専門家たちが「地震前の兆説」や「原子力発電所異常説」を根拠のないうわさだと一蹴したが、人々の不安感は簡単にはおさまらなかった。幸い先月２６日に構成された「釜山・蔚山地域ガス・悪臭民官合同調査団」が「釜山は付臭剤、蔚山は工団悪臭のせい」という調査結果を出した。怪談も弱まる可能性が高い。だが、こうした怪談騒動はいつでも繰り返される可能性があるとみられる。政府と専門家社会が怪談の本質を正しく理解できないまま対応しているからだ。


今日、リスクは私たちの日常になった。社会学者ウルリッヒ・ベックはリスク社会論で、現代社会の特徴がリスクを絶えず再生産すると指摘した。技術と社会が発展するからといってリスクが減ることはない。したがって私たちはリスクを抱えて生きていくほかはない。リスクをうまく治めて最小化させる市民社会全体の知恵が一層切実になる。これまで韓国社会を揺るがした怪談も自然災害ではなく人間活動が招いた技術リスクから始まった。狂牛病騒動や福島原子力発電所爆発事故、密陽（ミリャン）送電塔事態において怪談の源泉はそれぞれウイルスと放射能、電磁波であった。したがって科学的事実をしっかり伝えれば怪談がなくなると考えやすい。だが現実はそんなに簡単ではない。




【時論】不安を増幅させる社会＝韓国（２）