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【噴水台】醜いチャイニーズ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2014年末、台湾では中国本土からの観光客1人のために大騷ぎになった。40代の中国人が台湾最大の通信社である中華電信の立入禁止地域に入ってあらゆる機械を撮影した後、写真をソーシャルネットワークサービス(SNS)にアップしたためだった。彼は「情報機関で撮影した秘密装備」とほらを吹いた。調査の結果、彼は中国本土で会ったこの会社の社員の案内で潜入したという。露出した機械は秘密装備ではなかったが、そうでなくても本土観光客の無礼に怒っていた台湾人を一層憤怒させた。

本土人たちの台湾観光が本格化したのは2008年。本土の観光客は爆発的に増えたがこれに比例して台湾人の対中嫌悪は深まるばかりだった。どこにでもゴミを捨てて唾を吐くのはもちろん台湾人の聖地である蒋介石記念館でも放尿するのが常だったからだ。

香港もこれに劣らなかった。本土人による粉ミルク・おむつの爆買いで香港人もうんざりしていた。植民地時代の頃に自分たちを弾圧した日本人よりも本土人のほうが憎いという世論調査まで出てくるほどだ。


台湾の観光開放は反中感情をあおりたて、今年1月には中国からの独立を主張する蔡英文政権の執権をもたらした。その後、中国政府の影響が作用したのか今年に入ってから本土の観光客は前年より30%も減った。目標とは正反対に、観光開放が本土との交流減少を招いた格好になったのだ。

国際政治学の核心理論である自由主義は「国家間の交流が平和をもたらす」と説明する。相手の慣習を知れば文化の差異による誤解も解けて仲が良くなるという論理だ。だが、この理論は0点マナーが国民感情まで影響を与えるとは予想できないようだ。

中国人が永遠に無礼だと思っていたら大きな誤算だ。他国民のように人生に潤いが出て外国の物も食べれば、遠からず洗練されたマナーを自慢することになるだろう。遠くへ行くこともない。この前まで「醜いコリアン」で通じていたのが韓国人ではなかったか。

今は「醜いチャイニーズ」が問題だが、元祖は「醜いアメリカン」だ。1950年代、欧州や南米では米国観光客といえば騒々しくて無礼なことこの上ない非文明人の代名詞だった。さぞや不条理が激しかったのだろうか『醜いアメリカン』という題名の本や映画まで出てきた。

最近、済州道(チェジュド)を中心に中国人観光客の犯罪が社会問題として浮き彫りになった。数年後には彼らの言動も改善されるだろうが、それまでは大衆の国民感情が取り返しがつかなくなるまで悪くならないよう、適切な調整が必要な時のようだ。

ナム・ジョンホ論説委員



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