9日に終わった米大統領選挙でトランプ共和党候補が勝利したことで、韓米自由貿易協定(FTA)が再協議に入るかどうかに関心が集まっている。トランプ氏は選挙の遊説中、韓米FTAについて「米国内の雇用を殺す協定(job killing trade deal)」とし、再協議を公言した。専門家らは「直ちに再協議をするのは容易ではないだろう」としながらも「自動車・鉄鋼などの分野ではいかなる形であれ通商圧力があることは覚悟しなければいけない」と述べた。「スーパー301条」など貿易報復措置が復活するという予想も出ている。
◆通商圧力は覚悟が必要
大統領の意志だけで韓米FTA再協議が可能かどうかをめぐっては米国内でも見方が分かれる。FTAは議会の承認を経るため、これを再協議したり廃棄するには議会の同意が必要だという主張がある。共和党が上下院で多数党になっても伝統的に自由貿易主義を標ぼうするため、FTA再協議などには容易に同意しないという分析もある。
一方、米国民間経済研究所のピーターソン国際経済研究所(PIIE)は9月、報告書で「憲法が保障した大統領の外交権と貿易関連法に基づき、大統領がFTAを再協議したり破棄することができる」と説明した。大統領が外交権を発揮して相手国に協定の解除を一方通知できるということだ。しかしこの場合、相手国だけでなく米議会の反発を招く可能性があり、実現可能かどうかは未知数だ。
朴泰鎬(パク・テホ)ソウル大国際大学院教授(元通商交渉本部長)は「トランプ氏の任期が始まってもFTA再協議をすぐ進めることはないだろう」とし「ただ、韓米FTAを履行しながら米国が不満を抱いている金融・サービス・法律などの分野でよりいっそう市場を開放するよう通商圧力を加える可能性が高い」と話した。
現代経済研究院のハン・サンワン総括研究本部長は「対米貿易黒字が増えている状況で通商圧力は避けられない」とし「大統領が議会の同意なしに使用できるスーパー301条が復活するかもしれない」と予想した。米国貿易法301条を指すスーパー301条は、米通商代表部(USTR)が不公正貿易国に報復関税などを課すことを可能にする条項だ。
◆為替操作国指定の可能性も
トランプ氏はラストベルト(五大湖周辺の衰退した工場地帯)の労働者の支持を背に勝利した。自動車・鉄鋼などの分野で保護貿易主義が強まるという予想が出てくる理由だ。「メキシコ工場で生産された自動車に35%の関税をかける」という公約も気にかかる部分だ。
現在、北米自由貿易協定(NAFTA)に基づきメキシコ産自動車は米国に輸入される際、関税がない。公約が現実になれば、米国向け輸出を狙ってメキシコに工場を建設した起亜自動車などが被害を受けることになる。
トランプ氏は「中国を為替操作国に指定する」という発言もした。直接的な言及はなかったが、韓国もターゲットになる可能性がある。韓国は中国、日本、ドイツ、台湾などとともに為替操作国の前の段階である「為替監視対象国」に指定された状態だ。ソウル大国際大学院のアン・ドクグン教授は「通商分野の不確実性が高まったため、政府レベルで貿易障壁などに対する早期監視体制を稼働するべきだ」とし「世界貿易機関(WTO)などを通した対応システムも強化しなければいけない」と述べた。
◆通商圧力は覚悟が必要
大統領の意志だけで韓米FTA再協議が可能かどうかをめぐっては米国内でも見方が分かれる。FTAは議会の承認を経るため、これを再協議したり廃棄するには議会の同意が必要だという主張がある。共和党が上下院で多数党になっても伝統的に自由貿易主義を標ぼうするため、FTA再協議などには容易に同意しないという分析もある。
一方、米国民間経済研究所のピーターソン国際経済研究所(PIIE)は9月、報告書で「憲法が保障した大統領の外交権と貿易関連法に基づき、大統領がFTAを再協議したり破棄することができる」と説明した。大統領が外交権を発揮して相手国に協定の解除を一方通知できるということだ。しかしこの場合、相手国だけでなく米議会の反発を招く可能性があり、実現可能かどうかは未知数だ。
朴泰鎬(パク・テホ)ソウル大国際大学院教授(元通商交渉本部長)は「トランプ氏の任期が始まってもFTA再協議をすぐ進めることはないだろう」とし「ただ、韓米FTAを履行しながら米国が不満を抱いている金融・サービス・法律などの分野でよりいっそう市場を開放するよう通商圧力を加える可能性が高い」と話した。
現代経済研究院のハン・サンワン総括研究本部長は「対米貿易黒字が増えている状況で通商圧力は避けられない」とし「大統領が議会の同意なしに使用できるスーパー301条が復活するかもしれない」と予想した。米国貿易法301条を指すスーパー301条は、米通商代表部(USTR)が不公正貿易国に報復関税などを課すことを可能にする条項だ。
◆為替操作国指定の可能性も
トランプ氏はラストベルト(五大湖周辺の衰退した工場地帯)の労働者の支持を背に勝利した。自動車・鉄鋼などの分野で保護貿易主義が強まるという予想が出てくる理由だ。「メキシコ工場で生産された自動車に35%の関税をかける」という公約も気にかかる部分だ。
現在、北米自由貿易協定(NAFTA)に基づきメキシコ産自動車は米国に輸入される際、関税がない。公約が現実になれば、米国向け輸出を狙ってメキシコに工場を建設した起亜自動車などが被害を受けることになる。
トランプ氏は「中国を為替操作国に指定する」という発言もした。直接的な言及はなかったが、韓国もターゲットになる可能性がある。韓国は中国、日本、ドイツ、台湾などとともに為替操作国の前の段階である「為替監視対象国」に指定された状態だ。ソウル大国際大学院のアン・ドクグン教授は「通商分野の不確実性が高まったため、政府レベルで貿易障壁などに対する早期監視体制を稼働するべきだ」とし「世界貿易機関(WTO)などを通した対応システムも強化しなければいけない」と述べた。
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