景気が良くなれば物価が揺れる。FRBが重視する物価指標であるコアPCE物価指数の月別上昇率は3~4月の2カ月連続で前年同期比1.6%を記録した。コアPCEはPCEから変動性が高いエネルギーと食品を除いて算出した値だ。FRBの目標値である2%に向け巡航中だ。新規住宅市場も好況だ。4月の着工実績は17%増えこの8年余りで最も熱かった。こうした実体景気の好転は米国の2度目の金利引き上げを目の前に引き寄せている。
もちろんこれだけでFRBは動きはしない。概ね2種類をさらに挙げることができる。まず過去より重要性がはるかに高まったグローバル経済状況を見なければならない。「慎重さ」の代名詞であるイエレンFRB議長は3~4月にさらに慎重だったが理由はグローバル景気鈍化リスクのためだった。このリスクは現在悪化しないでいる。もうひとつは金融市場だ。FRBは金融市場が揺れ動けば並大抵では金利に手を付けない。金融市場もやはり数カ月にわたり平穏を維持している。
米国の景気とグローバルリスク、金融市場という3種類の状況を考慮すると金利引き上げ条件は熟したとみられる。FRBが6月の連邦公開市場委員会(FOMC)定例会議(14~15日)の際に金利引き上げの引き金を引いても別に驚くことでない。FRB幹部は「6月または7月」という言葉で含みを持たせている。イエレン議長は一歩踏み込んで金利引き上げ時期を「今後数カ月以内」(先月27日、ハーバード大懇談会)とあいまいに表現した。
FRBは3日に出される5月の雇用指標を確認してからタイミングを選ぶものとみられる。英国のEU離脱をめぐる6月23日の投票を見守った後で行動に出るかもしれない。市場はそれを看破しているのか。先物市場で挙げた6月の金利引き上げ確率は30%以下に再び落ちたが7月は50%を超える。
米利上げは目前? 7月説優勢(1)
もちろんこれだけでFRBは動きはしない。概ね2種類をさらに挙げることができる。まず過去より重要性がはるかに高まったグローバル経済状況を見なければならない。「慎重さ」の代名詞であるイエレンFRB議長は3~4月にさらに慎重だったが理由はグローバル景気鈍化リスクのためだった。このリスクは現在悪化しないでいる。もうひとつは金融市場だ。FRBは金融市場が揺れ動けば並大抵では金利に手を付けない。金融市場もやはり数カ月にわたり平穏を維持している。
米国の景気とグローバルリスク、金融市場という3種類の状況を考慮すると金利引き上げ条件は熟したとみられる。FRBが6月の連邦公開市場委員会(FOMC)定例会議(14~15日)の際に金利引き上げの引き金を引いても別に驚くことでない。FRB幹部は「6月または7月」という言葉で含みを持たせている。イエレン議長は一歩踏み込んで金利引き上げ時期を「今後数カ月以内」(先月27日、ハーバード大懇談会)とあいまいに表現した。
FRBは3日に出される5月の雇用指標を確認してからタイミングを選ぶものとみられる。英国のEU離脱をめぐる6月23日の投票を見守った後で行動に出るかもしれない。市場はそれを看破しているのか。先物市場で挙げた6月の金利引き上げ確率は30%以下に再び落ちたが7月は50%を超える。
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