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韓経:【コラム】ギャラクシーノート7の成功が語ること

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
輸出と内需の同時沈滞、造船業と海運業の構造改革などの問題に直面している韓国経済に久々にうれしい便りが入ってきた。サムスン電子が切歯腐心の末に発売したギャラクシーノート7が市場で高い評価を受け、品切れになるほど売れているという。サムスン電子という一つの企業の成果だが、サムスン電子が韓国経済に占める定量的、心理的比重が大きいため、サムスン電子の善戦は厳しい韓国経済に大きなプラスとなる。

ノート7の成果には、韓国の他の大企業と中小企業が注目すべき点がある。まず、ノート7旋風は大きく見ると、サムスングループの選択と集中という経営革新戦略が成果を上げているという傍証と判断できる。

この数年間、サムスングループは従来の事業のうち最も競争力がある電子分野に集中し、バイオなど新しい事業を探る動きを見せてきた。防衛産業と化学分野を国内の他の大企業に電撃的に売却した。いくつか他の事業の売却説も流れた。サムスン内では衝撃的に受け止められたが、グループレベルの生存と成長のための戦略と解釈された。


このような動きは韓国財閥グループで類例を探すのが難しい。2000年代初めに財閥グループが半導体・自動車などで事業をお互い売買・交換して特定事業に集中する、いわゆる「ビッグディール」を断行したが、これは政府の圧力によるものだった。自発的に一部の事業を売却したりもしたが、極めて一部の事業、またはグループが財政的問題を抱えている場合に限られた。サムスンのように先制的かつ大規模に選択と集中戦略を革新的に選択するケースはほとんどなかったため、その結果が注目された。

ノート7の成功は、サムスングループレベルの電子産業集中戦略がひとまず成功したことを見せる画期的な結果だと判断される。サムスン電子という企業の観点では革新戦略の結実といえる。宝石のような革新は時代と国を越えて市場が認めるものだ。その間、韓国企業は速い追撃者として先導企業の革新を素早く模倣、改良する戦略を見せてきたが、追撃者戦略ではもう競争優位を創出するのが難しい限界に直面した。今回、サムスン電子は紅彩認識をはじめとする革新的な新技術を製品に導入したことで、こうした限界を克服し、携帯電話産業でもはや模倣者でなく先導企業としての地位を見せた。

サムスン電子とサムスングループは今回のノート7の成功に安住してはいけない。先導者としての地位を守るのがどれほど難しいかは、すでに多くの企業の事例で明らかになっている。絶えず経営と技術の側面での存続的および破壊的革新だけが先導者の位置を守るだろう。

そのための必要条件はサムスンの「組織文化革新」だ。垂直的・閉鎖的であり周囲の目を気にする組織文化では、持続的に経営・技術分野の革新を後押しすることはできない。水平的で開放的な組織文化を築く必要がある。こうした意味で最近サムスングループレベルで進めている組織文化革新運動は必ず成功しなければいけない。

しかし数十年間続いた組織文化を変化させるのは容易でない課題だ。変化を追求すれば、変化に伴う不便と損害を受ける人たちが密かにこれに抵抗するだろう。最高経営陣の組織文化変化に対する持続的な努力と関心が必要な理由だ。組織文化の変化の必要性について、絶えず構成員と疎通しなければいけない。もちろん経営陣の率先垂範が先行条件だ。リーダーが変わらず職員に変わるべきだと叫んでも、誰も共感しないだろう。

数日前までほぼ1カ月間にわたって猛暑が続いた。いつ終わるか分からない猛暑の中、全国民が苦しんだ。しかし雨が2日連続で降ると、嘘のように天気が突然、初秋のように変わった。韓国経済も前がよく見えない闇の中にいる。猛暑の中の雨のように韓国企業の革新努力が韓国経済の新たな飛躍のきっかけになることを祈る。

チョ・ミョンヒョン高麗大教授・経営学



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