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【コラム】大きくなるコーヒーのサイズ=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
韓国は領土が大きい国ではないが、韓国の人々は「王(キング)」サイズが好きな傾向にあるようだ。こうした特徴は飲食店のメニューを見るだけでもよく分かる。「王カルビ・王塩焼き・王パジョン・王スンデ・大餃子・王トンカツ・王冷麺」。リストは限りなく増えるかもしれない。最近ではキングサイズの「王コーヒー」までも出てきた。

今年7月初め、雨がかなり降っていた日にセミナー参加のため地方に行った時のことだった。骨の髄まで雨に濡れてセミナー控室の円卓テーブルに座っていて、すぐに目の前に置かれた大きな「カップコーヒー」を見ることになった。量は400ミリリットルもあり、名前は皮肉にも「タバン(喫茶店)コーヒー」だった。過去10年間、韓国のコーヒーサイズが自販機で選ぶ50ミリリットルから「王」と言うほど大きい400ミリリットルまで大きくなった理由について夢中になって考えてみた。自販機でコーヒーを選んで買って友人や同僚とコーヒータイムを楽しんだ時代と比べると21世紀の韓国の人々は間違いなくその当時よりも良い暮らしをし、良い食生活をしていると思われる。

ソウルにはないものがないと言うほど食べ物や料理が多様で豊かだ。タイのマンゴー、フィリピンのパパイヤ、豪州のチェリーなど以前は名前もよく知らなかった果物を今や簡単に手に入れることができる。ほとんど生活必需品化されたようなものだ。マンゴーがなければ熱い夏にかき氷を食べられないほどになった。コーヒーなしには一日も生きられない人も周りには多い。


ある人が自身のブログに「机の隅に置いて少しずつ飲む甘いコーヒー、それこそヒーリングタイムそのものです」と書いた文を見たことがある。お昼・夕食後にアメリカンラテを飲まなければ食事の楽しみとして重要な一部が抜けたような何となく寂しい気持ちになる。したがって「金剛山(クムガンサン)も食後の風景(花より団子の意味)」も昔話になってしまった。「金剛山も食事とコーヒー後の風景に変わらなければいけないようだ。

時間が経つほどコーヒーを飲む習慣が固まりつつある。コーヒー文化の強者であるイタリアよりもソウルの街のほうがはるかにカフェが多く余裕をもってコーヒーを楽しむ人もさらに多い。暮らし向きだけを心配して自販機のコーヒーだけを楽しんでいた時代に韓国を離れて外国に行った人々は今再びソウルを訪れると変化した食文化にとても驚く。

ところで21世紀初めに韓国に住む人々は、食べ物が多様化した分だけ本当に豊かになったのか。コーヒーのサイズが大きくなったのに比例して悩みも大きくなったようにみえる。どうにも以前よりコーヒーに入る砂糖の量も多くなってしまったようだ。糖尿病や肥満など成人病患者もいつになくかなり増えた。「王」コーヒーとの関係を断ち切るのは容易ではないだろう。

イリーナ・コルグン韓国外国語大学ロシア研究所教授(中央SUNDAY第497号)



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