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【時視各角】朴槿恵の危機管理実力は(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
構造改革を「執刀」した李憲宰(イ ・ホンジェ)は通貨危機当時の状況をこのように書いた。「1997年末の危機は恐ろしい風景だった。手の施しようもなく市場が崩れた。国は風浪の中の小舟のようだった」(回顧録『危機を撃つ』)。経済が崩壊して政治がひっくり返るのは一瞬だった。大量失業は政治の不安に直結する。4・13総選挙で朴槿恵(パク・クネ)政権の惨敗は公認争いという醜い政治形態のためだけではなかった。その下には景気低迷と長期不況に対策なく流される庶民の生活が火薬庫のように存在する。

朴大統領が報告を受けたかどうかは分からないが、最近、造船所と協力会社が集まっている釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・巨済(コジェ)・霊岩(ヨンアム)の一部の地域では暴動論が広がっている。巨済市玉浦(オクポ)を取材した記者によると、大宇造船海洋の下請け会社の職員の目が変わっているという。彼らは「2万人が解雇になれば暴動も起こるはずだ。とにかく生活ができないだけにめちゃくちゃになることもある」という話を普通にしているという。

97年にも暴動論があった。当時、李憲宰が作成して金大中(キム・デジュン)次期大統領に伝えられたメモには、「98年4月ごろ、失業により大規模な騒擾事態が発生するおそれがある。その前に労組問題を解決する大きな枠を組まなければいけない」という内容もあった。金大中は経済で騒動を感知した李憲宰の政務的判断を高く評価した。李憲宰は非常経済対策委員会企画団長に続き、銀行監査委員長に任命され、「大規模騒擾」の予想経路を先制的に遮断した。


金大中はテレビの生放送に出演し、財閥・金融構造改革を通じて韓国経済の体質を変えなければいけないと国民を説得した。金大中は連立のパートナーだった朴泰俊(パク・テジュン)自民連総裁と週次会合を通じて間接的に李憲宰に力を与えた。朴総裁は週次会合をする前にはいつも李憲宰に会った。国民の意志を一つにした大統領の政治力と内閣・青瓦台の集中力、そして強力な権限を委任された銀行監査委員長が勝負をかけ、市場の混乱を整理していった。



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