1カ月ほど過ぎた。国を沸き返らせた嶺南(ヨンナム、慶尚道)圏新空港論争が「金海(キムヘ)空港の拡張」で結論が出てからだ。現政権では珍しくうまく決めたという称賛が多かった。しかし推進過程を見ながら一つ取り上げるべきことがある。「金海新空港」という用語のことだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領もこの用語を使う。おそらく「嶺南圏新空港建設」という大統領選挙の公約が気になってそう呼ぶのではないだろうか。また4兆ウォン(約4000億円)以上の事業費が投入されるため、それを強調する側面も一部あるだろう。朴大統領は結果発表をした翌日、「金海新空港」という言葉を使った。その後、政府関係者が同じ言葉を本格的に使い始めたのは言うまでもない。
まさにこの部分が残念だ。密陽(ミリャン)や加徳島(カドクド)の代わりに金海空港の拡張という結論が出た時、世論はかなり好意的だった。普段は政府に対する批判で埋まっているポータルサイトの掲示板まで評価するコメントが多かった。ところが青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府が「金海新空港」という言葉を使用しながら少なからず批判が出てきた。従来の空港を拡張する事業をめぐり新空港と呼ぶのは不適切だという反応だった。特に新空港の誘致に総力を挙げた大邱(テグ)・慶北(キョンブク)や釜山(プサン)地域の住民の怒りを買う表現だった。従来の路線の相当部分を地下化して事実上新しい鉄道に変えた「京義(キョンウィ)線」も「新京義(キョンウィ)線」とは呼ばない。中央線と連結して「京義中央線」と呼ぶだけだ。必ず新空港という言葉を使用したいのなら「新空港級拡張」なら足りただろう。そうしていれば不必要な批判は聞かなかったはずだ。
11日の大邱(テグ)空港・K2空軍基地統合移転推進発表も残念な部分が多い。まず時期が誤解を招きやすい。密陽新空港が白紙になり、20日ほどしか経っていない状況だった。また似た状況の光州(クァンジュ)と水原(スウォン)ではなくなぜ大邱空軍基地の移転を先に選択したのかに関する説明もなかった。新空港誘致の白紙化に怒る大邱・慶北地域の民心をなだめるためという政治的な解釈が多いのは当然だ。
この件は政策広報も落第点だが、交通政策の側面でも懸念される。現在、大邱空港の最大の競争力はアクセスだ。年間2000万人以上の需要を予測するのもこのためだ。もし大邱から1時間ほど離れた他の地域に移転しても、その競争力が維持されるだろうか。「大邱空港は実際、移す理由はない。軍基地を移転するというからやむを得ずついていく」。国土部関係者の言葉に答えがある。大邱空港の利用客を金海やソウルに奪われる可能性も排除できない。
最近騒がしい高高度ミサイル防衛(THAAD)体系敷地選定と住民説得過程も同じだ。まさにアマチュアだ。このため政府の政策に対する不信感ばかりが強まる。国民は長い歳月、いくつもの政権を経験しながら老練なプロの目で政策を眺める。国民のレベルに合う政府を期待するのは無理なのだろうか。
カン・カプセン・ピープル&イシュー部長
まさにこの部分が残念だ。密陽(ミリャン)や加徳島(カドクド)の代わりに金海空港の拡張という結論が出た時、世論はかなり好意的だった。普段は政府に対する批判で埋まっているポータルサイトの掲示板まで評価するコメントが多かった。ところが青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府が「金海新空港」という言葉を使用しながら少なからず批判が出てきた。従来の空港を拡張する事業をめぐり新空港と呼ぶのは不適切だという反応だった。特に新空港の誘致に総力を挙げた大邱(テグ)・慶北(キョンブク)や釜山(プサン)地域の住民の怒りを買う表現だった。従来の路線の相当部分を地下化して事実上新しい鉄道に変えた「京義(キョンウィ)線」も「新京義(キョンウィ)線」とは呼ばない。中央線と連結して「京義中央線」と呼ぶだけだ。必ず新空港という言葉を使用したいのなら「新空港級拡張」なら足りただろう。そうしていれば不必要な批判は聞かなかったはずだ。
11日の大邱(テグ)空港・K2空軍基地統合移転推進発表も残念な部分が多い。まず時期が誤解を招きやすい。密陽新空港が白紙になり、20日ほどしか経っていない状況だった。また似た状況の光州(クァンジュ)と水原(スウォン)ではなくなぜ大邱空軍基地の移転を先に選択したのかに関する説明もなかった。新空港誘致の白紙化に怒る大邱・慶北地域の民心をなだめるためという政治的な解釈が多いのは当然だ。
この件は政策広報も落第点だが、交通政策の側面でも懸念される。現在、大邱空港の最大の競争力はアクセスだ。年間2000万人以上の需要を予測するのもこのためだ。もし大邱から1時間ほど離れた他の地域に移転しても、その競争力が維持されるだろうか。「大邱空港は実際、移す理由はない。軍基地を移転するというからやむを得ずついていく」。国土部関係者の言葉に答えがある。大邱空港の利用客を金海やソウルに奪われる可能性も排除できない。
最近騒がしい高高度ミサイル防衛(THAAD)体系敷地選定と住民説得過程も同じだ。まさにアマチュアだ。このため政府の政策に対する不信感ばかりが強まる。国民は長い歳月、いくつもの政権を経験しながら老練なプロの目で政策を眺める。国民のレベルに合う政府を期待するのは無理なのだろうか。
カン・カプセン・ピープル&イシュー部長
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