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【コラム】中国は韓国に対する経済報復カードに触れているが…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先月、中国の朝中国境地帯を訪れた。豆満江(トゥマンガン)と鴨緑江(アムノッカン)を横切る多くの橋の上を貨物車と列車が行き来していた。最大の国境貿易都市の丹東では世界のブランド品で満たされている商店を目撃した。北朝鮮新義州(シンウィジュ)がはっきりと見える鴨緑江周辺からわずか300メートルほど離れた大通り沿いに最近できたという。指導部に圧力を加えるとして対北朝鮮ぜいたく品貿易を禁止した国連安全保障理事会の決議を無力化するような現場だった。ふろ敷包みを担いだ非公式の貿易商が禁止品目をいくつか持って鴨緑江を渡ることまで防ぐのは容易でないからだ。実際、丹東駅や周辺の商店で金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)親子バッジをつけた北朝鮮住民をすぐ見つけることができた。人間貿易船だ。中国は住民の生存を理由に対北朝鮮貿易の余地を残していて、北朝鮮は今までゆうゆうと持ちこたえている。中国の協力なしには対北朝鮮制裁も、脱北民の安全も、南北の和解進展も容易でないということをそのまま見せる冷酷なリアリズムの現場だった。

このような状況で中国の一角では、在韓米軍のTHAAD(高高度ミサイル防衛)体系配備を受け入れた韓国に「経済報復」をするべきだという声が出ている。中国が北朝鮮ではなく韓国を経済的「打撃対象」に挙げているのだ。ところで中国は経済報復で韓国に一方的な打撃を抱かせることができるだろうか。韓国の立場で中国は輸出・輸入とも最も多い重要な貿易相手だ。韓国の輸出全体のうち中国は25.4%を占める。米国(5.6%)、香港(4.8%)、シンガポール(4.2%)が後に続き、1・3・4位が中華圏だ。ここまではよく知られている話だ。中国が足を引っ張れば韓国経済に打撃を与えることもできるだろう。

重要なのは中国の輸出で韓国が占める部分だ。韓国は米国(16.9%)、香港(15.5%)、日本(6.4%)に次ぐ、中国の4番目(4.3%)の輸出市場となっている。韓国の輸入全体のうち中国は17.1%を占め、最も多い。日本(10.2%)と米国(8.7%)を合わせた数値と似ている。中国は韓国の主要顧客だが、韓国も中国の核心顧客だ。


さらに重要なのは、韓国は中国の輸入全体の9.7%を占める最大輸入対象国という事実だ。日本(8.3%)、米国(8.1%)、台湾(7.8%)、ドイツ(5.4%)、豪州(5%)がその後に続く。注目すべき点は韓国から輸入する製品の相当数が半導体・部品・素材など中国の輸出商品を生産する必須中間財ということだ。両国は歯車がかみ合って動く経済的運命共同体といえる。このような状況で中国が韓国に経済報復をするのは仏教の『阿含経』でいう「風に向かって砂を投げる」結果を招くしかない。韓国に被害を与えるには中国も損失を覚悟しなければいけない。世界13位規模の韓国経済は中国経済と協力して相互シナジーを出すことができる、数少ないグローバル協力パートナーという事実も重要だ。韓国がふらつけば中国にもマイナスだ。過去に中国は「唇亡歯寒」論で北朝鮮をかばったが、経済協力が加速化した今、中国の唇は北朝鮮でなく韓国に変わっている。

さらに中国経済は今年も見通しがそれほど明るくない。今年上半期の輸出額は9975億1300万ドルで前年同期比6.9%減、輸入額は7013億4699万ドルで9.6%減となった。こうした状況で中国が韓国と貿易摩擦を起こすのは「自害」に近い。体制安定のために経済成長が切実な中国がこのようなリスクを負う理由があるのだろうか。韓国も経済に政権の安定がかかっている。お互い利害が一致する部分だ。これに基づいて一緒に解決方法を探すのがよい。

韓国政府は何よりも対中外交の自信を回復しなければいけない。中国に向かって「何が重要なのか」という質問を投げかける必要がある。中国は経済運命共同体である韓国と対立するより、核・長距離ミサイル挑発をする「国際社会の厄介な隣人」北朝鮮を説得するのに外交力を集中することが国益につながるだろう。中国が「韓半島の平和と安定が核心利益」という立場をまだ維持するなら、これは当然のことだ。韓国と中国はずっと共存しなければいけない隣国ではないのか。

チェ・インテク論説委員



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