄭夢九(チョン・モング)会長、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長もリストに含まれていた。大統領はオーナーらと向かい合って座りどんな話を交わしたのか。中国の追撃を振り払う秘策はないのか、韓国経済の未来の収益源のために政府は何をすべきかを話したのだろうか。そうではないようだ。検察が大統領に会ったオーナーらを調査した。大統領も直接調査することにした。私の望みと違い対話の内容が怪しいことこの上ないということが証明されたのだ。本当に大統領はこの国の現実と未来を話し力を集めようと話したのではなく、ミル財団・Kスポーツ財団を持ち出しお金を求めたのか。


いま韓国の経済状況は通常時より悪い。韓国の看板企業には好調だと手を叩いていられるほどの企業はほとんどない。その上に韓国の自負心とされたサムスン電子や現代自動車まで揺らいでいるのが現実だ。フッと吹けば倒れかねないのがいまの韓国企業だ。こうした状況で青瓦台(チョンワデ、大統領府)は全経連を通じ53社からお金をせびった。「政府が払えというのに突っぱねる企業がどこにあるのか」という抗弁は、「何か見返りを望んで巨額を出したのではないのか」という反論に埋められる。こんな時にどの企業が投資して雇用を作り出したいだろうか。

ベンチャーと韓流関連産業が致命傷を受けることになったのも韓国経済の大きな損失だ。現政権が掲げた創造経済と文化隆盛事業にも崔順実一党が介入したという情況があちこちで現われている。国会と関連官庁はこれら事業の来年度予算を大幅に削減する態勢だ。必ず成し遂げなければならない創造経済と文化隆盛が間違った主人と会いごみ箱に入れられなければならない身分になったのだ。

暴政にもかかわらず、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領を多くの人たちが依然として尊敬する理由は、国民を暮らせるようにしたという理由のためだ。朴槿恵大統領は経済すら目を背けた。どんな問題も解決できず、創造経済のようにわれわれに切実な単語まで汚し使えなくさせた。大統領が経済だけでもしっかりやっていたなら光化門に集まった100万のデモ隊がこれほど憤怒しただろうか。

絶望の終わりに希望があるはずだ。希望の端緒は光化門にもある。若い世代は「ヘル朝鮮」と言いながら既成世代を非難し、既成世代はスプーン階級論をうんぬんする若者の不誠実をとがめるが、光化門ではすべてがひとつになった。大統領は依然として70年代に暮らし、政治家らも前近代的派閥政治から抜け出せずにいるが、成熟したデモを通じわれわれの市民意識は見違えるほど成長したことを証明した。職位と権力を信じて調子に乗っていればいつかはその罪の代価を払うという教訓も真実であることを今回の事態が証明したのではないか。まだある。われわれは時間を稼いだ。このすべての不正と陰謀が覆い隠されていたならば? われわれは大事な時間を5年さらに無駄にしていたかも知れない。だからわれわれには希望がある。

キム・ジュンヒョン産業デスク



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