「バレーボールの女帝」金軟景（キム・ヨンギョン、２８）の夢はついにかなうことはなかった。韓国女子バレーボール代表チームは準決勝行きの途中でオランダに負けて脱落した。韓国は１６日、マラカナンスタジアムで開かれた２０１６リオデジャネイロオリンピック（リオ五輪）女子バレーボール準々決勝でオランダに１－３（１９－２５、１４－２５、２５－２３、２０－２５）で負けた。１９７６年モントリオール五輪（銅メダル）以後４０年ぶりのメダルを狙った韓国女子バレーボール代表の夢はここで消えた。

５月の五輪世界予選で韓国はオランダを３－０で完勝していた。当時、韓国はサーブエース１１本を記録してオランダを揺さぶった。しかしオリンピックで対戦したオランダは全く違うチームだった。韓国はネット上ギリギリで越えてきて大きく落ちるオランダ選手のサーブに翻弄された。守備力もオランダが一枚上手だった。オランダはブロックで落ちたボールを丁寧に拾い着実に攻撃に結びつけていった。半面、韓国は凡ミスの連続で自滅した。

エースの金軟景は孤独な戦いを強いられた。レシーブが不安定になると、その度ごとに３人のブロッカーを前に置きながらスパイクを放った。一人でチームの攻撃の半分以上を引き受け、両チームあわせて最多の２７得点を上げた。一方でキム・ヒジンやパク・ジョンア、ヤン・ヒョジン、イ・ジェヨンらは沈黙した。


試合が終わると、金軟景は失望感を隠しきれなかった。長身（１９２センチ）から繰り出されるスパイクだけでなく、守備力まで兼ね備えた金軟景は世界女子バレーボール界でも最高の選手に挙げられる。２０１１年、世界最高峰のトルコリーグに進出した金軟景は所属チームをトップに導いた。金軟景は世界の男女選手を通算して最高の年俸（１２０万ユーロ、約１億３０００万円）を受け取っている。

個人的にはすべての光栄を手に入れたが、オリンピックのメダルには手が届かなかった。金軟景は２０１２年ロンドン五輪で得点王に入り最優秀選手賞（ＭＶＰ）まで受賞したがチームは４位にとどまった。リオ五輪で代表チームの主将を務めた金軟景は必ずメダルを取ると強い意欲を見せたが最後の峠を越えることができなかった。

女子バレーボールの今回の敗北で韓国の球技種目（チーム種目）はノーメダルで帰国することになった。ロンドン五輪の銅メダルに続き２回連続メダル獲得に挑戦した男子サッカーは１４日の準々決勝ホンジュラス戦を０－１で負けて４強入りに失敗した。

強い根性と闘志で感動を与えた女子ハンドボールと女子ホッケーも決選トーナメントに上がることができなかった。女子ハンドボールは１勝３敗１引き分けで８強進出に失敗した。８４年ロス五輪からロンドン五輪まで４強以上を記録していた女子ハンドボールは３２年ぶりに予選落ちの悔しさを味わうことになった。９６年アトランタ五輪以降２０年ぶりのメダルを狙った女子ホッケーも組別リーグ最下位（４敗１引き分け）で大会を終えた。モントリオール銅メダル（女子バレーボール）以後、韓国団体球技種目はその後８大会（選手団全体が参加しない８０年モスクワ五輪を除く）ですべてメダルを獲得していた。