東レグループの子会社である東レ尖端素材が19日に慶尚北道亀尾(キョンサンブクド・クミ)の国家第5産業団地で亀尾第4工場建設に向け起工式を行った。これは東レ尖端素材が韓国に作る5番目の工場だ。2021年に完工すれば亀尾ハイテクバレーに変身する第5産業団地の入居企業第1号となる。
東レの工場設立は韓国企業が海外に工場を移し韓国国内の産業空洞化に対する懸念が大きくなっている中でのことで意味がある。韓国政府は2013年から海外にある韓国企業の国内復帰を誘導する法律(海外進出企業の国内復帰に関する法律)を用意したが、成果はわずかだ。東レは亀尾第4工場に外国人直接投資資金(FDI)1416億ウォン(約130億円)を含めて合計4250億ウォンを投資する。中長期的に2030年まで5兆ウォンが投資される予定だ。韓国企業さえ離れていくのになぜ東レは人件費が安い東南アジアや市場が大きい中国ではなく亀尾を選んだのだろうか。
まず長期にわたり亀尾で地ならしをしており地域基盤が硬い。1972年に韓国と日本の合弁で設立した第一合繊が母体だ。東レ尖端素材の李泳官(イ・ヨングァン)会長が「亀尾地域に長期にわたり基盤を置いた企業として、亀尾ハイテクバレーに初めての入居企業としての使命感を持って韓国東レグループは投資誘致活性化に寄与していく」と話したことや、東レの日覚昭広社長が「韓国政府と自治体の積極的な支援で成長することができた」と感謝を表明したのも同じ脈絡だ。
韓国政府が先端技術保有企業に与える各種インセンティブと優遇策も今回の決定に一役買った。産業団地の土地は50年間無償で使え、地方税は15年間、法人税は7年間免除・減免される。韓中自由貿易協定(FTA)締結で中国に輸出する際に関税の恩恵を得られるのも長所だ。道路・物流など社会的インフラが整っており優秀な人材が豊富だということも魅力的だった。
慶尚北道が推進する融合・複合炭素整形部品産業クラスターにかける期待も大きい。アジアでの需要増大に先制的に対応するため亀尾工場増設を決めたという説明だ。第4工場を中心に炭素繊維と複合材料事業を拡大する予定だ。自動車軽量化素材とエコカー核心部品供給体制を作ることができる。ポリエステルフィルム生産施設の増設は次世代ディスプレー産業拡大に対応するためだ。ポリエステルフィルムはモバイル機器やテレビなどのディスプレー機器、電気自動車に使われる電機電子用素材で今後関連産業の成長が予想される。
東レ尖端素材関係者は「亀尾には前後方産業がそろっており、自治体と政府レベルで支援する各種育成計画も注視した。特に不織布生産は世界拠点のうち韓国が核心になるだろう」と話した。
これに先立ち7月に全羅北道セマングム団地に完工した東レ尖端素材の群山(クンサン)工場も当初は東南アジアに建てられる計画だった。2013年の決定当時には荒野だったセマングムに工場を作るのは一種の冒険だった。世界で初めてポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS、スーパーエンジニアリングプラスチック)、PPSに炭酸カルシウムを混ぜ丈夫にしたPPSコンパウンドと、原料になる硫化水素ナトリウム(NaSH)、パラジクロロベンゼン(p-DCB)を生産する一貫工場であり、より悩みが多かった。だが自治体と政府の積極的な誘致努力のため心を決めたという。
結局2014年7月に21万5000平方メートルの敷地で起工され、今年7月にPPS樹脂年産8600トン、PPSコンパウンド年産3300トン規模の工場がセマングム団地にできることになった。中国に輸出されるPPSに課される関税は2019年にはゼロになり価格競争力が高まる見通しで期待が大きい。東レ関係者は「PPS生産に必須のNaSHとベンゼンは群山と麗水(ヨス)近隣で求めることができ物流費も減らすことができた」と話した。
この日亀尾第4工場の起工式には朴槿恵(パク・クネ)大統領とチョン・マンギ産業通商資源部第1次官、金寛容(キム・グァンヨン)慶尚北道知事、長嶺安政駐韓日本大使ら500人余りが参加した。
