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【社説】「新サンドイッチ」局面の韓国経済…総体的な対応策を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国をめぐる対外経済環境は我々が「新サンドイッチ」局面に入ったことを見せている。10年ほど前に提起された「サンドイッチ論」は技術では日本・米国に、生産力では中国に劣るという生産の側面の問題だった。今は世界市場に広がる新保護貿易主義と通商戦争の渦中ではるかに難しい状況だ。特に最近、米国は韓国に対する疑心を露骨に表すなど、激しく圧力と攻勢をかけている。

リッパート駐韓米国大使は最近、世界経済研究院で講演し、法律市場と医薬サービス市場の開放に圧力を加え、韓国が韓米自由貿易協定(FTA)を履行していないと強く批判した。また、ルー米財務長官は昨日、これといった懸案もなく韓国を訪問し、今日、柳一鎬(ユ・イルホ)副首相兼企画財政部長官に会う。決められた議題はないが、ルー長官が4月に韓国を「為替監視対象」に指定するのに率先したという点で、為替レートと韓国の対米貿易黒字解消などに圧力を加えるという見方が出ている。

こうした中で生じている米中通商戦争は韓国にさらに複雑な問題を投じている。先月開催された日本・米国など主要7カ国(G7)首脳会議では、参加国が「鉄鋼分野の過剰供給に対応しよう」として中国に言及した。米国が中国産鉄鋼に400-500%の反ダンピング関税を課し、欧州連合(EU)と日本も参加することにした。中国は世界貿易機関(WTO)に提訴するとして対抗した。こうした状況で米国は韓国人初のWTO上訴機構委員である張勝和(チャン・スンファ)ソウル大教授の再任に反対した。張委員が米国側に不利な判決を多く出し、韓国・中国寄りだという不満が累積した結果だと分析されている。また本格的な米中通商戦争を控えて韓国に警告しているという解釈もある。


貿易業界は韓国だけが大国の争いで犠牲になると懸念している。米商務省は最近、韓国産鉄鋼にも高率関税を決めた。中国に生産基地を置く韓国企業も反ダンピング関税紛争に巻き込まれる事例が増えた。すると貿易協会は「韓国企業中国法人は米国・EU側への輸出を増やすのを自制するべき」と勧告した。半導体業界は中国の半導体産業支援金問題のWTO提訴に参加しろという米国側の圧力にどうすることもできない状況だ。

米大統領選挙後はさらに心配だ。トランプ氏は韓米FTAを含む環太平洋経済連携協定(TPP)を見直すと公言し、ヒラリー・クリントン氏も保護主義の声を高めている。KOTRA(大韓貿易投資振興公社)は「誰が大統領になろうと米国の通商変化が予告され、FTA再交渉が推進される可能性が高い」という報告書を出した。

グローバル通商環境と主要国の輸入政策はすでに新保護主義に向かっている。今は環境の変化に合う新しい戦略を準備しなければいけない。国内的に為替レート、FTA規定履行、規制緩和などで相手国に口実を与えない政策を速やかに推進する必要がある。また、米国に対し、貿易収支は韓国が黒字だがサービス収支は圧倒的な赤字である点を挙げながら経済論理で納得させ、国益を守るためのさまざまな外交努力など全方向かつ総体的な対応体制を整えるべきだ。



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