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海のない地域から海苔を輸出、中国人の舌を魅了=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

慶尚北道尚州市の咸昌農工団地に位置した調味海苔の生産・輸出専門企業「韓味来食品」の生産ラインで従業員が火に通した海苔を次の工程に移している。低塩方式で処理された海苔は高温で二回、火に通される。パリッとして深い味わいの海苔そのものの味が生かされている。韓味来食品のことしの売上目標は110億ウォンだ。

韓味来食品のチョン・ソンドン代表(44)

先月27日、慶尚北道尚州市咸昌邑(キョンサンブクド・サンジュシ・ハムチャンウプ)の咸昌第2農工団地に位置した(株)韓味来(ハンミレ)食品。

工場の中に入ると、油を塗って火に通された後、包装された調味海苔がうず高く積まれていた。前日、中国向けの物量をコンテナで送り、この日はシンガポール向けの物量を準備中だった。米国バイヤーも立ち寄った。韓味来は「韓国の味が来る」という社名のように、ほぼ中国にむけて調味海苔を輸出している。

韓未来は設立3年目の新生企業だ。輸出だけに専念し、昨年は売り上げ40億ウォン(約3億5800万円)を達成した。この金額は尚州市全体企業のうち輸出額で断トツの1位だ。ことしの目標は110億ウォンだ。


海苔の生産とはほど遠い慶北の内陸でどうしたら大規模な輸出が可能だったのだろうか。

韓未来は地域の有機農食品流通専門家が中国現地に精通した流通関係者を見つけて提携を進めながら道を開いた。

同社のチョン・ソンドン代表(44)はソウル大農科学科を出た有機農食品流通専門家だ。これまで尚州から中国などに向けて有機農食品を流通させてきた。チョン氏が見つけた現地流通関係者は上海を中心に中国で10年以上、水産物などの韓国食品を取り引きしていた。この中には海苔も入っていた。

この人物は販売ネットワークを持っていたうえ現地の食習慣にも明るかった。この人物は中国の海苔消費形態が韓国と違っていることに注目した。中国は菓子のようにおやつ感覚で海苔を口にする。そのため「スナック」と呼んでいる。また、中国人がこれまで食べていた海苔は主にもち米を塗って揚げたものだった。

韓未来は中国消費者を狙って薄さが持ち味の「スナック海苔」の開発に集中した。原料は西・南海岸の舒川(ソチョン)や莞島(ワンド)などのものを使った。国内とは違い調味から塩味をぐっと減らした。包装は子供や若者たちがどこでもすぐに食べられるように小さくした。売上が着実に伸びた。

運にも恵まれた。ことしに入ってスナック海苔の包装にディズニーランドの商標を載せた。先月、上海にディズニーランドがオープンして「ディズニーランドのスナック海苔」は中国でさらに身近なものになっている。この過程で慶北道は輸出契約などを仲裁した。

チョン氏は「中国の販売が着実に伸びている」とし「問題は天気で作況が良くなく、国内の原料海苔価格が昨年に比べてかなり上昇したこと」と心配した。100枚1束で3600~3800ウォンだったのがことしは4900~5200ウォンと30%以上高騰した。原料海苔市場が不安になったのだ。チョン氏は尚州から船積みされる釜山(プサン)・群山(クンサン)まで2時間30分なら行けると話す。交通網が四方八方に伸びてよく整備されていて物流環境も不利ではないという。

中国も海苔を養殖している。だが、中国人はこの海苔を食べないという。自国の海苔の衛生状態を信じることができないからだ。中国は食品を輸入する時、衛生条件が厳格になる傾向だという。韓未来はこれに備えて高価な滅菌機も購入した。今では中国を足がかりに米国・シンガポール・ベトナムにも輸出の道を広げている。

チョン氏は「中国は依然として海苔を食べたことがない人が多い」とし「調味海苔市場が拡大する可能性があるのに原料海苔生産は需要についてきていない」と残念がった。



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