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<五輪柔道>ランキング1位が3人、韓国柔道の「アベンジャーズ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
15日、ソウル泰陵(テルン)選手村の必勝館。韓国男子柔道代表チームのソン・デナム・コーチが練習の終了を知らせると、約50人の選手が一斉にその場に座り込んだ。しばらく休んで回復した選手はすぐに着替えて食堂へ向かった。空腹を癒やすためだった。静かになった体育館には4人の男が残り、追加練習を自ら要望した。73キロ級のアン・チャンリム(22)、66キロ級のアン・バウル(22)、60キロ級のキム・ウォンジン(24)、90キロ級のクァク・ドンハン(24)だった。

彼らは「韓国柔道のアベンジャーズ」と呼ばれる。ハリウッド映画のヒーローのように圧倒的な実力を誇るからだ。アン・チャンリム、アン・バウル、キム・ウォンジンは国際柔道連盟(IJF)世界ランキング1位、クァク・ドンハンは2位だ。5月までは4選手とも1位だった。

柔道宗主国の日本を含む競争国の間では韓国柔道が警戒対象の筆頭だ。リオデジャネイロオリンピック(五輪)を準備中の韓国代表は、金宰範(キム・ジェボム、31)、王己春(ワン・キチュン、29)がいた2012年ロンドン大会当時よりも強いという評価を受けている。ソ・ジョンボク監督(62)は「韓国男子柔道がこれほど強かったことはあるだろうか」と話すほどだ。


アン・チャンリムは「関節がずきずきする。体全体で問題のないところはない」と言いながらも、立ち上がってまたゴムひもを引いた。アン・チャンリムはその誰よりも汗の力をよく知っている。京都で生まれた在日韓国人3世のアン・チャンリムは幼い頃「朝鮮人」と言われてからかわれた。小学1年の時に柔道を始め、柔道名門の横浜桐蔭学園高に進学するまではずっとトップ級の影に隠れていた。高校入学当時のテストでは同級生10人のうち最下位だった。

そのアン・チャンリムを強くしたのは「猛烈な練習」だった。アン・チャンリムは「自分で言うのもなんだが、私は練習の虫だ。背負投げがうまくいかなければ100回でも1000回でもうまくできるまでしないと気が済まない」と話した。筑波大2年だった2013年、全日本学生選手権73キロ級で優勝した後、日本柔道界から帰化を勧められたが、アン・チャンリムはすぐに断った。その代わりに2014年2月に韓国行きの飛行機に乗った。アン・チャンリムは「『韓国人は太極マークを付けなければいけない』という父の言葉に従っただけ」と話した。

韓国に来てから9カ月後の2014年11月、アン・チャンリムは73キロ級韓国代表の一陣になった。技術中心の日本、体力を重視する韓国、両国の柔道の長所をともに吸収した「完全体」という評価が続いた。アン・チャンリムは「当初はカルチャーショックもあった。日本では午前に技術中心に1、2時間の練習をするのがすべてだが、韓国ではウェイトトレーニングに実戦練習まで休む時間がなかった」とし「練習量がもったいないので絶対に負けることはできない」と語った。

軽量級強者のアン・バウルは3年前まで60キロ級の選手だった。高校時代は圧倒的な第1人者だったが、成人舞台では2年先輩のキム・ウォンジンの壁を越えることができなかった。悩んだ末に階級を上げたアン・バウルは66キロ級の選手になるために食べ物との戦争をした。アン・バウルは「体重を増やすために一日5食を取った。豚足・チキン・ピザなど何でも食べた」と語った。普段、体重を62キロから72キロまで増やしたアン・バウルは新しい階級に順調に適応し、2014年11月に国家代表の一陣となった。アン・バウルは昨年初めて出場した世界選手権で優勝し、国際舞台に名前を知らせた。

同じ年齢(24歳)のキム・ウォンジンとクァク・ドンハンは4年前のロンドン五輪にはスパーリングパートナー資格で行った。男子81キロ級の金宰範(キム・ジェボム)と90キロ級のソン・デナムが世界のトップに立つ場面を現場で目撃した。キム・ウォンジンは「リオで同じ年齢のクァク・ドンハンと一緒に金メダルを首にかけたい。『同期の伝説』を作る」と意欲を見せた。

韓国柔道アベンジャーズの前に立ちはだかるのは日本だ。アン・チャンリムは「ライバル」大野将平(23)と4回対戦してすべて敗れている。アン・バウルは海老沼匡(26)に2戦2敗、キム・ウォンジンは高藤直寿(24)に4戦4敗だ。クァク・ドンハンだけがベイカー茉秋(23)に2勝1敗と勝ち越している。対戦成績では劣勢だが、4人の選手ともに「ランキングと対戦成績は大きな意味がない」と口をそろえた。アン・チャンリムは「世界的な選手の実力差は紙一重。大野をはじめ、みんな日本では怪物と呼ばれた選手たちだ。その選手を越えてこそ真の世界最高となる」と語った。

体育館を出る前、厳しい練習をどう乗り越えるのかと尋ねた。ゴムひもを両手に巻いて握っていたアン・チャンリムはこう語った。「一度だけ多く投げ、一度だけ多く引けば、メダルの色が変わると信じる。新しい“一本勝ちの男”になりたい」



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