観客数600万人を突破した映画『哭声』。俳優クァク・ドウォンやファン・ジョンミンなどそうそうたる実力派俳優が出演しているこの映画で、最も強烈な印象を放っている人物を挙げるなら、文字どおり「神がかり」の演技を見せた14歳の子役女優キム・ファニではないだろうか。ジョング(クァク・ドウォン扮)の娘ヒョジンとして登場するキム・ファニは、劇序盤で父親の下着を用意する思いやりをみせる子供から、突然目をむいて激しく苦しみもがく様子までを演じこなし、劇の緊張感をリードしていく。
ソウル孔陵(コンヌン)中学校2年に在学中のキム・ファニは、実際会って話すと、一言終えるたびに少女らしい笑いを弾ませるおしゃべり好きの楽しい女の子だった。なかでも、映画館で『哭声』を見た時の感想を話している途中で目を見開いた。「本当は私、怖いものを見ることができないんです。VIP試写で『哭声』を見たのが私の人生初めてのホラー映画でした。ヒョジンの目つきが瞬間的に変わる場面で観客が声を上げて驚いた時、本当に震えました。劇中、外部からきたおじさんの役を演じた國村隼さんの演技を見て、私もぶるっときました。私もそのような存在感を放つ女優になりたいです」
6歳の時にSBS(ソウル放送)ドラマ『プランダン 不汗党』(2008)でデビューし、主にテレビドラマで活躍してきたキム・ファニにとって、映画『哭声』は大きな挑戦だった。2年前に1回目のオーディションを受けた当時、ナ・ホンジン監督が「いつも話すような自然な演技をして」という注文にしっかりと応えることができず、二時間同じセリフをずっと繰り返す羽目になった。2回目のオーディションでは1発でナ監督のOKをもらった。「シナリオを初めて見た時は何の話なのか理解できませんでした。リーディングする時、監督がまるでグラフを描くように映画の流れをシーン別に整理してくれました。そうして撮影に入り、カメラの前でヒョジンを本当に心配しているようなジョングパパの目を見て、私も気づかないうちに演技に入り込んでいました」。
ナ監督は、ジョングをさらに切迫した状況に追い詰めるヒョジンというキャラクターを誰よりも強烈に演じることを望んだ。「ものすごい先輩俳優の方々と一緒に演じるんだと思うととても萎縮しましたが、監督が『君は子役ではなく一人の女優だ』とおっしゃいました。それで『そうだ、縮こまる必要はないんだ』と決心しました。『一人の女優』と『子役女優』は自信があるかないかの違いだと思います」。キム・ファニの表情が瞬間、真剣になった。
演技の面白さに気づいたのはいつかという質問に、キム・ファニはためらいなく答えた。「私が初めて長いセリフをもらった作品がKBS(韓国放送公社)第2テレビのドラマ『天下無敵イ・ピョンガン』(2009)でした。7歳のときの記憶はそのセリフを覚えたことしかありません。ものすごく練習をして行って、リハーサルの時に『目がぼんぼんに腫れちゃった』というセリフを言ったのですが、みんな面白いと言って笑ったんです。その時、演技って面白いんだ!と初めて感じました(笑)」。
「インターネットで『哭声』の記事をいろいろ探して読んでみたのですが、コメントの中に『この子がいなかったら映画はどうなっていただろう』という一文を見つけて一人じーんとしました。これまで一生懸命演技をしてきたことに対してご褒美をもらったような気持ちでした」。劇中のすさまじい演技の後遺症はなかったのだろうか。キム・ファにはケロリとして「全然ありません」と答えた。
ソウル孔陵(コンヌン)中学校2年に在学中のキム・ファニは、実際会って話すと、一言終えるたびに少女らしい笑いを弾ませるおしゃべり好きの楽しい女の子だった。なかでも、映画館で『哭声』を見た時の感想を話している途中で目を見開いた。「本当は私、怖いものを見ることができないんです。VIP試写で『哭声』を見たのが私の人生初めてのホラー映画でした。ヒョジンの目つきが瞬間的に変わる場面で観客が声を上げて驚いた時、本当に震えました。劇中、外部からきたおじさんの役を演じた國村隼さんの演技を見て、私もぶるっときました。私もそのような存在感を放つ女優になりたいです」
6歳の時にSBS(ソウル放送)ドラマ『プランダン 不汗党』(2008)でデビューし、主にテレビドラマで活躍してきたキム・ファニにとって、映画『哭声』は大きな挑戦だった。2年前に1回目のオーディションを受けた当時、ナ・ホンジン監督が「いつも話すような自然な演技をして」という注文にしっかりと応えることができず、二時間同じセリフをずっと繰り返す羽目になった。2回目のオーディションでは1発でナ監督のOKをもらった。「シナリオを初めて見た時は何の話なのか理解できませんでした。リーディングする時、監督がまるでグラフを描くように映画の流れをシーン別に整理してくれました。そうして撮影に入り、カメラの前でヒョジンを本当に心配しているようなジョングパパの目を見て、私も気づかないうちに演技に入り込んでいました」。
ナ監督は、ジョングをさらに切迫した状況に追い詰めるヒョジンというキャラクターを誰よりも強烈に演じることを望んだ。「ものすごい先輩俳優の方々と一緒に演じるんだと思うととても萎縮しましたが、監督が『君は子役ではなく一人の女優だ』とおっしゃいました。それで『そうだ、縮こまる必要はないんだ』と決心しました。『一人の女優』と『子役女優』は自信があるかないかの違いだと思います」。キム・ファニの表情が瞬間、真剣になった。
演技の面白さに気づいたのはいつかという質問に、キム・ファニはためらいなく答えた。「私が初めて長いセリフをもらった作品がKBS(韓国放送公社)第2テレビのドラマ『天下無敵イ・ピョンガン』(2009)でした。7歳のときの記憶はそのセリフを覚えたことしかありません。ものすごく練習をして行って、リハーサルの時に『目がぼんぼんに腫れちゃった』というセリフを言ったのですが、みんな面白いと言って笑ったんです。その時、演技って面白いんだ!と初めて感じました(笑)」。
「インターネットで『哭声』の記事をいろいろ探して読んでみたのですが、コメントの中に『この子がいなかったら映画はどうなっていただろう』という一文を見つけて一人じーんとしました。これまで一生懸命演技をしてきたことに対してご褒美をもらったような気持ちでした」。劇中のすさまじい演技の後遺症はなかったのだろうか。キム・ファにはケロリとして「全然ありません」と答えた。
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