サムスン電子が「ギャラクシーノート7」に対する米国政府機関の相次ぐ使用中断措置により大きな危機を迎えた。米国政府の突然の使用中断措置が世界へ広がり波紋が大きくなっているためだ。サムスン電子の即刻的なリコールにもかかわらず、ブランド価値が下落する可能性があるとの懸念が出ている。
一部では米国の動きが2009~2010年のトヨタの急発進リコール事件のように「外国企業叩き」を通じた自国企業保護の意図があるのではないかとの観測も出ている。
◇突然の使用中断措置
サムスン電子は2日にギャラクシーノート7の全量交換措置を発表した。1兆ウォン(約927億円)から2兆ウォンに達する予想損失にもかかわらず、消費者の信頼のために250万台全量の交換を発表してグローバルメディアから好評を受けた。
だが米国の反応は違った。4日に米国の消費者専門メディアのコンシューマーリポートは「公式リコールをしなければならない」として批判論を提起した。コンシューマーリポートは「サムスンの対応は米国消費者製品安全委員会(CPSC)が介入した公式的リコールではなかった。もしそうしていたならスマートフォンを販売するのは違法になる可能性もあった」と指摘した。また「調査員が金曜日朝に複数の代理店を訪問した結果、そのうち数カ所はまだ製品を販売していた」と伝えた。コンシューマーリポートは「もしリコール手続きを開始したとすればどのような問題であれCPSCに申告することが優先されなければならない。それでこそ申告を検討し是正措置が必要なのかを決められる」と強調した。
その後は米国政府がバトンを受け継いだ。連邦航空局(FAA)が8日にギャラクシーノート7の航空機内での使用自制を勧告し、CPSCは9日に使用中断措置を下した。これはギャラクシーノート7が販売された10カ国に拡散した。
これまでCPSCは機器使用中断措置などを下す時は慎重にアプローチした。このためサムスンのギャラクシーノート7に異例的に迅速な措置をしたのはアップルのためだったのではないかとの解釈が出ている。業界関係者は「米国政府機関が公開措置を下す前から一部消費者団体とIT専門メディアなどを通じて強力な措置を促す意見が出ているなど状況が一部疑わしい」と話した。
米国政府の措置は16日から「iPhone7」の販売に入るアップルに相当な反射利益を与えるものとみられる。サムスンとアップルは世界1~2位のスマートフォンメーカーとして競争してきた。KAISTテクノ経営大学院のイ・ビョンテ教授は、「どの国の企業であれ自国政府と制度を活用する」と話した。しかしサムスン電子は公式的にはこうした疑惑に関する意見を明らかにしていない。むしろこうした話が米国をさらに刺激するかと懸念するそぶりだ。
◇ソニーやトヨタなどの外国企業が叩かれた
米国の外国企業製品リコールに対する過度な対応は過去に何回もあった。2006年のソニーのバッテリーリコール事件や2009~2010年のトヨタ急発進リコール事件が代表的だ。当時米国は政府だけでなくメディア、議会まで総動員して「外国企業叩き」を通じた自国産業保護に乗り出した。
当時問題は該当企業の米国内売り上げに大きな打撃を与えた。日本メディアは「日本企業叩き疑惑」を提起したがまったく受け入れられなかった。
ソニーのバッテリー問題は2006年8月に米デルコンピュータが400万台以上の自社ノートブックPCに搭載されたソニーのリチウムイオンバッテリーパックをリコールして始まった。バッテリーパックに欠陥があり、過熱により発火する事例が何回も発生したのが問題だった。
問題になったソニーのバッテリーはHP、アップル、富士通、レノボ、東芝などのノートブックPCにも使われた。同年10月までにリコール対象に指定されたソニーのバッテリーパックは実に960万個に達した。バッテリー業界1位だったソニーはこの問題を契機にサムスンSDI、LG化学、パナソニックなどに押し出された。結局今年7月にリチウムイオン電池事業部の売却を発表した。
トヨタの急発進リコールは2009年末から2010年初めにかけ900万台規模で行われた。トヨタ自動車の信頼性に途方もない打撃を与え、GMやフォードなどが生き返る契機になった。当時トヨタは急発進問題がペダルやマットなどが引っかかる「機械的欠陥」のせいだと主張した。しかし米国の消費者団体は電子的欠陥がある可能性をしつこく提起した。売り上げが急減した以降である2011年2月に米道路交通安全局(NHTSA)は10カ月の調査の末にトヨタ側の主張を認める結論を下した。
