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「経済協力」の代わりにクリル4島返還を…安倍氏、プーチン氏と“12月談判”へ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「ロシアに対する経済協力プランは新たな2国(日露)間関係の地平を開く機会を提供するでしょう」。今月3日、ロシア・モスクワのクレムリン宮。世耕弘成・経済産業相はウラジーミル・プーチン大統領にこのような内容の安倍晋三首相の親書を手渡し、訪露日程を開始した。安倍氏のプーチン氏に対する親書はことし1・4月に続き3通目だ。安倍氏はことし5月にソチ、9月にウラジオストクを訪れてプーチン氏と首脳会談を2回も行った。来月15日にはプーチン氏が安倍氏の招待で安倍家3代の地方区である山口県を訪問する。戦後最大の日本外交課題である北方領土(クリル列島4島)返還のための安倍氏の動きは緻密だ。2006年第1次安倍内閣発足以来、14回もプーチン氏と会談したのはその一環という評価だ。

世耕氏はこの日ロシア側と、プーチン氏の訪日前に経済協力優先課題30項目を具体化することにした。特に目を引くプロジェクトは、ロシアの石油・ガス田の共同開発、サハリンと北海道をつなぐ送電網構築の検討だ。ロシアの都市整備、ハバロフスク空港の現代化、ボストチヌイ港の機能強化も含まれた。主にロシアの極東開発と実生活向上のためのものだ。世耕氏に続き今週には谷内正太郎・国家安全保障局長がロシア訪問を調整している。領土と経済協力の対等交換のための日露間交渉が速度を上げている。

領土交渉に関する日本政府の基本立場はロシアが実効支配中の歯舞・色丹・国後・択捉の4島の一括帰属と返還だ。4島は1855年の日露修好通商条約以後は日本領だったが1945年8月に旧ソ連が占領し、日本は51年サンフランシスコ講和条約で国後と択捉が含まれたクリル列島を放棄した。その後、日露は56年の日ソ共同宣言で平和条約締結後にロシアが歯舞・色丹2島を日本側に返還することを明記したが、条約締結や領土問題はなかなか進展しなかった。安倍氏は表面的には4島一括返還を掲げているが、5月ソチでプーチン氏と「新たなアプローチ」に合意した状態だ。


安倍氏の戦略は歯舞・色丹の返還をまず実現してから残り2島の返還を求める2段階論と見られている。読売新聞によると、日本政府は4島の一括帰属・返還を前提とせず、歯舞・色丹の返還を最低条件としている。国後・択捉は平和条約締結後、自由往来等を通して最終的に返還してもらおうという構想だ。日本経済新聞も、日本政府が歯舞・色丹の返還を受け、国後・択捉は両国が共同統治する案を軸に交渉に臨んでいると伝えた。日本は行政権の行使を前提に4島全体や歯舞・色丹・国後の3島共同統治案も検討中だ。共同統治は中国などとの領有権問題を「フィフティ・フィフティの原則」の下に解決してきたプーチン氏の持論を勘案した解決法だ。

日本の対ロシア交渉は極秘で進められているため、進ちょく状況を知る政府要人は一握りに過ぎないという。ロシアとのパイプが太い鈴木宗男氏は「56年の日ソ共同宣言はプーチン氏も認めている。ここがスタートライン」としながら「何がプラスアルファで出てくるかで判断すべきだ」と述べ、歯舞・色丹2島の返還に加えて(他の2島に対する)共同統治や経済特区の導入、元島民の自由往来などについて言及した。2島プラスアルファが現実的だとする考えだ。安倍氏の実弟である岸信夫・外務副大臣もメディアに2島の先行返還を排除しないでいると明らかにした。

安倍氏が「12月談判」に出たのは、米国大統領選挙直後の権力移譲期を考慮したことが指摘されている。2014年ロシアのクリミア半島合併後、国際社会の制裁を主導してきた米国行政府が日本の対ロシア経済協力を問題視できない時期を選んだということだ。プーチン氏にとっては日本から経済協力を得られれば、対ロシア制裁網を複雑化する点を狙える。

だが、変数は少なくない。一つはロシアの態度だ。プーチン氏は先月、「交渉の期限を決めるのは不可能で、かえって有害だ」と述べた。交渉を急ぐ日本に「時間はロシア側」という考えだ。両国首脳が協議案に原則合意しても履行のための実務協議は数年間にわたる可能性が大きい。米国大統領当選者の立場も無視できない。安倍氏が交渉結果次第では衆議院解散と総選挙を通じて国民の信任を問うことができるという話も出ている。安倍氏があちこちの“虎穴”に入ろうとしているような雰囲気だ。



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