「孫興民を見てガレス・ベイルを連想するのは私一人だけだろうか」。ある英国サッカーファンが２５日にソーシャルメディアに載せたコメントだ。

トッテナムのＦＷ孫興民（ソン・フンミン、２４）はこの日、アウェーで行われたミドルスブラ戦で今季３、４号ゴールを決め、チームの２－１の勝利に貢献した。孫興民は前半７分、ペナルティーエリア内に走り込み、左足でクロスに合わせた。前半２３分には「孫興民ゾーン（ｚｏｎｅ）」と呼ばれるペナルティーエリア左側４５度から右足で強烈なシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。孫興民は１０日のストークシティ戦に続いて半月ぶりにマルチゴールを決め、トッテナムは２位（４勝２分け）に浮上した。孫興民はプレミアリーグ事務局が発表した選手ランキングで９位（３７ポイント）に入り、２００６年１０月に１１位タイとなった薛ギ鉉（ソル・ギヒョン）を越えて韓国人選手で最高順位をマークした。

孫興民が最近、リーグ３試合で４得点１アシスト（得点４位）と大活躍すると、ユーロスポーツはサッカーファンがソーシャルメディアに載せたコメントを紹介した。「孫興民はアジアのリオネル・メッシ」「神がトッテナムを救うために孫興民を送り込んだ」などと賛辞一色だった。ユーロスポーツは「ベイルが孫興民の服を着て出てきたようだ」という内容を最高のコメントに選んだ。


２００７年から６シーズンにわたり孫興民の現所属チームのトッテナムで活躍したガレス・ベイル（２７、ウェールズ）は２０１３年に移籍料１億ユーロでレアル・マドリード（スペイン）に移籍した。ベイルは国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）が認めたドリブルが最も速い選手だ。瞬間最高速度は時速３６．９キロ。トッテナムファンはこの日、孫興民の速い動きとゴール決定力を見て「ベイルが帰ってきたようだ」と喜んだ。

英ＢＢＣは孫興民のボールタッチマップ（ｔｏｕｃｈｍａｐ）を紹介した。孫興民のボールタッチを表す黄色の表示がグラウンドの左サイドを埋めた。ＢＢＣは「孫興民は昨季ハリー・ケイン（２３、イングランド）の後ろから助演の役割をしたが、最近ケインが負傷で離脱した後、代役を越えて大活躍を見せている」と紹介した。

孫興民はシーズン序盤まで苦労が多かった。リオデジャネイロオリンピック（五輪）出場のため所属チームのポジション争いで劣勢になり、開幕から３試合連続でグラウンドを踏むことができなかった。独ヴォルフスブルクへの移籍説が広まった。しかし孫興民はイングランドでもう一度挑戦することを選択した。孫興民の選択は間違っていなかった。「ハリケーン（ｈｕｒｒｉｃａｎｅ）」と呼ばれるハリー・ケインがけがで抜けている間、「サン・シャイン（Ｓｏｎ＋ｓｈｉｎｅ）」孫興民が光っているという賛辞を受けている。昨季の得点王（２５得点）のケインは１８日に右足を痛め、今後６－８週間はプレーできない。

ハン・ジュンヒＫＢＳ（韓国放送公社）解説委員は「トップのケインの動きが孫興民と重なる場合が多かった。しかしケインが抜けて孫興民が幅広く動き、自ら得点のチャンスを作り出している」と分析した。

チャン・ジヒョンＳＢＳスポーツ解説委員は「最近、移籍説による心理的な負担を払い落としたようだ。トッテナムに残ることになった状況で『やりたいようにしよう』という気持ちが実際の競技力にも影響をかなり及ぼしている」と分析した。

パク・ムンソンＳＢＳ解説委員は「ケインが抜ける２カ月間は孫興民には絶好の機会になるだろう。欧州チャンピオンズリーグをはじめ、今後マンチェスターシティ、リバプール、アーセナルとビッグマッチが続く。これらの試合は孫興民の今後の経歴に大きな影響を及ぼすはず」と話した。

一方、クリスタルパレスのＭＦ李青竜（イ・チョンヨン、２８）はサンダーランド戦に後半４８分に交代出場し、正確なＦＫで決勝ゴールをアシストし、チームの逆転勝ち（３－２）に寄与した。独アウクスブルクのＭＦ具滋哲（ク・ジャチョル、２７）はダルムシュタット戦で後半２分、正確なクロスでヘディング決勝ゴールをアシストし、１－０の勝利に貢献した。

サッカー韓国代表は来月６日にカタール、１１日にイランと２０１８年ロシアワールドカップ（Ｗ杯）アジア最終予選第３、４戦を行う。２６日の代表メンバー発表を控えた韓国代表のシュティーリケ監督は久々の欧州組の活躍に喜んでいる。