一部では米国の動きが2009~2010年のトヨタの急発進リコール事件のように「外国企業叩き」を通じた自国企業保護の意図があるのではないかとの観測も出ている。
◇突然の使用中断措置
サムスン電子は2日にギャラクシーノート7の全量交換措置を発表した。1兆ウォン(約927億円)から2兆ウォンに達する予想損失にもかかわらず、消費者の信頼のために250万台全量の交換を発表してグローバルメディアから好評を受けた。
だが米国の反応は違った。4日に米国の消費者専門メディアのコンシューマーリポートは「公式リコールをしなければならない」として批判論を提起した。コンシューマーリポートは「サムスンの対応は米国消費者製品安全委員会(CPSC)が介入した公式的リコールではなかった。もしそうしていたならスマートフォンを販売するのは違法になる可能性もあった」と指摘した。また「調査員が金曜日朝に複数の代理店を訪問した結果、そのうち数カ所はまだ製品を販売していた」と伝えた。コンシューマーリポートは「もしリコール手続きを開始したとすればどのような問題であれCPSCに申告することが優先されなければならない。それでこそ申告を検討し是正措置が必要なのかを決められる」と強調した。
その後は米国政府がバトンを受け継いだ。連邦航空局(FAA)が8日にギャラクシーノート7の航空機内での使用自制を勧告し、CPSCは9日に使用中断措置を下した。これはギャラクシーノート7が販売された10カ国に拡散した。
これまでCPSCは機器使用中断措置などを下す時は慎重にアプローチした。このためサムスンのギャラクシーノート7に異例的に迅速な措置をしたのはアップルのためだったのではないかとの解釈が出ている。業界関係者は「米国政府機関が公開措置を下す前から一部消費者団体とIT専門メディアなどを通じて強力な措置を促す意見が出ているなど状況が一部疑わしい」と話した。
米国政府の措置は16日から「iPhone7」の販売に入るアップルに相当な反射利益を与えるものとみられる。サムスンとアップルは世界1~2位のスマートフォンメーカーとして競争してきた。KAISTテクノ経営大学院のイ・ビョンテ教授は、「どの国の企業であれ自国政府と制度を活用する」と話した。しかしサムスン電子は公式的にはこうした疑惑に関する意見を明らかにしていない。むしろこうした話が米国をさらに刺激するかと懸念するそぶりだ。
◇ソニーやトヨタなどの外国企業が叩かれた
米国の外国企業製品リコールに対する過度な対応は過去に何回もあった。2006年のソニーのバッテリーリコール事件や2009~2010年のトヨタ急発進リコール事件が代表的だ。当時米国は政府だけでなくメディア、議会まで総動員して「外国企業叩き」を通じた自国産業保護に乗り出した。
当時問題は該当企業の米国内売り上げに大きな打撃を与えた。日本メディアは「日本企業叩き疑惑」を提起したがまったく受け入れられなかった。
ソニーのバッテリー問題は2006年8月に米デルコンピュータが400万台以上の自社ノートブックPCに搭載されたソニーのリチウムイオンバッテリーパックをリコールして始まった。バッテリーパックに欠陥があり、過熱により発火する事例が何回も発生したのが問題だった。
問題になったソニーのバッテリーはHP、アップル、富士通、レノボ、東芝などのノートブックPCにも使われた。同年10月までにリコール対象に指定されたソニーのバッテリーパックは実に960万個に達した。バッテリー業界1位だったソニーはこの問題を契機にサムスンSDI、LG化学、パナソニックなどに押し出された。結局今年7月にリチウムイオン電池事業部の売却を発表した。
トヨタの急発進リコールは2009年末から2010年初めにかけ900万台規模で行われた。トヨタ自動車の信頼性に途方もない打撃を与え、GMやフォードなどが生き返る契機になった。当時トヨタは急発進問題がペダルやマットなどが引っかかる「機械的欠陥」のせいだと主張した。しかし米国の消費者団体は電子的欠陥がある可能性をしつこく提起した。売り上げが急減した以降である2011年2月に米道路交通安全局(NHTSA)は10カ月の調査の末にトヨタ側の主張を認める結論を下した。
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