北朝鮮がまた核実験挑発を敢行した。昨日、咸鏡北道吉州郡(キルジュグン)豊渓里(プンゲリ)地域でだ。2006年に最初の核実験を実施し、今回で5回目となる。今回の北朝鮮の核実験は過去とは違う。気象庁が観測した北朝鮮の核実験の規模はマグニチュード5.04、爆発量に換算すれば10±2キロトン(1キロトン=TNT1000トン爆発規模)で過去最大だ。北朝鮮の1-4回目の核実験の爆発規模(1-7キロトン)の倍ほどだ。米国地質調査局の観測では5.1だった点を勘案すると、北朝鮮の今回の地下核爆発規模は最大20キロトンと見ることもできる。太平洋戦争当時に広島に投下された原子爆弾15キロトンと似たレベルだ。過去にインドとパキスタンが2回にわたり6つの核爆発装置を核実験した後すぐに核武装に入った事例からみると、北朝鮮も今後1年以内に核兵器を実戦配備する可能性が高い。核弾頭を搭載した北朝鮮の弾道ミサイル脅威が近く現実化するということだ。
今回の北朝鮮の核実験は金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の誤った意志と判断に基づくものとみられる。北朝鮮は今年に入って2回も核実験を実施した。弾道ミサイルも潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をはじめ、ムスダン、ノドンなど30回余り発射した。核武装計画を加速化しているのだ。これは3月15日に金正恩委員長が「早期に核弾頭爆発試験と核弾頭搭載が可能な弾道ロケット試験発射を断行する」と述べたのと一致する。これを受け、北朝鮮は遠からず小型化した核弾頭をSLBMをはじめとするムスダンやノドンにまで搭載する可能性がある。
今回の核実験で金正恩は戻れない「ルビコン川」を渡ったとみられる。昨日、北朝鮮核兵器研究所は「戦略弾もロケットに搭載できるよう標準化、規格化された核弾頭の性能と威力を最終確認した」と主張した。この主張通りなら、北朝鮮の核兵器が事実上完成段階に入ったということだ。いわゆるレッドラインを越えたのだ。北朝鮮の核武装は防げない段階まできた。韓半島(朝鮮半島)の非核化をもう維持できなくなったと解釈できる。北朝鮮の核開発に対して今まで防御的な立場で対処してきた政府の政策は限界に達した。従来の対北朝鮮制裁だけでは北朝鮮の核を抑止できないという点も如実に表れた。今は北朝鮮の核に対し、より攻勢的、積極的に対応するしかない状況だ。
こうした点で国防部が昨日、北朝鮮の核とミサイルに対応した「韓国型3軸体系」を発表したのは当然の自救措置だ。北朝鮮の弾道ミサイルを先制的に除去するキルチェーン(Kill Chain)と空中で迎撃する韓国型ミサイル防衛(KAMD)体系に、3つ目の軸である大量反撃報復概念(KMPR=Korea Massive Punishment & Retaliation)を追加した。国防部によると、KMPRは北朝鮮が核で我々に危害を加える場合、北朝鮮の戦争指導本部など指揮部を直接狙って報復する体系という。軍当局はこのために精密打撃が可能なミサイルなど打撃戦力と精鋭化された特殊作戦部隊を運営する計画だ。韓国と米国は共同で定めた先制打撃概念が含まれた作戦計画も発展させている。
しかし北朝鮮の核に対するより強力な抑止力が求められる。「核には核で対応」するというレベルで、米国の戦術核を条件付きで韓半島に再配備する必要がある。北朝鮮の核が除去されるまで一時的に戦術核を配備しようということだ。北大西洋条約機構(NATO)ではドイツなど加盟国の空軍戦闘機に戦術核を搭載して作戦を展開できるように組織化されている。戦術核の使用に関する決定も米国大統領が一方的に判断するのではなく、大韓民国の大統領の要求によって作動が可能にならなければいけない。
これとともに対北朝鮮制裁に中国のより積極的な参加も必要だ。今回の核実験は北朝鮮の政権樹立日である9月9日に合わされた面もあるが、中国杭州での主要20カ国・地域(G20)首脳会議が終わった直後にあった。中国を含む国際社会への正面からの挑戦と見ることができる。中国は北朝鮮が核武装をした後には、韓半島をはじめとする北東アジアがよりいっそう複雑で不安定な状態になるという点を悟るべきだ。北朝鮮の核の脅威と挑発で韓国社会が混乱に陥り、半導体・携帯電話など各種電子製品の生産に支障が生じる場合、中国経済が最初に打撃を受ける。そうなれば中国経済の成長に問題が生じ、習近平国家主席が提示した「中国の夢」の実現にも支障が生じるしかない。何よりも中国は国連安全保障理事会の対北朝鮮決議案2270に基づく対北朝鮮経済制裁を徹底的に履行してきたのか振り返る必要がある。北朝鮮の核武装を中断させるために北朝鮮への油類提供を中断し、朝中国境地域での違法な貿易も厳格に禁止することを、中国が熟慮することを望む。
