米国の反対で世界貿易機関(WTO)上訴機構裁判官の再任命がされないことになった張勝和ソウル大教授は20日、「米国が短期的利益のために以前のようなリーダーシップと包容力を発揮できないのが残念」と指摘した。
--事態の背景は。
「WTO上訴機構裁判官任期は4年で、特別なことがない限り再任されるのが慣例だ。私の任期は2012年6月に始まりことし5月末で終わる予定だったので再任意思を明らかにした。他の国はすべて支持したが、唯一米国だけが5月中旬に報道資料を出して再任に反対した。他の国々が「WTOの独立性を損なうもの」としながら反発したが米国は反対の立場を守った。結局、韓国政府も再任命をあきらめることで、先月21日に後任者選任手続きを始めることに決めた」
--こういったことはよくあることなのか。
「いや、全くない。紛争解決機構(DSB)会議で発言する国は20カ国程度だが、今回米国を糾弾した国は50~60カ国に達した。一度もWTOで発言し、見たことがないスリランカのような国も『再任反対は話にならない』と声を上げた。類例がないことだ」
--米国はなぜ反対したか。
「『判決時に上訴機構に与えられた権限を乱用した』ということが名目上の理由だ。これに関連して3~4件の事例を挙げているが、これらの事件に私と一緒に参加して同じように判決文を作成したインド出身裁判官は昨年末、再任命に成功した。その時、米国は何も言わなかった」
--ではなぜあなただけを標的にするのだろうか。
「権限乱用は表面的な理由ではないかと思う。WTO周辺では判決内容または裁判手続きに関連するWTO上訴機構に対する米国の不満が蓄積した結果だという話が出ている。このような不満をちゃんと聞き入れないので意思表示の方法として再任命拒否というカードを選択したということだ。現在、韓国と米国の間で洗濯機をめぐる紛争がひっかかっているという事実も別の理由になりうる。この事件は米国立場から見ると非常に重要だ。洗濯機をめぐる紛争自体にも意味はあるが、米国の反ダンピング体制の一部が誤っているという判決が下されればこれに関連したすべての製品が影響を受けることになる。この場合、鋼のように国内政治的に声が大きい分野も直撃弾を受けることになる。すべての裁判官は出身国の関連事件であっても中立を守らなければならないのが原則だ。それでも米国は韓国出身裁判官がこの事件に関与するということ自体に負担を感じたらしいとの説もある」
<インタビュー>再任が白紙撤回された韓国人WTO裁判官「米国の反対は類例がない」(2)
<インタビュー>再任が白紙撤回された韓国人WTO裁判官「米国の反対は類例がない」(3)
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