韓米が8日、THAAD(高高度ミサイル防衛)体系の在韓米軍配備を決めた。韓国政府はその間、THAADの実戦効用性をめぐる論争と周辺国の反発を考慮し、導入について慎重な立場を見せてきた。しかし1月に北朝鮮が国際社会の制裁にもかかわらず4回目の核実験を強行し、中距離弾道ミサイル(IRBM)を6回も発射しながら核能力の高度化に拍車を加える状況で、THAAD導入をこれ以上先延ばしできなくなったというのが政府の判断だ。今はもうTHAAD導入が確定しただけに、配備過程での副作用と外交的摩擦を最小化する緻密で総合的な接近が重要になった。
まず中国とロシアの反発を払拭することが急がれる。両国は韓国政府が何度か否定したにもかかわらず、韓国のTHAAD導入が米国のミサイル防衛(MD)システムに編入される信号弾と疑っている。政府は昨年、THAAD導入の話が浮上すると「要請も、協議も、決定もない」と否認で一貫していたが、北朝鮮の4回目の核実験直後、待っていたかのように米国と導入交渉を開始した。そして4カ月後に配備決定が下された。電光石火のようなこうした決定過程を見ると、韓米があらかじめ答えを定めておいて発表の時期だけを調整してきたのではと感じるほどだ。
それだけに韓米はTHAADの用途を明確にする必要がある。「ただ北の核ミサイルに対してのみ運用し、第3国に影響を及ぼさない」という発表を厳守しなければいけない。THAADが自衛の手段を越えて北東アジアの地形を揺るがす軍事的脅威として機能しないよう万全に管理し、中国・ロシアの疑惑を解消することが求められる。THAADが韓米日-朝中露の対決構図を再現し、韓半島(朝鮮半島)が新たな冷戦の最前線となり、北核交渉や南北対話の障害物となる状況は絶対に防がなければいけない。武器に武器でのみ対応すれば問題を解決することはできない。適切な時期に核の凍結を目標に北朝鮮との対話を再開する案が並行されるべきだ。
THAAD配備費用と敷地の選定にも精巧なアプローチが要求される。THAAD配備の費用は米国が負担し、韓国は敷地だけを提供するというが、米軍の先端戦略武器が入ってくるだけに防衛費分担金の引き上げなどの形で韓国に負担が追加される可能性もなくはない。敷地選定もTHAADレーダーの電磁波が人体に悪影響を与える恐れがあるという指摘のため論争が絶えない。韓米はこうした憂慮を確実に解消する案から確定し、その後に配備を推進する必要がある。
野党と地域社会の前向きな対応も重要な部分だ。軍事的自衛手段であるTHAADを理念や政争のレベルで頑なに反対すれば、国内の葛藤で国論が分裂し、安保に穴が生じる結果を招く。配備候補地の漆谷(チルゴク)・陰城(ウムソン)などで、自治団の首長と該当地域の国会議員までが加わり「阻止闘争」が生じているのも同じだ。住民の憂慮は理解するが、安保懸案をめぐる地域の利益主義は国家の存立を脅かしかねないだけに大乗的に克服しなければいけない。THAADが配備される地域の住民の安全と不利益救済のための政府の確実な対策が先行すべきことは言うまでもない。
まず中国とロシアの反発を払拭することが急がれる。両国は韓国政府が何度か否定したにもかかわらず、韓国のTHAAD導入が米国のミサイル防衛(MD)システムに編入される信号弾と疑っている。政府は昨年、THAAD導入の話が浮上すると「要請も、協議も、決定もない」と否認で一貫していたが、北朝鮮の4回目の核実験直後、待っていたかのように米国と導入交渉を開始した。そして4カ月後に配備決定が下された。電光石火のようなこうした決定過程を見ると、韓米があらかじめ答えを定めておいて発表の時期だけを調整してきたのではと感じるほどだ。
それだけに韓米はTHAADの用途を明確にする必要がある。「ただ北の核ミサイルに対してのみ運用し、第3国に影響を及ぼさない」という発表を厳守しなければいけない。THAADが自衛の手段を越えて北東アジアの地形を揺るがす軍事的脅威として機能しないよう万全に管理し、中国・ロシアの疑惑を解消することが求められる。THAADが韓米日-朝中露の対決構図を再現し、韓半島(朝鮮半島)が新たな冷戦の最前線となり、北核交渉や南北対話の障害物となる状況は絶対に防がなければいけない。武器に武器でのみ対応すれば問題を解決することはできない。適切な時期に核の凍結を目標に北朝鮮との対話を再開する案が並行されるべきだ。
THAAD配備費用と敷地の選定にも精巧なアプローチが要求される。THAAD配備の費用は米国が負担し、韓国は敷地だけを提供するというが、米軍の先端戦略武器が入ってくるだけに防衛費分担金の引き上げなどの形で韓国に負担が追加される可能性もなくはない。敷地選定もTHAADレーダーの電磁波が人体に悪影響を与える恐れがあるという指摘のため論争が絶えない。韓米はこうした憂慮を確実に解消する案から確定し、その後に配備を推進する必要がある。
野党と地域社会の前向きな対応も重要な部分だ。軍事的自衛手段であるTHAADを理念や政争のレベルで頑なに反対すれば、国内の葛藤で国論が分裂し、安保に穴が生じる結果を招く。配備候補地の漆谷(チルゴク)・陰城(ウムソン)などで、自治団の首長と該当地域の国会議員までが加わり「阻止闘争」が生じているのも同じだ。住民の憂慮は理解するが、安保懸案をめぐる地域の利益主義は国家の存立を脅かしかねないだけに大乗的に克服しなければいけない。THAADが配備される地域の住民の安全と不利益救済のための政府の確実な対策が先行すべきことは言うまでもない。
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