北朝鮮の核実験は自滅を催促する危険なギャンブルといえる。いま最も急がれるのは韓米同盟をさらに強化し、韓中パートナーシップをテコに北朝鮮の火遊びを阻止することだ。内部の団結もいつよりも重要だ。北朝鮮の核武装可視化で安保状況が深刻だが、政府非難に熱を上げる共に民主党・国民の党・正義党の態度は見苦しい。北朝鮮の核が今の危機状況にいたったのは金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の失策も関係している。いつまで責任転嫁をするのか。政界は今からでは向き合って北朝鮮の核武装可視化による総合的な対策をもう一度点検する必要がある。
今回の北朝鮮の核実験は金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の誤った意志と判断に基づくものとみられる。北朝鮮は今年に入って2回も核実験を実施した。弾道ミサイルも潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をはじめ、ムスダン、ノドンなど30回余り発射した。核武装計画を加速化しているのだ。これは3月15日に金正恩委員長が「早期に核弾頭爆発試験と核弾頭搭載が可能な弾道ロケット試験発射を断行する」と述べたのと一致する。これを受け、北朝鮮は遠からず小型化した核弾頭をSLBMをはじめとするムスダンやノドンにまで搭載する可能性がある。
今回の核実験で金正恩は戻れない「ルビコン川」を渡ったとみられる。昨日、北朝鮮核兵器研究所は「戦略弾もロケットに搭載できるよう標準化、規格化された核弾頭の性能と威力を最終確認した」と主張した。この主張通りなら、北朝鮮の核兵器が事実上完成段階に入ったということだ。いわゆるレッドラインを越えたのだ。北朝鮮の核武装は防げない段階まできた。韓半島(朝鮮半島)の非核化をもう維持できなくなったと解釈できる。北朝鮮の核開発に対して今まで防御的な立場で対処してきた政府の政策は限界に達した。従来の対北朝鮮制裁だけでは北朝鮮の核を抑止できないという点も如実に表れた。今は北朝鮮の核に対し、より攻勢的、積極的に対応するしかない状況だ。
こうした点で国防部が昨日、北朝鮮の核とミサイルに対応した「韓国型3軸体系」を発表したのは当然の自救措置だ。北朝鮮の弾道ミサイルを先制的に除去するキルチェーン(Kill Chain)と空中で迎撃する韓国型ミサイル防衛(KAMD)体系に、3つ目の軸である大量反撃報復概念(KMPR=Korea Massive Punishment & Retaliation)を追加した。国防部によると、KMPRは北朝鮮が核で我々に危害を加える場合、北朝鮮の戦争指導本部など指揮部を直接狙って報復する体系という。軍当局はこのために精密打撃が可能なミサイルなど打撃戦力と精鋭化された特殊作戦部隊を運営する計画だ。韓国と米国は共同で定めた先制打撃概念が含まれた作戦計画も発展させている。
しかし北朝鮮の核に対するより強力な抑止力が求められる。「核には核で対応」するというレベルで、米国の戦術核を条件付きで韓半島に再配備する必要がある。北朝鮮の核が除去されるまで一時的に戦術核を配備しようということだ。北大西洋条約機構(NATO)ではドイツなど加盟国の空軍戦闘機に戦術核を搭載して作戦を展開できるように組織化されている。戦術核の使用に関する決定も米国大統領が一方的に判断するのではなく、大韓民国の大統領の要求によって作動が可能にならなければいけない。
これとともに対北朝鮮制裁に中国のより積極的な参加も必要だ。今回の核実験は北朝鮮の政権樹立日である9月9日に合わされた面もあるが、中国杭州での主要20カ国・地域(G20)首脳会議が終わった直後にあった。中国を含む国際社会への正面からの挑戦と見ることができる。中国は北朝鮮が核武装をした後には、韓半島をはじめとする北東アジアがよりいっそう複雑で不安定な状態になるという点を悟るべきだ。北朝鮮の核の脅威と挑発で韓国社会が混乱に陥り、半導体・携帯電話など各種電子製品の生産に支障が生じる場合、中国経済が最初に打撃を受ける。そうなれば中国経済の成長に問題が生じ、習近平国家主席が提示した「中国の夢」の実現にも支障が生じるしかない。何よりも中国は国連安全保障理事会の対北朝鮮決議案2270に基づく対北朝鮮経済制裁を徹底的に履行してきたのか振り返る必要がある。北朝鮮の核武装を中断させるために北朝鮮への油類提供を中断し、朝中国境地域での違法な貿易も厳格に禁止することを、中国が熟慮することを望む。
北朝鮮の核実験は自滅を催促する危険なギャンブルといえる。いま最も急がれるのは韓米同盟をさらに強化し、韓中パートナーシップをテコに北朝鮮の火遊びを阻止することだ。内部の団結もいつよりも重要だ。北朝鮮の核武装可視化で安保状況が深刻だが、政府非難に熱を上げる共に民主党・国民の党・正義党の態度は見苦しい。北朝鮮の核が今の危機状況にいたったのは金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の失策も関係している。いつまで責任転嫁をするのか。政界は今からでは向き合って北朝鮮の核武装可視化による総合的な対策をもう一度点検する必要がある。
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