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北朝鮮、最高権力機関「国務委員会」新設…金正恩国務委員長を推戴

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が29日に開かれた最高人民会議で国務委員会委員長として推戴されたと、朝鮮中央テレビが報じた。国務委員会は今回の最高人民会議で新設された国家機構。金正恩委員長が国務委員会のトップになったのは、金正恩が党だけでなく国家レベルの実質的な北朝鮮の最高指導者になったということだと、専門家らは評価した。

金正恩は5月の労働党第7回大会を通じて、従来の労働党第1書記から労働党委員長に職責を変えた。続いて国務委員長となり、金正恩体制をさらに固めたということだ。

国務委員会に対外的に国を代表する最高権限まで与えられたという見方もある。ソウル大統一平和研究院のチャン・ヨンソク研究委員は「ひとまず国務委員会を新しく設けたというのは、キューバの『国家評議会』のように外交権はもちろん経済・社会分野まで包括する名実ともに国家最高指導機関を作ったと解釈される」と述べた。


朝鮮中央テレビによると、この日、平壌(ピョンヤン)万寿台議事堂で開かれた最高人民会議で、金永南(キム・ヨンナム)常任委員長は「全体最高人民会議代議員と人民軍将兵、人民の一つの意志を込めて、敬愛なる金正恩同志を共和国の最高位である『朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長』として丁重に推戴する」と述べた。これに対し最高人民会議代議員は一斉に起立して「万歳」を叫びながら同意した。これを受け、金正恩の国家職責は従来の「国防委員会第1委員長」から「国務委員長」に変わった。

自由民主研究院のユ・ドンヨル院長は「国務委員会は従来の国防委員会に代わって新設された国家最高領導機関とみられる」とし「北が最高人民会議でこのような内容に憲法を改めたのは、国防委中心の従来の『先軍政治』の代わりに『先党体制』への変化を意味するものだ」と分析した。

金正恩はこの日、人民服姿で眼鏡をかけて行事に出席した。5月の党大会の初日、党事業総和報告をする時はスーツ姿だった。国家安保戦略研究院のイ統一戦略室長は「国務委員長という職責は初めて出てきた」とし「従来の国防委第1委員長という職責はどうしても父の金正日(キム・ジョンイル)総書記を連想させるため、父の跡を消すためという解釈もできる」と話した。

朝鮮中央テレビによると、国務委員会「副委員長」には労働党政治局常務委員の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)、崔竜海(チェ・ヨンヘ)、朴奉珠(パク・ボンジュ)が任命された。党常務委員はこの3人と金正恩、金永南の計5人で構成されている。

このうち金永南は今回新しく構成された国務委員長団の名簿から抜けた。金永南が高齢である点を勘案し、最高人民会議常任委員長職だけを維持したという分析が出ている。国務委員には金己男(キム・ギナム)、李万建(イ・マンゴン)、金英哲(キム・ヨンチョル)、李洙ヨン(イ・スヨン)、李容浩(イ・ヨンホ)、朴映式(パク・ヨンシク)、金元弘(キム・ウォンホン)、崔富日(チェ・ブイル)の8人が選任された。

最高人民会議は北朝鮮の憲法上の最高主権機関。最高人民会議では国家と政府機構改編はもちろん、人事・予算・決算などを扱う。

北朝鮮はこの日、最高人民会議で国務委員会を新しく構成して金正恩を国務委員長として推戴する案件のほか▼社会主義憲法修正補充▼国家経済発展5カ年戦略細部課題遂行▼共和国祖国平和統一委員会(祖平統)の国家機構昇格▼組織問題など計6つの案件を決めた。

党の外郭団体である祖平統を国家機構に昇格させたのは、金正恩が党大会で祖国統一課題に関して提示した内容を国家レベルで実行に移すための後続措置と解釈される。



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