朴大統領は「第4次産業革命に積極的に対応するためには素材産業の育成が重要だ。新産業に対する投資と外国人投資誘致を拡大するだろう」と強調した。
東レの工場設立は韓国企業が海外に工場を移し韓国国内の産業空洞化に対する懸念が大きくなっている中でのことで意味がある。韓国政府は2013年から海外にある韓国企業の国内復帰を誘導する法律(海外進出企業の国内復帰に関する法律)を用意したが、成果はわずかだ。東レは亀尾第4工場に外国人直接投資資金(FDI)1416億ウォン(約130億円)を含めて合計4250億ウォンを投資する。中長期的に2030年まで5兆ウォンが投資される予定だ。韓国企業さえ離れていくのになぜ東レは人件費が安い東南アジアや市場が大きい中国ではなく亀尾を選んだのだろうか。
まず長期にわたり亀尾で地ならしをしており地域基盤が硬い。1972年に韓国と日本の合弁で設立した第一合繊が母体だ。東レ尖端素材の李泳官(イ・ヨングァン)会長が「亀尾地域に長期にわたり基盤を置いた企業として、亀尾ハイテクバレーに初めての入居企業としての使命感を持って韓国東レグループは投資誘致活性化に寄与していく」と話したことや、東レの日覚昭広社長が「韓国政府と自治体の積極的な支援で成長することができた」と感謝を表明したのも同じ脈絡だ。
韓国政府が先端技術保有企業に与える各種インセンティブと優遇策も今回の決定に一役買った。産業団地の土地は50年間無償で使え、地方税は15年間、法人税は7年間免除・減免される。韓中自由貿易協定(FTA)締結で中国に輸出する際に関税の恩恵を得られるのも長所だ。道路・物流など社会的インフラが整っており優秀な人材が豊富だということも魅力的だった。
慶尚北道が推進する融合・複合炭素整形部品産業クラスターにかける期待も大きい。アジアでの需要増大に先制的に対応するため亀尾工場増設を決めたという説明だ。第4工場を中心に炭素繊維と複合材料事業を拡大する予定だ。自動車軽量化素材とエコカー核心部品供給体制を作ることができる。ポリエステルフィルム生産施設の増設は次世代ディスプレー産業拡大に対応するためだ。ポリエステルフィルムはモバイル機器やテレビなどのディスプレー機器、電気自動車に使われる電機電子用素材で今後関連産業の成長が予想される。
東レ尖端素材関係者は「亀尾には前後方産業がそろっており、自治体と政府レベルで支援する各種育成計画も注視した。特に不織布生産は世界拠点のうち韓国が核心になるだろう」と話した。
これに先立ち7月に全羅北道セマングム団地に完工した東レ尖端素材の群山(クンサン)工場も当初は東南アジアに建てられる計画だった。2013年の決定当時には荒野だったセマングムに工場を作るのは一種の冒険だった。世界で初めてポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS、スーパーエンジニアリングプラスチック)、PPSに炭酸カルシウムを混ぜ丈夫にしたPPSコンパウンドと、原料になる硫化水素ナトリウム(NaSH)、パラジクロロベンゼン(p-DCB)を生産する一貫工場であり、より悩みが多かった。だが自治体と政府の積極的な誘致努力のため心を決めたという。
結局2014年7月に21万5000平方メートルの敷地で起工され、今年7月にPPS樹脂年産8600トン、PPSコンパウンド年産3300トン規模の工場がセマングム団地にできることになった。中国に輸出されるPPSに課される関税は2019年にはゼロになり価格競争力が高まる見通しで期待が大きい。東レ関係者は「PPS生産に必須のNaSHとベンゼンは群山と麗水(ヨス)近隣で求めることができ物流費も減らすことができた」と話した。
この日亀尾第4工場の起工式には朴槿恵(パク・クネ)大統領とチョン・マンギ産業通商資源部第1次官、金寛容(キム・グァンヨン)慶尚北道知事、長嶺安政駐韓日本大使ら500人余りが参加した。
朴大統領は「第4次産業革命に積極的に対応するためには素材産業の育成が重要だ。新産業に対する投資と外国人投資誘致を拡大するだろう」と強調した。
この記事を読んで…